天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

砂礫の中のポスト

2023-08-20 13:25:07 | 身辺雑記


手紙といえばポストである。
十四、五年前、50代半ば、夏休みにチュニジアへ旅したことがある。連れが世界史好きで古代ローマ帝国にはまっていた。その影響でローマ帝国の遺跡を見ようということになった。メインはイタリアなのだが通ぶってそこは外して行き先はチュニジアになった。チュニジアは古代、カルタゴと呼ばれ、共和政ローマ と カルタゴは地中海の覇権をかけて闘い、紀元前146年、3度目の闘い(ポエニ戦争)で全滅した。
そういう歴史のある国だが、行ってみて印象に残ったのがポストであった。地図に湖の表記のあるトズール近辺に泊った。辺りは砂と石と小さな岩山みたいなところ。砂漠にしては凹凸があり、日本語でひとこと言えぬ地勢あった。
そこに、なんと、ポストがあった。
辺りにそう人が住んでいるとも思えない。いったい誰が手紙を書いてここに入れるのだろう。またそれを取りにくる郵便局員が存在するのだろうか、と疑うようなところ。
泊ったホテルは高級でプールが青々としていた。ここでその量の水を溜める贅沢さとその青さは周囲の砂や石の色と比べて場違いな印象であったが、ポストも同様であった。
近くの雑貨屋で土産物を買った。そのとき主が右手をしきりに動かしつつ小生になにかをねだるのである。アラビア語でわからないが手の動きを見ていて、ああ、彼は書くものを欲しがっていると直感した。ここに字を書いて送りたい人がいるのだと感じてぐんとこの地と人に近くなった。
残念なことに小生はボールペンを持っていなかった。それなら20本ほど日本から持ってくるべきであった。このとき人のいるところにポストが必要なのだと深く認識した。
あのポストどうなっているのか、日本で手紙トラブルがあって思い出して懐かしい。

追伸:地図で青く表現されている湖に琵琶湖のように水はありません。「塩湖」です。山だと「塩山」でくぼんでいるので「塩湖」です。どこを舐めても塩です。ときに赤いところがあったり青いところがあったり。塩湖は道路が通っていて小生の乗った車は100キロほど出しました。なぜそう急ぐかと思っら、運転手が日程、時程を誤解していたのです。

コメント
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