少し前から、空き家になっていた隣家の解体工事が始まった。
我が家が此の地に引っ越してきた20数年前、既に持ち主は別の地に移転し、その後は
借家になっていた古い家屋だった。つい先日、家主が挨拶に見え更地にするとのこと。
さっそく昨日から大きなクレーン車が来て、古家の取り壊しが始まった。先ず最初に前庭の
大きな桜の樹を、いとも簡単に根こそぎ倒してしまった。
毎年5月末にはピンクの八重桜が咲き、近隣の人々の眼を楽しませてくれたものだった。
恐らく樹齢は数十年だったろうと思われる。無惨な切り株を見て心が痛むが、他家の庭の
樹木とあれば諦めるより致し方ない。せめて残枝を拾ってきて花瓶に挿し、温かい窓際に
置いてみた。固い蕾が膨らんで美しい八重桜が咲くことを期待して…