10月も今日で最後、いよいよ明日から11月に。さて10月31日、今日は何の日
…へぇ ガスの日ですって。1872年(明治5年)初めて横浜にガス燈が灯った日を
記念して、日本ガス協会が1972年に制定したのだそう。へぇそうなんだぁ…
江戸時代の常夜灯に比べたら、随分明るくなって横浜の人々はさぞ驚いたことだろう。
文明開化の時代、様々な利器が開発されたと思うがガス燈は、その際たる物だったに
違いない。ところでガス燈と聞いて私の脳裏に浮かぶのは…
1944年に製作されたアメリカ映画『ガス燈』。もっとも映画の場合、街灯ではなく屋内で
使用する携帯用照明ランタンを指している。
イングリッド・バーグマンとシャルル・ボワイエ共演の、スリラー仕立てのドラマだった。
1870年のロンドンを舞台に、何者かに殺された叔母の遺産を受け継いだ若い女性が、
不気味な事件に悩まされ次第に正気を失ってゆく話。幸福な新妻が身の回りに起きる
不審事に精神的に追い込まれて…、この映画の迫真的な演技でバーグマンはアカデミー
主演女優賞を獲得した。さて話の結末は…
バーグマンは勿論だが、ボワイエの不思議な魅力が忘れられない『ガス燈』だった。
『ガス燈』の好評に気を良くしたのか、4年後の1948年に製作された『凱旋門』。
E・M・レマルク原作のベストセラーを、バーグマンとボワイエが共演した恋愛ドラマ。
第二次世界大戦勃発前夜のパリを舞台に、明日をも知れぬ刹那的な男女の愛。
バーグマンの瞳が語る孤独な女、ボワイエの退廃的な亡命医者。良かったねぇ…
思うに名女優バーグマンは、矢張りヨーロッパの雰囲気を漂わす女優だった。
『誰がために鐘は鳴る』しかり、『追想』しかり、『汚名』しかり、『カサブランカ』しかり…
『ガスの記念日』から『ガス燈』『凱旋門』へ、kimitsukuお得意の連想ゲームでした。