酉の市に行ってきました。
新宿の花園神社。
酉の市に行くのは初めてで、それがどういうお祭りなのかもよく知らないのですが、伝統的なお祭りだし、屋台も出るだろうから行ってみよう、と。
4時半頃に着いたのですが、屋台が神社の外、歩道にまでずら~っと出ていて、驚きました。予想以上。神社の中も広くて、色々なお店が出ています。普通お祭りに出てくるお店は全てある、といった感じ。あんず飴、わたあめ、焼きそば、じゃがバター、たこ焼き、チョコバナナ、甘酒、射的、ソースせんべい、いか焼き、お面、くじ引き、ラムネ、リンゴ飴、チキンハンバーグ、ヨーヨー、焼き鳥、おでん、おやき、フランクフルト、たいやき、焼きとうもろこし、お好み焼き…。他に、変り種として、鮎の塩焼き(うまそう!)、サザエ、ホタテ、見世物小屋、なんてものもありました。見世物小屋の看板には、「蛇をまるごと飲み込む」なんていうことが書かれていました。本当か嘘か…。見たかったのですが、お金を節約して自制。三の酉のときにまた行こうかな。
5時近くになって、急に人の数が増えたようです。お参りしている人も、そこらへんをぶらぶらしている人も、何かを買い求めている人も、いつのまにか増えていて、賑やかになってきました。
熊手がたくさん並べられていて、その様子はまさに宝石をばら撒いたようにきらびやか。お客さんが熊手を買うたびに、「お手を拝借して…よ~」の掛け声と共に三本締め。こういうのは見ているだけで楽しいですよね。外国人も何人か来ていましたが、日本の祭りって感じがします。ぼくはあんず飴やたこ焼きなどを食べたあと、お店の奥まったところで焼き鳥を食べましたが、こういう屋台で食べるのはいいですね。汚らしいテーブルクロス、すわり心地の悪い椅子、狭苦しいスペース、知らないおじさんとの同席、ごったがえす店、おもてから聞こえる喧騒、きらめく熊手…こういうもの全てが日本の祭りらしくて、いい気持ちになります。
ところで、酉の市と聞いて思い出すのは、今は亡き近藤喜文さん。『耳をすませば』の監督です。彼が生前『アニメージュ』に連載していた、スケッチと短文からなる『ふとふり返ると』の最後の回で、この酉の市、三の酉のことが描かれています。そこには優しそうににっこりと笑っているお父さんが、小さな女の子に熊手を買い与えている様子が描かれています。そしてその絵に付けたコメントの最後に、近藤さんはこう記しています。「”今宵会う人みな幸せ”」。これは、与謝野晶子の「清水へ祇園をよぎる桜月夜 今宵会う人みな美しき」という歌の下の句をもじったものです。それとも、「みな美しき」を「みな幸せ」と、間違って覚えていたのでしょうか?いずれにしろ、非常に近藤さんらしい間違え方/もじり方です。「みな幸せ」と端正な文字が付されたスケッチが載ったのは『アニメージュ』1998年2月号。近藤さんが亡くなったのは同年の1月です。酉の市と聞くと、ぼくはどうしても近藤さんのこと、このスケッチのこと、そしてこの「みな幸せ」という言葉を思い出してしまいます。
心地良い宵でした。
新宿の花園神社。
酉の市に行くのは初めてで、それがどういうお祭りなのかもよく知らないのですが、伝統的なお祭りだし、屋台も出るだろうから行ってみよう、と。
4時半頃に着いたのですが、屋台が神社の外、歩道にまでずら~っと出ていて、驚きました。予想以上。神社の中も広くて、色々なお店が出ています。普通お祭りに出てくるお店は全てある、といった感じ。あんず飴、わたあめ、焼きそば、じゃがバター、たこ焼き、チョコバナナ、甘酒、射的、ソースせんべい、いか焼き、お面、くじ引き、ラムネ、リンゴ飴、チキンハンバーグ、ヨーヨー、焼き鳥、おでん、おやき、フランクフルト、たいやき、焼きとうもろこし、お好み焼き…。他に、変り種として、鮎の塩焼き(うまそう!)、サザエ、ホタテ、見世物小屋、なんてものもありました。見世物小屋の看板には、「蛇をまるごと飲み込む」なんていうことが書かれていました。本当か嘘か…。見たかったのですが、お金を節約して自制。三の酉のときにまた行こうかな。
5時近くになって、急に人の数が増えたようです。お参りしている人も、そこらへんをぶらぶらしている人も、何かを買い求めている人も、いつのまにか増えていて、賑やかになってきました。
熊手がたくさん並べられていて、その様子はまさに宝石をばら撒いたようにきらびやか。お客さんが熊手を買うたびに、「お手を拝借して…よ~」の掛け声と共に三本締め。こういうのは見ているだけで楽しいですよね。外国人も何人か来ていましたが、日本の祭りって感じがします。ぼくはあんず飴やたこ焼きなどを食べたあと、お店の奥まったところで焼き鳥を食べましたが、こういう屋台で食べるのはいいですね。汚らしいテーブルクロス、すわり心地の悪い椅子、狭苦しいスペース、知らないおじさんとの同席、ごったがえす店、おもてから聞こえる喧騒、きらめく熊手…こういうもの全てが日本の祭りらしくて、いい気持ちになります。
ところで、酉の市と聞いて思い出すのは、今は亡き近藤喜文さん。『耳をすませば』の監督です。彼が生前『アニメージュ』に連載していた、スケッチと短文からなる『ふとふり返ると』の最後の回で、この酉の市、三の酉のことが描かれています。そこには優しそうににっこりと笑っているお父さんが、小さな女の子に熊手を買い与えている様子が描かれています。そしてその絵に付けたコメントの最後に、近藤さんはこう記しています。「”今宵会う人みな幸せ”」。これは、与謝野晶子の「清水へ祇園をよぎる桜月夜 今宵会う人みな美しき」という歌の下の句をもじったものです。それとも、「みな美しき」を「みな幸せ」と、間違って覚えていたのでしょうか?いずれにしろ、非常に近藤さんらしい間違え方/もじり方です。「みな幸せ」と端正な文字が付されたスケッチが載ったのは『アニメージュ』1998年2月号。近藤さんが亡くなったのは同年の1月です。酉の市と聞くと、ぼくはどうしても近藤さんのこと、このスケッチのこと、そしてこの「みな幸せ」という言葉を思い出してしまいます。
心地良い宵でした。