当ブログは、JR西福知山線脱線転覆事故を継続して記事にしています。
今回の神戸第一検察審査会の「起訴議決」は、重要な歴史的意味を持ちます。
ひとつは、司法制度に関すること。
起訴、不起訴処分を決定することが、ほとんど検察庁の独占業務だったことへの風穴。
検察庁の改革へと繋がることを期待します。
二つ目は、事故を現場の担当者の責任だけにとどまらせないこと。
企業トップの経営姿勢による刑事責任から逃げられないこと。
企業は、社会的な組織であり、企業の存在は社会から認知されることなしには存続できない。
企業の指導者として方向性を誤まりその結果が重大な事態を引き起こした場合は刑事的な責任をも問われる。
神戸第一検察審査会は、企業責任にも風穴を開けたといえます。
以下は、朝日コムからの転載です。2010年3月26日
107人が死亡、562人が負傷した2005年4月のJR宝塚線(福知山線)脱線事故で、神戸第一検察審査会は26日、神戸地検が不起訴処分としたJR西日本の歴代社長3人について、業務上過失致死傷罪で強制起訴すべきだとする「起訴議決」をし、公表した。昨年5月に施行された改正検察審査会法にもとづく起訴議決は兵庫県明石市の歩道橋事故に続き2例目で、今後は裁判所が指定した検察官役の弁護士が同罪の公訴時効(5年)を迎える4月末までに3人を起訴する。
事故をめぐっては山崎正夫前社長(66)が同罪で在宅起訴されており、JR西の歴代トップ4人が刑事責任を問われる異例の事態となった。
起訴議決を受けた3人は、井手正敬元会長(74)、南谷昌二郎前会長(68)、垣内剛元社長(65)。
審査会は、井手氏について、社長だった1996~97年に収益を拡大させるという経営方針のもと、宝塚線から東西線への乗り入れを円滑にするために現場カーブを半径600メートルから同304メートルの急カーブに付け替えたうえ、時速約120キロで走る新型車両を大幅に増やしたと指摘。南谷氏と垣内氏もこうした経営方針を引き継ぎ、快速電車を増やしたり運転時間を短縮させたりしたとした。
そのうえで、3人には、現場カーブがJR西管内でも特に危険性が高いとの認識があった▽カーブ付け替え直前に起きたJR函館線脱線事故を精査し、宝塚線の現場カーブに自動列車停止装置(ATS)を整備するよう部下に指示すべき注意義務があった――と指摘。「危険性を認識していなかったとは到底考えられず、最優先にATSを整備すべき義務を怠った」と結論づけた。
一方、神戸地検は昨年7月、現場カーブ付け替え時(96年12月)にATSの設置を怠ったとして、当時鉄道本部長だった山崎前社長だけを起訴し、3人については「安全対策の権限を鉄道本部長に委ね、カーブが危険という認識はなかった」として不起訴処分とした。
これに対し審査会は、3人は安全対策の基本方針を実行すべき最高責任者だったと強調。「JR西の社長として鉄道本部長を指揮し、社内の総合安全対策委員会の委員長として事故防止業務を総括する立場にあった」「函館線事故は当時の全国紙に掲載されていたが、何の対策も取らなかった」と述べ、組織のトップとして刑事責任は免れないと判断した。(根岸拓朗)
※写真はカンスタ前 有森さんの銅像があります。
今回の神戸第一検察審査会の「起訴議決」は、重要な歴史的意味を持ちます。
ひとつは、司法制度に関すること。
起訴、不起訴処分を決定することが、ほとんど検察庁の独占業務だったことへの風穴。
検察庁の改革へと繋がることを期待します。
二つ目は、事故を現場の担当者の責任だけにとどまらせないこと。
企業トップの経営姿勢による刑事責任から逃げられないこと。
企業は、社会的な組織であり、企業の存在は社会から認知されることなしには存続できない。
企業の指導者として方向性を誤まりその結果が重大な事態を引き起こした場合は刑事的な責任をも問われる。
神戸第一検察審査会は、企業責任にも風穴を開けたといえます。
以下は、朝日コムからの転載です。2010年3月26日
107人が死亡、562人が負傷した2005年4月のJR宝塚線(福知山線)脱線事故で、神戸第一検察審査会は26日、神戸地検が不起訴処分としたJR西日本の歴代社長3人について、業務上過失致死傷罪で強制起訴すべきだとする「起訴議決」をし、公表した。昨年5月に施行された改正検察審査会法にもとづく起訴議決は兵庫県明石市の歩道橋事故に続き2例目で、今後は裁判所が指定した検察官役の弁護士が同罪の公訴時効(5年)を迎える4月末までに3人を起訴する。
事故をめぐっては山崎正夫前社長(66)が同罪で在宅起訴されており、JR西の歴代トップ4人が刑事責任を問われる異例の事態となった。
起訴議決を受けた3人は、井手正敬元会長(74)、南谷昌二郎前会長(68)、垣内剛元社長(65)。
審査会は、井手氏について、社長だった1996~97年に収益を拡大させるという経営方針のもと、宝塚線から東西線への乗り入れを円滑にするために現場カーブを半径600メートルから同304メートルの急カーブに付け替えたうえ、時速約120キロで走る新型車両を大幅に増やしたと指摘。南谷氏と垣内氏もこうした経営方針を引き継ぎ、快速電車を増やしたり運転時間を短縮させたりしたとした。
そのうえで、3人には、現場カーブがJR西管内でも特に危険性が高いとの認識があった▽カーブ付け替え直前に起きたJR函館線脱線事故を精査し、宝塚線の現場カーブに自動列車停止装置(ATS)を整備するよう部下に指示すべき注意義務があった――と指摘。「危険性を認識していなかったとは到底考えられず、最優先にATSを整備すべき義務を怠った」と結論づけた。
一方、神戸地検は昨年7月、現場カーブ付け替え時(96年12月)にATSの設置を怠ったとして、当時鉄道本部長だった山崎前社長だけを起訴し、3人については「安全対策の権限を鉄道本部長に委ね、カーブが危険という認識はなかった」として不起訴処分とした。
これに対し審査会は、3人は安全対策の基本方針を実行すべき最高責任者だったと強調。「JR西の社長として鉄道本部長を指揮し、社内の総合安全対策委員会の委員長として事故防止業務を総括する立場にあった」「函館線事故は当時の全国紙に掲載されていたが、何の対策も取らなかった」と述べ、組織のトップとして刑事責任は免れないと判断した。(根岸拓朗)
※写真はカンスタ前 有森さんの銅像があります。
そもそも日本の鉄道の安全技術は,世界的に評価されているのですが,技術は使われて生きるものです。
JR西日本に限らず,人を大切にしない風潮が蔓延している中で,大切にしないことで起きた事件は,検察(広く法曹界)は許しても市民感情は許さないのだという姿勢を,明石の歩道橋事件に続いて検察審査会として示せたのだと思います。
利益優先の今の日本全体への,警鐘となってほしいものです。
コメントありがとうございます。
コメント内容に同意いたします。
そして、企業責任、経営者責任の変化を感じます。
この変化を評価しています。