8月26日、パラ期間中に選手村であった自動運転バスが視覚障がい者に接触した事故です。
選手村内の自動運転ですから公道ではありません。
しかし、パラ期間中ですから細心の注意が必要だったのです。
信号のないT字路の横断歩道での接触です。
視覚障がいのある柔道選手は頭などに全治2週間の軽傷を負い、28日の試合を欠場しました。
トヨタの車は、「e-Palette(イーパレット)」20人乗りです。マイクロバスサイズですね。
eが付きますからモーター駆動です。
自動運転技術の到達点は、レベル1~5の5段階に分類されます。
レベル1~2は運転者支援。3は高速道路などで運転を任せられるレベル。
4~5が完全な無人運転レベルです。まだ開発途上です。
イーパレットは、無人運転が可能なレベル4の車両として提供されるはずでした(だった!)。
しかし、実は事故が起きる1カ月以上も前に、この車の自動運転技術がまだ実用レベルでないことがわかったそうです。
すなわち、人の手が必要と認識されたことです。
レベル4からレベル2に仕様を変更し添乗員や誘導員を配置が配置されました。
人間による常時監視下で8台を運行し、24時間運転で延べ約3万人を運んでいます。
しかし、それでも事故が起こりました。
トヨタ社長は、「目の見えない人への想像力が欠けていた」などと陳謝したそうです。
私はこのことを記事(毎日新聞)で読んで驚きました。
視覚に障がいがある人が、パラに参加することは誰でも知っています。
また、自動運転で最も重視されなければならないのは視覚障がい者への配慮です。
人は情報を視覚に頼ります。それは情報の80%と言われます。
トヨタ社長の「目の見えない人への想像力が欠けていた」という発言は見逃せません。
想像力が欠けているレベルではありません。
エンジン運転を止めモーター走行を車の接近に気づかず怖い思いをしたという歩行者の声をよく聞きます。
視覚障がい者の方の伴走中にモーター走行車に接近されて気づかず大変驚かれたことがあります。
警告音の設置が必要ですがなされていません。
購入者に対する配慮でしょう。
事故後、自動運転のバスの運行は警察による捜査もあり5日後の再開したそうです。
対策としては、
・「接近を知らせる警告音」を大きくした。(最初から大きくしておけば)
・ 誘導員を事故前の約3倍に増やした。
自動運転をしたことで通常より人手がかかるというのが実情でした。
自動運転技術は、まだまだハードルが高いということがわかる事故でした。
特に一般道ではいつ可能になるか想像もつきませんね。
お読みいただきありがとうございました。