月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

きつねのやりたけ

2015-05-05 22:40:24 | キノコ
なかなか見つけられないでいたキツネノワン&キツネノヤリタケ!

五月ごろ、クワの木の下に生えると聞いていて何度か探しもしたのだが、このあたりでクワの木があまり多くないせいもあって見つけられないでいた。よくよく調べると、このキノコはクワの病原菌として働き、この菌に感染したクワの実は、黒く熟する前に白くなって落ちてしまうという。

……ん?ちょっと待てよ?二年前にクワの実を集めに行った(クワの実のジャムが好きなのだ)時に、白い実ばかりがついていて「ここのクワ、不発弾ばっかじゃん!」といって嘆かせた場所があったよな?あれがもしかして……

ということで探しに行ってみた。

そこは河原。鳥がタネを運んで来たのか、たくさんのクワが点在している。ちょっとヤブになってるから微妙か……?

とにかく土手を下りて、クワの木の下の生い茂った雑草をかきわけてみた。あっ!すぐにチャワン状のキノコが目に入った。キツネノワンだ!そこにも、ここにも、足もとにも!そしてもう少し目を凝らすと、棒状のキノコも生えている。これがキツネノヤリタケ!これもそこらじゅうに生えている。
うわー、あるわあるわ、うじゃうじゃ

二つは違う種類のキノコなのに、クワの木の下で、ほぼ同じ時期にキノコを作る。クワの花が咲くタイミングに合わせて放出された胞子がうまく花にとりつくと、病気にかかってその実が白くなって落ち、翌年キノコを生やす菌核になる、という仕掛け。

それにしてもまったく別の二つの種類が同じような生態を持ってるとはおもしろい。しかもこれだけあからさまに病原菌ということが目で確認できるキノコってのも(冬虫夏草をのぞけば)珍しいかもしれない。

これでキノコ閑散期の楽しみが一つ増えた(^_^)