けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

北朝鮮の推理ドキュメント「張成沢」を気取ってみた・・・

2013-02-17 21:36:48 | 政治
まず最初に、今日のブログは単なる読み物だと思って読んで欲しい。話が飛んで恐縮であるが、2週間ほど前に見たNHKスペシャル「沢木耕太郎 推理ドキュメント 運命の一枚~"戦場"写真 最大の謎に挑む~」では、長い年月を超えて隠された真実が明らかにされた。非常に感動させらる内容であったが、今現在リアルタイムで起きていることに対しても、実は裏ではこんなことがあるのかも知れない・・・というお話を、私の思い込みで書いてみた。

さて、長い前置きの話からさせて頂く。私の趣味のひとつに風景写真撮影というものがあり、若い頃は旅先で風景写真を撮るのが好きだった。当時はデジカメなどないから発色の良いリバーサルフィルム(ポジフィルム)を大量に持って旅に出かけ、気まぐれに写真を撮りまくっていた。私は止まっている被写体を撮るだけであったが、写真つながりでロバートキャパの存在を知り、写真展などに訪れて、単なる写真に写真以上の意味が込められた作品を見ながら、命を削り、この様な写真のために戦場に赴くキャパの人生に思いを膨らませた。変な話であるが、昔の時代劇などを見れば、生きるか死ぬかの真剣勝負でありながら、正義の味方がばったばったと敵を切り倒すシーンからは「生」と「死」を意識させる極限状態の緊張感は伝わってこない。しかし、最近の戦争映画の中には、イメージ的には自分の頬の横をかすめるように銃弾が飛んでいく臨場感を感じさせるものがある。真実の戦争とはこれほど恐ろしく、土豪や建物などの物陰からたった一歩前に踏み出すだけで、どれほど精神がすり減らされるかがこれらの映画から伝わってくる。戦場の彼らは国の為、家族の為、ないしは兵隊という職業を選んでしまったから、好きでもない戦場で命をすり減らさなければならないのに、なぜキャパは無謀とも思えるノルマンディ上陸作戦に参加できたのか、中々、理解に苦しむものがあった。しかし、この沢木耕太郎さんの執念が、科学的な解析を駆使して何十年もの時を経て、(あくまで推測ではあるが)その背景の非常にショッキングな真実を全て解き明かしてしまった。そんな、隠れた真実の様なものが日常の世界の中に実は隠れているかも知れないという思いで物事を見ると、殆ど脚本家感覚でストーリーを作ってみたくなってくる。以下のお話は、殆どその様なレベルのお話である。

さて、長い前置きであったが、今日のお話も先日からの続きで北朝鮮の核実験にまつわる話である。

はっきり言って今となっては負け惜しみであるが、私は北朝鮮が核実験を行う日程を12日と読んでいた。負け惜しみというのは、もし自信があればブログで書いていたはずなので、自信がないから後になって偉そうに言っているだけで、誰でもその程度のことは予想できるのである。そして、その理由は言うまでもなく、オバマ大統領の一般教書演説にぶつけるのが目的である。だから、事前に北朝鮮が中国とアメリカに核実験実施の事前通告を行ったというニュースを聞いても、最初のうちは特に何も感じなかった。

しかし、よくよく考えてみると何か腑に落ちないところがあることに気が付いた。それは、中国には事前通告するのは当然にしても、アメリカに事前通告する必要はないだろうという点である。私の思い描いたストーリーは、北朝鮮とアメリカでは時差があるから中々難しいところがあるが、一般教書演説の直前に核実験を実施し、アメリカがその対応でバタバタして醜態をさらけ出すことを狙うというものであった。直前に核実験が行われながら、一般教書演説に北朝鮮への非難が含まれなければ、それはオバマ政権の対応能力の低さを世界的に印象付けることができる。アメリカを出し抜こうと思ったら、色々な策を巡らせることができるはずである。しかし、事前通告を行うということは何を意味するのか?それが私には分からなかった。

勿論、この手のことを考えるときに、日本やアメリカの立場でものを考えると見落とす点が出てきてしまうので、北朝鮮としてのメリットがあるかということも考えるのだが、中々、思い当たるものがない。北朝鮮の究極のゴールは、アメリカが北朝鮮の軍事的な脅威を認め朝鮮戦争の終戦協定を結び、その流れで国際的な地位が今よりも高まり、さらには軍事技術をもとに外貨を稼ぎ、国を富ませて最終的に北朝鮮主導での朝鮮半島統一という夢を見ているのであろう。ここでは中国ですら、現在のアメリカと日本程度の見かけ上の対等な関係であることを期待するのかも知れない。しかし、そのために事前通告が何か意味があるかと言えば、全くメリットになりそうなものがない。この様な状況はそれはそれとして認めた上で、では結果的に事前通告を行うということがどの様な効果をもたらしたかと言えば、通告前に既にアメリカのマスコミに通知されていた予定稿にはほとんど記載がなかった北朝鮮への非難が最終的な演説原稿には加わり、世界中に「アメリカは本気だ!」というメッセージが伝わるに至った。このことの良し悪しは別として、結果論で言えば、北朝鮮はわざわざオバマの一般教書演説に北朝鮮の非難を加えさせるために、あのタイミングで事前通告を行ったとしか考えられないということに気が付いた。

