目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

サンシャイン2057  ★★★

2007-11-11 23:33:54 | ★★★
DVDで鑑賞しました。

個人的には真田広之の活躍に期待していました。
結構いい役回りではあるのですが、
いかんせん、作品自体が不発に終わってしまいました。

ダニー・ボイル監督は「28日後・・・」という
衝撃的な佳作を監督した人で、この映画でも
意欲的な作品作りをしようとしている姿勢は
垣間見ることができました。

CGのおかげで宇宙船を描くことや宇宙を描くことは
比較的簡単になっているとは思うのですが、
宇宙船内の造形や細かい設定に関しては
かなりこだわって作られており、作品の背景や
太陽に向かうことになった設定も説得力は
結構あります。

太陽が膨張し続けて死滅するまでには60億年かかる、
というのが昔からの科学者たちの仮説と主張ですが
それは別に誰が保証したものでもありません。
よって、この作品のような事態が起こらないとは
限りません。
太陽の描写や、宇宙生活をコツコツと描く前半部分は
宇宙旅行モノとしてもなかなか優秀な部類の
映画だと思います。

ただ、この作品に欠けているのは
そういう科学的な説得力ではなく、
魅力的なプロットではないかと思います。

映画の予告を見た人であれば大体のあらすじは
予想できますし、見た人でなくても
あまりにストレートなあらすじなので
新鮮な驚きはないままにストーリーが進みます。
エイリアン系のストーリーかと思いきや、
割とまともなSF映画でした。

ラストに向かう過程である人物のある行動の
動機がイマイチ弱いですし、
観客に訴えかけるものは少ない。

真田広之が主役みたいなパッケージではありますが
主役ではないし、エイリアン系のストーリーかと
予告編では匂わせておきながら結局、
そうではなかったり、とプロットには問題が
あったように思います。

ただこればかりは監督のせいだけでもなく、
脚本家であったり演出家の努力も欠けているように
思います。映画で描きたかったことがどうしても
曖昧で観ている観客にあまり感情が伝わってこない。

とても優秀なスタッフが製作にあたったと
思われる映画ではありますが、やはり
しっかりとした舵取りができる人がこういった
映画は製作したほうがよいと思います。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