ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

二つの国

2015-04-09 | 映画
今日は仕事はお休みでした。


洗濯をして買い物に行ってスポーツクラブでバイク漕いで…という、典型的な「休日」を過ごしました。
でも、私の仕事は「人の気持ちの調節」がほとんどなので、こういう「ザ・休日!」みたいな日がないと、気持ちが煮詰まってしまいます。
そういう意味では、今日のまったりとした一日は、助かりました。


夜、『新幹線大爆破』という映画をBS放送で観ました。
1975年の作品で、主演が高倉健です。
その他、千葉真一、宇津井健…と言ったスターがたくさん出演しています。
以前から「日本の現代アクション映画では最高傑作」という評があったのですが、初めて観ることが出来ました。

1975年と言えば昭和50年で、私が高校に入学した年です。
40年前とは言え、「ついこの間」という感覚だったのですが、この映画で40年前の俳優さんやエキストラの人々の顔つき、街並みなどを見ると、「違う国みたいだなア」と思いました。

何より、俳優さんの顔が、濃い。
主演の高倉健さんは撮影時四十代前半、千葉真一さんはまだ三十代ですが、もっとずっと貫禄があるように見えます。
今どきの同年輩の俳優にはまずいない…という顔つきをしています。

誤解を恐れずに言えば、韓国映画や中国映画に出てくる俳優さんたちに近い「凄み」があります。
やはり『新幹線大爆破』出演していた丹波哲郎さんや志村喬さんの顔つきなどは、もはや「俳優にはいない」というレベルではなく、「日本中どこにもいなくなった容貌」という感じがしました。

これも誤解を恐れずに言えば、「戦争を体験しているか否か」で、特に男性の顔つきは全く変わってくるのではないか…と思いました。
そういえば、私の子供の頃、政界には「容貌魁偉」という表現がぴったりな顔相がたくさんいたけれど、今はすっかりいなくなったなア…ということも連想しました。

私は知らずして二つの国を生きてきたのだ…と気づかせてくれた作品でした。