では、オバマ大統領の一般教書演説で取り上げられるのと取り上げられないので何が違うのであろうか?例えば、北朝鮮を非難する国連決議を行うためにアメリカや日韓の担当者が国連を舞台に活動しているシーンがニュースになっても、私にはイマイチその本気さが伝わってこない。勿論、国際政治の専門家であれば、手続き的に最初からオバマ大統領が国連に乗り込んで派手なアクションなど取るはずもないということも常識なのかも知れないが、しかし、気迫という意味では常識的な手順ではインパクトは非常に小さいものになる。しかし、テレビの報道番組を通してしか知ることができない私の様な素人を相手にすれば話は別であるが、実際の担当者レベルでは一般教書演説に非難が加わるか否かで何も変わるものがない。だから、その様な差分を考えた上で、敢えて一般教書演説に北朝鮮の非難が加わった方が都合がよい人が北朝鮮国内にいたからこそ、事前通告をわざわざ行ったのである。

しかし、では誰にとってどの様に都合がよいのかと言えば、そのシナリオを描くのは難しい。アメリカと韓国が本気になれば、より強硬な対応を取ることが目に見えている。しかし、若い金正恩からすればアメリカ、韓国から強硬な態度を示されて黙っていては示しが着かないから、軍事的な反撃を余儀なくされる。アメリカ、韓国は、ズルズルとこのまま北朝鮮の脅威が増すことは許容できないから、半ば軍事的なアクションを起こしてでも事態の改善を一気に図りたいと思っている可能性があるから、この際には本格的な戦争に発展する可能性が否定できない。核をミサイルに既に搭載済みであればどうか分からないが、先制攻撃も含めて考えれば、通常兵器では北朝鮮に軍事的な意味での勝ち目はない。中国が助けてくれる可能性はあるが、ギリギリ中国に助けてもらうのでは益々中国に頭が上がらなくなるから好ましい事態ではない。幾ら若いとは言え金正恩にはその程度のことは分かっているだろうから、延坪島の様にピンポンダッシュ的な威嚇が北朝鮮にとっては精一杯なのである。つまり、相手を怒らせておきながら、本気で相手が怒り出したら「おいおい、落ち着いて、落ち着いて・・・」と消火作業をするのが一般的な戦略であろう。ないしは、サイバー攻撃などの実際の軍事的手段を用いない攻撃しか考えられない。

しかし、この様なピンポンダッシュ的な戦略であれば、一般教書演説にわざわざ北朝鮮非難を載せてもらうメリットはないはずである。逆に、一般教書演説で本気度を示してしまったら、アメリカ側も上げた拳を簡単には降ろせないので過激な制裁につながることが予想できる。ますます、北朝鮮が軍事的に追い込まれる事態が予想される。

となると、この様な状況を好ましく思う北朝鮮の人とは誰だろうか?思いっきり飛躍した予想であるが、それは北朝鮮のNo.2である張成沢、その人ではないかと私は予想した。実は以下の報道がある。

産経ニュース2013年2月16日「核ミサイルと距離置く陰の実力者、張成沢氏の対中動向が鍵

現在の北朝鮮のNo.2の張成沢氏は、この記事の中にも記されているが、先月末に行われた朝鮮労働党・細胞書記大会の中で、金正恩の発言中にそっぽを向いてふてぶてしい態度を示している映像がニュースの中で流れていた。神格化されたお殿様のような立場の金正恩に対しては、いつ何時でも大の大人がワザとらしく大げさに賞賛の意を示すのが常識の北朝鮮であるから、この様な姿は非常に異様であり私も違和感を感じて見ていた。一方で、これだけ世界中からも核実験の成功を報道され有頂天になりがちな北朝鮮の中で、一人だけ冷めた目で距離を置いて見ているというのも異様である。この人物がもし仮に「金王朝」よりも北朝鮮という「国家」の存続を重要視したならば、生き残りのために寧ろ核を放棄するという戦略を選択する可能性がある。中国と同レベルの一党独裁を維持する範囲での民主化であるならば、金正恩をスケープゴートに仕立て上げ、核を放棄して食料や燃料などの資源を外国から援助してもらい、国を富ませて発展の道を歩む方が国家としての未来は十分拓ける。ボンクラの跡取りが出てきて国を危険な状態に陥れるのではなく、集団指導体制を築き上げれば、より長く国家を存続させる道が開ける。このためには金正恩に思いっきり弾けてもらい、中国も怒らせると共にアメリカを本気にさせ、戦争の一歩手前になった時点で中国が金正恩の排除に動き出すタイミングで核放棄カードを示せば、多分、中国もアメリカも韓国も文句は言わないはずである。完全な核査察の受け入れを認めれば、韓国との関係改善も進み、経済発展の可能性が更に高まる。拉致問題が解決すれば、日本からの援助も引き出せるかも知れない。ミヤンマー型の発展を期待することができるのである。中国への依存度が高いのは当然であるが、韓国や日本とのコネクションは中国からのその後の譲歩を引き出すにも役に立つかも知れない。一時期は失脚の憂き目を見たこともある張成沢氏であれば、今後も現在の地位を保てるか否かは定かではなく、国の為、自分の為、何らかの博打を打つことは考えられなくもない。

となると、これまでの私のブログでも北朝鮮内のクーデターの外部からの誘導の話を書いてきたが、実は、既に外部からの揺さぶりではなく内部からその動きが始動している可能性があるということである。実際問題としては、半ばイケイケ状態の北朝鮮の中でその様な動きがあるとは考えにくいが、ひょっとするとひょっとするかも・・・という思いは拭いきれない。

単なるお話ではあるが、それなりにはストーリーとして筋が通っているような気はする。

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