打球を受けた高橋投手(写真:中日スポーツ)
ゆうべ中日対巨人の13回戦をテレビで見た。
中日の20歳の高橋宏斗投手に注目した。ワールド・ベースボール・クラシックに選ばれた有望投手である。ところが巨人の1番打者ブリンソンの打球が左足太ももを直撃、ノーアウト1塁となった。高橋は治療して再び投げたが2番打者丸にライト前に打たれて2塁3塁。次の秋広に四球を与えて満塁。4番岡本和に左翼席に放り込まれて4点を失った。次の打者を打ち取りアウト一つ取っただけで降板を余儀なくされた。無念であっただろう。「夏芝居監物某出てすぐ死 小澤實」を思った。
投手は常に打者に向かって攻める存在であるが、打者が投手を攻める最高の形がピッチャー返しである。むろんヒットを打つことが攻めることであるが、働けないようにするという意味で、潰すという意味で投手に打ち返すのは有効であり怖いと思った。
岡本のホームランも高橋の足の痛みから来る球威の下落と考えればブリンソンは陰の殊勲者である。ブリンソンは次の打席でもピッチャー返しを打った。
「振り回すな」「球に素直に当てろ」とコーチは指導する。解説者も「センター中心に打ち返して調子いいですね」などという。そうすると投手に向かって打つことになる。
投手は投げ終えて態勢を崩していてはいけない。投手は楽な商売ではない。