実業之日本社/2024年11月 装画:岡田航也
【内容(版元発)】
綱引きで、人生再起動! 商店街から世界を目指せ――
一本の綱を引き合い勝敗を決める「綱引き」。五輪の正式種目だった時代もある、歴としたスポーツ競技だ。東京・蒲田の綱引きチーム「プルスターズ」は、商店会結束の象徴として発足。全国大会優勝の実績も持つが、主力選手の高齢化や長引く不況の影響で休眠状態に。しかし、チーム最年長53歳のキャプテン真島と、アイルランドからの留学生ケリーとの出会いがきっかけで、5年ぶりにチームを立て直すことになった。母国では綱引き選手として活躍するケリーの指導で、ふたたびの日本一を目指し、練習をスタート。真島はスポンサー探しや新メンバー募集に奔走するも、道のりは平坦ではなく――。
堂場瞬一が圧倒的迫力で放つ、日本初の「綱引き小説」
読書メーターでkotetsupatapataさんが以下の評価をしている。
「星★★★☆☆ 多分本邦初であろう綱引きを取り上げたストーリー。 他のスポーツを経験し、燃え尽きる事が出来なかった者達が綱引きと出会い、時に反目しあいながらも団結し頂点を目指す 王道の展開でスイスイと読めました。 欲を言うなら、活動休止していたチームが再結成するのに、随分あっさりと人数が集まったり、チームが空中分裂するくらい不穏な空気が漂う事なく、いつの間にやら団結していたりと、もう少し浮き沈みが見たかったかな」
kotetsupatapataさんが指摘したように、蒲田の綱引きチーム「プルスターズ」はどんどん強くなっていく。要するにハッピーエンドである。「もう少し浮き沈みが見たかったかな」というのは理解できるが、こういう競技もの、それも日本初の綱引き小説であればスイスイ物事が運んでいく爽快感が大事。おもしろかった。興奮した。
「キープ(持ちこたえろ)」「プル(引け)」の掛け声でチームの命運をかける朱音監督(真島の娘)の気の強さもいい。
綱引きはマイナースポーツながら奥が深いと思っていた。これを読んでいっそう綱引きの深さがわかった。
ちなみに、綱引きにおける反則は、
- シッティング:故意に床に座ること
- リーニング:足の裏以外の部分が床に触れた状態
- ロッキング:ロープの自由な動きを妨げるロープの持ち方
- グリップ:規定以外の持ち方をした場合
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