『コガネキヌカラカサタケ・食毒不明』『食用価値なし』『食用不向き』etc.etc.……
そういうことは試してから言うものです。
畑や花壇、植え込みなど、いたるところに生えて一般にも露出度の高いキノコ・コガネキヌカラカサタケ。にもかかわらず、食毒の情報がどこにも見当たらない。手持ちの『日本の毒きのこ』(学研)、『日本の毒キノコ150種』(ほおずき書籍)、『毒きのこ今昔』(思文閣出版)にもまったく載っていない。これはいかん、調査せねば、ということで試食してみた。
コガネキヌカラカサタケはハラタケ科に属するキノコだ。ササクレヒトヨタケやマッシュルームなど、美味な食用菌を擁する一方で、オオシロカラカサタケのような毒キノコも含むグループ。
有毒にしても強い毒を持たないものが大半だが、ハラタケ科のうちの1グループ、キツネノカラカサ属には、猛毒のアマトキシンを含むものがある。ちなみに本種はキヌカラカサタケ属。間違っても安全とは言い切れないが、猛毒である可能性は低い。
また、これだけ身近なキノコに強い毒があれば、なんらかの情報が残されてしかるべきなのだが、それがまったくないということは、無毒か、あっても弱毒なのだろうと推理することができる。少量を煮こぼして食べれば、中毒しても死ぬことはないだろう……たぶん。
さて、これがわが社の社運をかけた新商品・『黄金マッシュー』……とかじゃなく。
傘が開いて間もない小ぶりなヤツを20本ほどを拝借してきた。やけに軽い、ふわふわだ。これで20グラムあるかどうかってところ。採ってみて改めて思うが、表も裏も柄も、本当に全体が黄色いんだな……。
臭いをかぐと、さほど強くはないものの、表現不能のにおいがする。あんまりキノコっぽくないにおいで、ちょっと化学系。黒板消しと苛性ソーダを足して2で割ったようなニオイ(当社脳内イメージ)だ。正直、食べ物としてはかなりダメそうなニオイ。あまり期待しないことにしよう。
セオリー通りに茹でこぼす。熱湯に入れると、軽さのあまり、ぷかぷかと水面に浮かぶばかりで、ちっとも茹だりそうにない。しょうがなく箸で無理やり押しこんで一分ほど茹で、煮汁を捨てた。茹で汁は薄茶色に染まっていた。
念のため冷水にさらそうと思ったのだが、お腹がすいていたので、小さいのを一つツマミ食いしてみた。すると。
……!?
何コレ?激ウマじゃん!
ものすごい強い旨み。茹でこぼしたにもかかわらず、濃厚な味が口の中で広がる。これに匹敵する旨みの強さは、食用栽培キノコを含めてもちょっと思い当たらない。ハツタケよりも上かも。イグチのような独特の風味などはなく、純然たる旨み成分だけが抜きんでている、そういう点ではササクレヒトヨタケに近い気がする。
生だと気になったニオイも茹でた後は消えている。歯ごたえこそフニャフニャで噛みごたえがないものの、それを補って余りあるダシの強さは一級品。お皿に残ってたキノコも、塩を一つまみかけて、思わず一気にたいらげてしまった。
やべー、ウマいわー……あ、しまった、調理後の写真撮ってない(-_-;)
なお、幸運なことに、食後のカラダに異状は現れなかった。感触としてもそんなに悪くなかったので、あっても弱毒だと思う。煮こぼして食べればリスクはさほど高くないのではなかろうか。
ということで、コガネキヌカラカサタケは、まさかの
味ランク:A(採りに行ってでも食べたい)
ただし、安全性を保証するものではない
でございました。なお、この記事を読んでコガネキヌカラカサ中毒を起こしても一切の責任はとりません。あしからず。
備考:コガネキヌカラカサタケ料理
そういうことは試してから言うものです。
畑や花壇、植え込みなど、いたるところに生えて一般にも露出度の高いキノコ・コガネキヌカラカサタケ。にもかかわらず、食毒の情報がどこにも見当たらない。手持ちの『日本の毒きのこ』(学研)、『日本の毒キノコ150種』(ほおずき書籍)、『毒きのこ今昔』(思文閣出版)にもまったく載っていない。これはいかん、調査せねば、ということで試食してみた。
コガネキヌカラカサタケはハラタケ科に属するキノコだ。ササクレヒトヨタケやマッシュルームなど、美味な食用菌を擁する一方で、オオシロカラカサタケのような毒キノコも含むグループ。
有毒にしても強い毒を持たないものが大半だが、ハラタケ科のうちの1グループ、キツネノカラカサ属には、猛毒のアマトキシンを含むものがある。ちなみに本種はキヌカラカサタケ属。間違っても安全とは言い切れないが、猛毒である可能性は低い。
また、これだけ身近なキノコに強い毒があれば、なんらかの情報が残されてしかるべきなのだが、それがまったくないということは、無毒か、あっても弱毒なのだろうと推理することができる。少量を煮こぼして食べれば、中毒しても死ぬことはないだろう……たぶん。
さて、これがわが社の社運をかけた新商品・『黄金マッシュー』……とかじゃなく。
傘が開いて間もない小ぶりなヤツを20本ほどを拝借してきた。やけに軽い、ふわふわだ。これで20グラムあるかどうかってところ。採ってみて改めて思うが、表も裏も柄も、本当に全体が黄色いんだな……。
臭いをかぐと、さほど強くはないものの、表現不能のにおいがする。あんまりキノコっぽくないにおいで、ちょっと化学系。黒板消しと苛性ソーダを足して2で割ったようなニオイ(当社脳内イメージ)だ。正直、食べ物としてはかなりダメそうなニオイ。あまり期待しないことにしよう。
セオリー通りに茹でこぼす。熱湯に入れると、軽さのあまり、ぷかぷかと水面に浮かぶばかりで、ちっとも茹だりそうにない。しょうがなく箸で無理やり押しこんで一分ほど茹で、煮汁を捨てた。茹で汁は薄茶色に染まっていた。
念のため冷水にさらそうと思ったのだが、お腹がすいていたので、小さいのを一つツマミ食いしてみた。すると。
……!?
