ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

確かな変化

2014-05-13 | ほとほと日記
今日は仕事はお休みでした。

朝の洗濯が終わってからスポーツクラブで走り、スーパーで食糧を買い出しして帰る…という絵に描いたような休日を過ごしました。
最近、ざるラーメンを作るのに嵌まりかけています。
もちろん付け麺ですが、具を何にするかを考えるのはちょっとだけ楽しい。

このところNHK が認知症に関して本腰を入れて番組を作成しています。
先週の日曜は『認知症行方不明者一万人時代』というNHK 特集を流していました。
このタイトルだと実際に一万人の認知症高齢者が行方不明になって表れて来ないようですが、そうではありません。
警察に通報した場合は、後で当人が見つかったとしても「行方不明」とします。
また、同じ人が十回通報された場合は「十人」とカウントします。
ですから実際には「年間で一万回近く認知症高齢者が徘徊して行方不明通報された」ということですが、それはやはり大変な数字にかわりありません。
昨年、徘徊の末死亡された認知症高齢者は300人以上いるそうですが、この数字はこれからますます増えていくだろうなあ…と思います。

また、昨夜は『介護に卒業という自治体の取り組み』という番組も放映していました。
埼玉県和光市が、要介護の前段階である要支援高齢者に積極的に筋力トレーニングや脳トレを行い、要支援から自立判定になっている例が続出している…という内容でした。
ですから「介護に卒業」というより、予備軍の高齢者に積極的にリハビリをして要介護になるのを予防し、一定の成果を上げている…というのが正しいと思います。

要支援の人も現在は介護保険の対象ですが、来年4月の介護保険法改正で要支援は介護保険から外される…という流れはほとんど決定的と見られています。
今まで要支援の人が介護保険で受けていた訪問介護やデイサービスなどは、市区町村に移管される方向ですから、特に財政の豊かでない市区町村は、いかに要支援状態の高齢者を少なくするかにこれから躍起になるでしょう。
番組では、介護保険の更新申請の結果、要支援から自立判定になった高齢者に、施設職員が「介護からの卒業証書」を手渡す場面がありました。
お元気になるのは確かに良いことですが、背景にあるのが財政問題だとすると、そう喜んでばかりもいられないんだけど…とも考えたものです。

そして、こういった番組をEテレやBS でなく、総合のゴールデンタイムに続けざまに放映するあたり、NHK の本気度を、ひいては日本社会本流の人たちの危機感を感じたことでした。