大相撲初場所6日目の見ものは一に白鵬VS遠藤、二に逸ノ城VS豪栄道であった。

まず白鵬の立会いの張り手一閃、遠藤が腰からくずおれかけた。今場所の遠藤は進化しており立ち直った。そこへ次は右からかちあげ。最近なりを潜めた大砂嵐並みの、いやそれ以上のパンチ力。エルボースマッシュである。
大相撲は最強の格闘技であると思った。
これにも遠藤が耐え一瞬白鵬のふところへ入る姿勢さえ見せて白鵬をあわてわせたがさすがに横綱がねじ伏せた。
白鵬は品性その他において横綱の手本のように褒められているが、毎場所ひとつかふたつ、予想に反した荒っぽさを見せる。
きのう解説の舞の海秀平が「横綱らしくない」と批判ぎみに言っていた。
しかし一場所一二回の白鵬のラフファイトをぼくは歓迎する。
品行方正がずっと品行方正だったらちっともおもしろくない。
「美は乱調にあり」という言葉もあるし、俳句ではたんなる美しさを求める中にあるパターンを「予定調和」といって嫌う。
白鵬だからいいのだ。
うがった見方をすれば白鵬は新進気鋭の若手の力をはかるとともに大相撲が基本的に「壊し合い」であることを身をもって教えたのではないか。不甲斐ない横綱、大関陣への叱咤といってもいい。
その荒っぽさは相手の付け入る隙に通じることも示して見せ、その危うさを自分で摘み取った。
いっぽう豪栄道は立会いで逸ノ城に両まわしをがっちり取られたとき勝負あった。こうなっては白鵬も難渋する怪物はなんなく豪栄道を片つけた。これは大関相撲。
だいたい豪栄道は大関の顔ではない。間違って大関になってしまった力士であるからいつその地位から落ちてもニュースになるようなものではない。
毎日緊張のしっぱなしでいることが伝わってきて嫌になる。プロというのは緊張していても見る者に豊かさを与えてくれないとさまにならぬ。豪栄道はアマチュア的緊張から縁を切れない小者。
逸ノ城はまだ相撲が下手だが大関の顔。両者の立場はすぐに逆転するのではないか。下手な相撲で五分で来た力士と一生懸命やってやっと五分を保つ力士との違いを見てしまった。
豊真将が現役引退を表明。
礼儀正しい力士にてご苦労さまであるが、けがをするのは実力のうち。白鵬が凄いのはけがをしないこと。しても軽傷でとどめること。プロの世界は「無事是名馬」に尽きる。

まず白鵬の立会いの張り手一閃、遠藤が腰からくずおれかけた。今場所の遠藤は進化しており立ち直った。そこへ次は右からかちあげ。最近なりを潜めた大砂嵐並みの、いやそれ以上のパンチ力。エルボースマッシュである。
大相撲は最強の格闘技であると思った。
これにも遠藤が耐え一瞬白鵬のふところへ入る姿勢さえ見せて白鵬をあわてわせたがさすがに横綱がねじ伏せた。
白鵬は品性その他において横綱の手本のように褒められているが、毎場所ひとつかふたつ、予想に反した荒っぽさを見せる。
きのう解説の舞の海秀平が「横綱らしくない」と批判ぎみに言っていた。
しかし一場所一二回の白鵬のラフファイトをぼくは歓迎する。
品行方正がずっと品行方正だったらちっともおもしろくない。
「美は乱調にあり」という言葉もあるし、俳句ではたんなる美しさを求める中にあるパターンを「予定調和」といって嫌う。
白鵬だからいいのだ。
うがった見方をすれば白鵬は新進気鋭の若手の力をはかるとともに大相撲が基本的に「壊し合い」であることを身をもって教えたのではないか。不甲斐ない横綱、大関陣への叱咤といってもいい。
その荒っぽさは相手の付け入る隙に通じることも示して見せ、その危うさを自分で摘み取った。
いっぽう豪栄道は立会いで逸ノ城に両まわしをがっちり取られたとき勝負あった。こうなっては白鵬も難渋する怪物はなんなく豪栄道を片つけた。これは大関相撲。
だいたい豪栄道は大関の顔ではない。間違って大関になってしまった力士であるからいつその地位から落ちてもニュースになるようなものではない。
毎日緊張のしっぱなしでいることが伝わってきて嫌になる。プロというのは緊張していても見る者に豊かさを与えてくれないとさまにならぬ。豪栄道はアマチュア的緊張から縁を切れない小者。
逸ノ城はまだ相撲が下手だが大関の顔。両者の立場はすぐに逆転するのではないか。下手な相撲で五分で来た力士と一生懸命やってやっと五分を保つ力士との違いを見てしまった。
豊真将が現役引退を表明。
礼儀正しい力士にてご苦労さまであるが、けがをするのは実力のうち。白鵬が凄いのはけがをしないこと。しても軽傷でとどめること。プロの世界は「無事是名馬」に尽きる。