ほとほと通信

89歳の母と二人暮らしの61歳男性の日記。老人ホームでケアマネジャーをしています。

うれしい拾い物

2014-05-09 | 映画
今日は仕事はお休みでした。

金曜は私の所属するスポーツクラブもお休みなので、今日は午前中に買い物に出かけました。
まず四ツ谷のカトリック聖品店に行き、小さな天使の人形を買いました。
近く昔の同僚たちと食事をするのですが、そのとき小さいお子さんを連れてくるというので、お土産を買ったのです。
その天使の人形は本当に可愛くて私も大好きなのですが、自分が持つのも良いけれど、プレゼントして喜ぶ表情を見るのも嬉しいものです。

それから新宿に行き、東急ハンズなどを回りました。
午前中からちょっと暑いほど良い陽気で、新宿新南口と呼ばれるゆったりとした造りの商業ビル街を歩いていくのはとても良い気持ちでした。

午後からはいつものようにネットを見たり昼寝をしたりしてグータラ過ごしたのですが、夕食のざるラーメンを食べながら見はじめた映画が、なかなか拾い物でした。
堺雅人と宮崎あおいが共演した『ツレがうつになりまして』という、3年前の作品です。

原作がベストセラー漫画で、作者が自分の夫がうつ病で苦しんでいたことを題材にしたものであることは知っていました。
私自身、二十年来心療内科に通院しずっと服薬もしているので、「興味本位な描き方だったらいやだな…」と、どちらかといえば避けていた作品でした。
今日はネット動画でフト見はじめたのですが、誠実な雰囲気に惹きこまれ、最後まで見てしまいました。
単に抑うつ感情だけでなく、頭痛や体の痛みなどの身体症状、自殺念慮、不眠と過眠、気候と症状の関係…などがキチンと描かれているのに感心しました。
実体験をベースにした作品だけのことはあります。

先ほど「誠実に」と書きましたが、それは裏返せば「ドラマとしては地味」ということでもあります。
実際、日本映画にありがちな大仰な感情表現はなく、それでなくとも地味な題材なのですから、商業映画として興行を成り立たせるのは大変だったろうなアと思います。
でも、「がんばらないことの大切さ」が原作のキモでもあり、製作者たちも大仰な表現をしないことを譲れなかったのでしょう。
主演した二人の確かな演技もあり、静かだけれど良い作品になっています。

そして、病気の映画ではなく、夫婦愛の、日常的な支え合いの大切さを描いた作品です。
そこがもっとも共感できたところだと思います。