月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

ヒメキクラゲを食べてみた

2014-03-13 22:22:01 | キノコ料理
図鑑では「食」となってるが、実際に食べたという話をいっこうに聞かないキクラゲの一種・ヒメキクラゲ。

その秘められた魅力を発掘するべく、食べてみた。

ヒメキクラゲは普通のキクラゲのように、キノコ的な外観をしていない。小枝なんかに岩ノリみたいにへばりついて、ぷにゅぷにゅしていてあやしい物体だ。たとえばこれを「コケの一種だ」とか「へっぴり虫のフンだ」とか言っても納得してしまう人がいるんじゃなかろうか。そしてこのキノコは乾くと海苔みたいに黒く薄っぺらくなって、とうとう存在すらわからなくなる。きのこ観察会で見つけられてもシカトされる、そういう悲しい存在でもある。

冬に桜やなんかの枯れ枝を片付けているとけっこう見つかるので、それを採ることにしよう。乾いた状態では採取不能なので、雨を吸い込んでぷにゅぷにゅになった状態のところを採る。キノコはぺりぺりときれいにはがれて、意外にも採りやすい。


採れたブツ。やはりキノコには見えないが、それ以上に食いものには見えない。


茹でた。見た目がまったくが変わらんというツッコミはこの際だから言わないでおいてくれ。

ほのかに香りがする。どこかで嗅いだニオイ……そう、別のキノコのにおいだ。コカブイヌシメジ、あの「桜餅臭」とも言われる(でもやっぱり桜餅とも違う)微妙なニオイと同じニオイがかすかに香っている。

塩だけふって、口に含んでみた。
ふむ。口当たりは見た目通り、ぷにぷにだ。コリコリのアラゲキクラゲではなく、プルプルのノーマルキクラゲと同じ、あの食感。ただ、キクラゲと違うのは、噛むとこまごまに分裂してしまうこと。ヒメキクラゲは、普通のキクラゲのような一体型ではなくて、多数のつぶつぶが寄り集まったような構造をしているので、噛むとすぐにつぶつぶに分解してしまう。
別にそれがおいしいわけでもなく、まずいわけでもない。ただ面白いとしか言いようがないんだけど、つぶつぶになった後は噛むとき歯からするりと逃げるために、歯触りが楽しみたくても噛めそうで噛めない。少しイラッとする。

味は、まあキクラゲ。旨みとかはあんまりない。キノコらしい香りもない。ただ桜餅の香りがするだけ。

うーん、トータルでは可も不可もない味だな。すなわち、どうでもいい味(-_-;)
せめて量が採れれば利用価値があるかもしれないけど、それも厳しいしなぁ。

それにしてもなんで桜餅……あっ!そうか!サクラの枝から剥がしたからだ!

味ランク:C(食いたきゃ食えば?)

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