高尾山のふもと
ネット句会を三つ運営している。「流星道場」「ひこばえネット」「ジャッカル」である。
きのう「ひこばえネット」が終了した。投句締切15日、選句締切17日である。
投句の状況を見ていて14日中に14人のメンバーのうち13人がそれを終えた。1人だけ15日にずれ込んだ。それはFである。
Fはいつも最終投句者である。正午には投句するだろうと思い、午後を選句して句評を書く時間に予定して昼、帰宅してもまだ投句していない。まいったなあ……。
もしかして病気かと思いメールすると、「手持ちの句が無く……相変わらずの劣等生です。しばしのご猶予を」という。「まだ締切時間内でしょう」とも。
そうなんだけどさ、空気を読め!と言いたくなった。日本人の美徳をこういうとき発揮してよ、みんな待ってるんだから。
この句会には、また、いつも選句がラストのWがいる。Wも遅い。いつだったか17日23:30にやっと選句を上げたこともある。
先行する仲間たちから著しく遅れることに何の気遣いもない。小生はそれが不満で、句会の途中で、「投句締切20時、選句締切20時」を通達した。
「ジャッカル」は選句時間24時間であり、「流星道場」「ひこばえネット」より24時間短いがかえってきびきびしている。
全員がコンパクトに動いて欲しいのである。仕事を終えた仲間をそう待たせるな。それは言わずもがなでしょう、日本人なら、という気分。
サッカーで「コンパクト」という考え方がある。
間延びの反対に使われる言葉で、全体の前後の距離を適度に小さく保つ状態をコンパクトという。選手間の距離が適切だと、
パスをつなぎやすい。
相手ボール保持者を囲みやすい、奪いやすい。
といった効用が生じるのだ。
句会はサッカーのようなボール争奪戦ではないけれど、メンバーの意識が固まっているほうが盛り上がる。わけもなく待たせられると気持ちが沈むのである。
劣等生と卑下するFには、締切が近づかないとする気にならないという癖がついているだけではないのか。
小生は現役時代、出版社に38年勤務した。締切が近づいて来ないと仕事にかからない多くの人間たちを見て憤りを感じるとともにあきれた。その皺寄せが下流の部門に押し寄せる。原稿締切日に慌てないよう毎日たんたんと仕事をこなすことがそう困難のことなのか。残業などしなくても計画的に仕事すればいい。なぜそれができないのか。
Fに助言した。「兼題が出されたときに一気に10句くらい作ってしまえ。時間に追われるのではなく、時間を追え。そうすれば時間の恩恵を受けることができる」。
小生は句会の終りに出される兼題を見て陸上100mのスタートダッシュのごとく一気に10句ほど作ってしまう。あとのんびり暮らし10日してまた作り、締切近くなって推敲する。
この原稿を書いていて、かのザ・ピーナツの「恋のフーガ」が口をついて出た。
追いかけて 追いかけてすがりつきたいの^^♪
時間を追いかけると楽しくなるのである。