天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

性同一性障害の子ども

2014-12-10 17:14:31 | 世相

NHK総合で12月9日(水)19:30から放映された「クローズアップ現代」には目を見張った。テーマがきわめてむつかしい「性同一性障害の子ども」。
こういうテーマを果敢に取り上げたNHKと勇気と進取の気概をよしとするのだが、驚いたのは当該者が素顔で出演したことである。
そのお子さんの写真を取り上げていいか倫理的に迷うほどであるが、この映像はすでに放映されており、またNHKのサイトで誰もが見ることができる。

当該者の顔の露出に関して言えば、
お子さんは平気で素顔を見せているが母の顔にはぼかしが入っていて奇異な感じがした。
お子さんが露出して母が隠れる必要があるのか。顔を隠すのなら母子ともどもというのなら理解できた。その辺の母の心理の機微にぼくはついていけなかった。
なお、母はぼかしでも出演しているのだが父はまったく出演していないのが奇異であった。事情があって父がいないのかいろんなことを想像してしまった。


性にまつわるこの問題は障害とか精神病理とかいったレベルを超えて哲学の領域に立ち入らなくてはならない。
男女の感覚の差をここで持ち出すのは微妙ではあるが、ぜひ男親(父)の感慨を聴いてみたかった。
できればもう30分長い時間でやり父を引っ張りだしてほしかった。そうすればもっと中身は深くなったと思う。

彼らは早晩、からだとしての性を心に合わせたいという欲求が生じてくるだろう。
そうなったときのことはテレビなどで扱うには困難すぎると思う。
帚木 蓬生が『インターセックス』において心の性と体の性の一致を図ろうとして体にメスを入れることにきわめて慎重な態度をとっていたのを思い出す。それで本質的な解決は得られないと述べていた。


性同一性障害、あまりにも人間的な深淵……人間の究極の差別意識の深淵ともいうべき問題が横たわっている。
「男と女の 間には深くて暗い 川がある」といって始まる抒情的な歌詞(黒の舟唄)があるがこれはメロドラマ。その男と女そのもの根底に直面する課題が我々に今突き刺さっている。

~揺れる教育現場~
今、教育現場では、体の性と心の性が一致しない「性同一性障害」の子どもへの対応に揺れている。文部科学省は今年初めて、自分の性に違和感を訴える子供たちへの学校の対応についての調査結果を公表。全国の小中学校や高校で「性同一性障害」とみられる児童・生徒は、少なくとも600人以上で、その対応に教育現場が苦慮している実態が明らかになった。自分の性に違和感を抱く子供の中には、悩みを独りで抱え込んだり、周囲に理解されずに、不登校や自傷行為にいたるケースも少なくない。トイレや更衣室、制服、さらに部活動の選択など、男女の棲み分けが当たり前のように行われてきた教育現場で、本人の精神的負担を減らすにはどう配慮すべきか。さらに周りの同級生や保護者にどのように伝えていくべきか。自らの性に悩む子供たちの現状とともに、対応に揺れる教育現場の模索を伝える。(
NHKのサイトより)
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