薔薇にはちゃんと名前がついていて、それを確かめながら薔薇園を歩くことは楽しい。
この間、須磨離宮公園でチャイコフスキーと言う名の薔薇が咲いていて、思わず見とれてしまった。
その薔薇の木は今までもあったはずだと思うのだが、ちょうど花盛りの時に行き合わせたのだった。
曇っていたが、涼しくて心地よい日だった。
噴水の庭園で見たチャイコフスキーの薔薇からは、彼の流れるような音楽の旋律が溢れだしてきた。
どんなものとも出会う「その時」と言うものがあるのだと思う。
その花が開いて一番美しい時に行き合わせること、それはとっても幸せなことなんだと思う。
今も、私の目の奥に彼の薔薇は音楽とともに香っている!
木莉