《ニュース》

文部科学省は7月31日、小中学生を対象にした学力調査である「経年変化分析調査」(2024年度)の結果を公表しました。全ての教科で3年前の前回を下回っており、子供の学力が大幅に低下していることが衝撃を与えています。

 

《詳細》

調査の対象は全国で抽出した小6(約3万人)と中3(約7万人)で、教科は国語、算数・数学、英語(英語は中3のみ)。結果は500点を基準としたデータで公表されました。

 

平均点が最も下がったのは英語で、前回比22.9点減の478.2点となりました。算数は20.9点減、小学国語は15.9点減、中学国語は12.7点減、数学は8.0点減でした。

 

前回21年度は下がった教科がなかったことから、識者や文科省内では、「こんなに下がったことはない」「深刻だ」との認識が広がっています。

 

また、同日公表された「全国学力テスト」(2025年度)では、全教科で「記述力」や理由や根拠を明確にして書く「論理的に説明する力」の弱さが目立ちました。

 

国語では、「正しい敬語が使えない」「自分の考えが相手に伝わるように書く力が低下」といった傾向がでています。また、大量の情報の中で、何が自分に必要かを取捨選択する能力が足りていないことが危惧されています。

 

同時に行われたアンケート調査では、「授業の内容がよく分かる」と回答した児童・生徒が減少傾向で、授業の内容がよく分かっていない子が増加していることが分かりました。

 

さらに、同調査では「読書好き」や、「蔵書数が多い」生徒ほど好成績である傾向が明らかになった一方、読書が好きな生徒の割合は過去最低になり、小6は36.6%(24年は42.1%)、中3は30.4%(同38.0%)となっています。

 

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