何コレ?激ウマじゃん!
ものすごい強い旨み。茹でこぼしたにもかかわらず、濃厚な味が口の中で広がる。これに匹敵する旨みの強さは、食用栽培キノコを含めてもちょっと思い当たらない。ハツタケよりも上かも。イグチのような独特の風味などはなく、純然たる旨み成分だけが抜きんでている、そういう点ではササクレヒトヨタケに近い気がする。
生だと気になったニオイも茹でた後は消えている。歯ごたえこそフニャフニャで噛みごたえがないものの、それを補って余りあるダシの強さは一級品。お皿に残ってたキノコも、塩を一つまみかけて、思わず一気にたいらげてしまった。
やべー、ウマいわー……あ、しまった、調理後の写真撮ってない(-_-;)
なお、幸運なことに、食後のカラダに異状は現れなかった。感触としてもそんなに悪くなかったので、あっても弱毒だと思う。煮こぼして食べればリスクはさほど高くないのではなかろうか。
ということで、コガネキヌカラカサタケは、まさかの
味ランク:A(採りに行ってでも食べたい)
ただし、安全性を保証するものではない
でございました。なお、この記事を読んでコガネキヌカラカサ中毒を起こしても一切の責任はとりません。あしからず。
備考:コガネキヌカラカサタケ料理
どーでもよくなった。
(細心の注意を持って)精進せよ。邁進せよ。にしときます。
怖いわー。
「一気に~」は…、せめてまずひとかけらで様子をとか。
アマニタなんかの毒ってイノシン酸とかグルタミン酸とかと同じものでかなり
旨いとなんかで読んだような…。
私の場合も本能アラーム作動しませんでしたし。
どーでもよくなったとか書いときながら、いつも同じ事を繰り返し申し訳ありませんが注意してくださいね。
別のブログできのこ人さんとこのキノコの会の合宿の記事があったので、もしかしたら会えるかもと(山広いけど)思い、
明日は彼の地へ行く予定を立てましたが、この記事がアップされたという事は家なのでしょうか。
ここ数年、幾つか写真に撮りたいキノコがあって通っています。(他にいい場所あんまり知らない。)
でも、明日は天気が悪いようなのでカメラの出番は無いかも。(有るかも。)
続こがねきぬからかさたけの冒頭の写真好きです。
こんな嬉しい誤算は初めてだったのでつい(たいていは不味を覚悟していてもその下を行く)。
はい、細心の注意を払いつつ精進します
富士山ツアー、今回は休みの折り合いがつかなくて参加できませんでした。行きたかったなー。例年、土曜日が観察のメインになってます。今日はどんなキノコがみつかったろう?トクさん、いいのが撮れたら教えてくださいね。
なんたって株立ちのキノコは撮るのが楽しいです!
毎回楽しく拝見させていただいておりますが、
勇気あるチャレンジに尊敬?爆笑しております。
黄金マッシュルームの商品化も近い将来かもしれませんね
!!!
ありがとうござます。感動しました。
「黒板消しと苛性ソーダを足して2で割ったようなニオイ」という時点で、くじけてしまいそうですが、さすが!
ミントと一緒に生やしてたんだから、共に料理してわたしも食べておけばよかったです。
本来あまり褒められたことではないのですが、今回は結果オーライでした。
なお、一回試したくらいでは安全性がまったくわからないことに変わりはなく、安易にマネしないようにお願いいたします<(_ _)>
図鑑掲載の★は、
個人の味覚もありずいぶん違いますよね。
コガネキヌカラカサタケ、美味しかったんですねw
私はクマシメジが好きです。
微妙な苦さが良いのですが、きのこがもろいので持ち帰るのが難しいです。
コガネキヌカラカサタケはすごく美味しい……と思い…ます(微妙に自信なし)
クマシメジとは、また渋いところを。でも他人があまり採らないキノコが美味しく感じられたりすると、かなり得した気分がしますねー。