kimitsuku独り言

日々の暮らしから感じたあれこれを
ひとりブツブツ独り言

ラジオ深夜便 隠居大学

2010年12月06日 | 日記
        
 昨夜の『NHKラジオ深夜便・隠居大学』が、面白かった。
喜寿を迎えたコラムニスト天野祐吉が月1回、ゲストを招いて楽しく
お喋りするトーク番組『隠居大学』の趣旨は、“原始、隠居は遊びの
名人であり、若いモンの憧れであった。が、今やこの国で隠居は絶滅
危惧種になってしまった。これじゃいけない…ってんで、隠居養成の
ための学校を始めることにした。目指すは自由で洒脱な「遊びの達人」。
「学ぶは遊ぶ」をモットーに、達人たちとのんびりトークを繰り広げる”。 
 放送時間が毎月第一日曜日の午前1時過ぎ、興味はありながら聞き
逃したことが多かった。過去のゲスト、作家の赤瀬川原平氏や詩人の
谷川俊太郎氏の時は、ぼんやり夢うつつに聞いていた。
 昨夜のゲストは、俳人の坪内稔典氏。
正直、聞いたことの無い方だったが、話が面白く聞き入ってしまった。
俳諧とは、俳の字も諧の字も「おどける・たわむれる・こっけい」の意が
あるそうで、和歌・短歌が貴族の教養として品良く詠まれたのに対して、
俳句は一般大衆が楽しみに詠んだものとか。例えば『古今和歌集』など
貴族や武家が作った和歌に、下世話な食べ物に関するものは一首も
無いが、俳句には庶民の楽しみだった酒や嗜好品を詠んだ句が多いそう。
   
         
 夏目漱石が詠んだ句に、「鐘つけば 銀杏ちるなり 建長寺」がある。
その後に、漱石と親交があった正岡子規は、「柿食えば 鐘が鳴るなり
法隆寺」と詠んだ。今ならば盗作騒ぎかも…と、興味深い話を聞いた。
 また、お嬢さんが小学生だった頃のエピソードが傑作でしたねぇ。
坪内氏のおもしろ俳句「三月の 甘納豆の うふふふふ」を読んだ級友が
そんなのダメ直してあげると「三月の 雛人形の うふふふふ」と修作した。
 この甘納豆の句はシリーズもの、因みに12月の句は「十二月 どうする
どうする 甘納豆」。時々読者から、この句はどういう意味かと質問を
受けるが、実は何も考えていない。読んだ人が好きに想像して欲しい、
俳句の楽しみは其処に在る…んですって。
 今まで俳句や短歌など、いろいろ制限がある韻文は難しいと敬遠して
いたが、坪内氏の話でちょっと好奇心が湧いてきたかも…。
      


コメント (2)
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