
昨日、今年最後の介護認定審査会を終えた。高齢者介護に関わって
30年ほどになる。最初は福祉施設職員として、その後は介護教育者の
立場で…。その間、介護福祉士と介護支援専門員の資格を取得した。
2000年に介護保険制度が創設され、当初から介護認定審査委員として
制度の変遷を見てきた。
介護保険の成り立ちを考えると、社会の高齢化を予測して
① 家族による家庭内介護には限界があること、老々介護が実態。
② 高齢者がベッドを占有する社会的入院が増大して、健康保険を圧迫。
この二つを解決する目的があった。






















介護保険制度は社会情勢を加味して、5年毎に見直しがされている。
初めは寝たきりなど身体状態が重視されたが、2005年の見直しで認知
状態が悪く介護の手間が掛かる人の評価基準が重くなった。
反面その見直しのために、従来より軽度に判定される場合も多くなった。

現在、再び制度改正が検討されており、主なポイントは『地域包括ケア
システム』の実現をコンセプトにした、以下の3項目のよう。
① 居宅生活者への24時間巡回サービスや複合型サービスの創設。
② 高齢者住宅の供給促進。
③ 介護職による医行為の実施。
介護を必要とする高齢者増大で、保険料の増額は避けられないのが現状。
試算によると、現在の平均額4160円が5200円に増額する見込みだが、何とか
5000円以内に抑えたい考え。また、居宅支援費の利用者負担は見送る方向。
介護福祉士の資格取得方法の見直しも延期するなど、どうやら難しい問題は
あれもこれも先送りらしい。
慎重な論議は必要だが、何もかも先送りで良いのだろうかと心配になる。
日本の高齢化がピークを迎える2025年に、要介護者は520万人と予想される。
kimitsukuが『寝たきり適齢期

