けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

韓国と中国で始まった粛清の流れの源流

2013-07-17 23:47:40 | 政治
ここ最近、気になっているニュースがある。ひとつは韓国のニュース、もうひとつは中国のニュースである。色々考えてみると、それぞれが共通点があるように思えてきた。

産経ニュース2013年7月15日「前政権の受難始まる?朴政権が差別化作業

韓国ではご存知の通り、大統領職を退いたあとの受難が長く続いている。盧武鉉大統領がその最たるもので、自らが追い込まれて自殺したわけだが、他にも全斗煥大統領などは死刑判決を受けたり(その後に減刑の後、特赦)、殆ど命にかかわるレベルで追い込まれることになる。だからこそ、任期終了後に同一政党から後任の大統領を輩出し、自らへの追っ手に手心を加えてもらうのに必死である。李明博大統領ですら竹島に上陸して、ナショナリズムの火を炊きつけることで支持率を回復し、同じ与党の朴大統領へのバトンタッチに全力を挙げていた経緯がある。そして、そこまでしなければならない韓国の歪んだ政治状況が、日本を中心とする国際関係を誤った方向に導く結果つながっている。それでも李明博大統領は上手くバトンタッチが出来たのだから、とりあえずは安泰と見られていたのだが、同じ政党に属しながら主流派と非主流派の対立が激しさを増して、結果的に同じ仲間ながら憎さは100倍という、更なる政治の歪みを演出することになった。しかし、この事態の意味することは、この朴大統領は自らの任期の後、政権交代につながろうが同じ党の次期大統領にバトンタッチが出来ようが、どちらに転んでも自らの退任後に受難が待ち構えるという時限爆弾のスイッチを入れてしまったということである。そこから逃れるためには、完璧なまでに大統領一族の誰一人として完全に利権から隔離された状態を5年間維持するか、ないしはナショナリズムの更なる焚き付けにより自らを英雄に祭り上げるか、この二つぐらいしか逃げ道はない。前者はちょっと考えにくいだろうから、実質的には後者しかない。しかし、何故、そこまでする必要があったのかを考えると頭の中にクエスチョンマークが溢れてくる。

同様のニュースとして、中国でも最近は粛清ムードが強まっている。テレ朝の日曜お昼のサンデースクランブルではここ2週続けてその話題を続けていた。驚くべきは、中国のドラマ「新・紅楼夢」に出演した女優12人全てが中国の元鉄道大臣・劉志軍被告の愛人であるという話題である。そんなことは常識的にあり得ないと思うのだが、そのカラクリは簡単に言えば、劉元鉄道大臣が自らの愛人となる女性のオーディション(建前上はもちろんドラマのオーディション)を行い、そのオーディションに合格すると自動的におまけでテレビのヒロインの役がついてくるというのである。女優12人を全て愛人にするのは不可能であっても、愛人12人をドラマのヒロインにすることは彼の力をもってすれば可能である。それもこれも、鉄道省がドラマのスポンサーとなっており、膨大なお金がそこで動いているからである。さすがに元大臣は裁判の後に財産没収の後に死刑となったが、それでも死刑は2年の執行猶予付きと言うから厳しいのか緩いのかが良く分からない。

同様の愛人がらみの話題としては、重慶市の幹部を歴任した雷政富書記が愛人に性行為ビデオが暴露されたとして、新聞に性行為の最中のビデオ映像を写したボカシ入りの写真が掲載されていた。どうやら金銭的に揉めた18歳の愛人がビデオで脅迫、映像を公開したというが、雷書記は様々な汚職の結果、懲役13年、政治権利剥奪などの実刑判決がくだったという。サンデースクランブルにはその行為中の写真が写されていたが、その生々しさはとてもではないが真昼間からテレビで流してよいのかと疑ってしまうほど行為そのままの写真であった。しかし、その様な摘発はこれらの一部の例外的な位置付けではなく、大量の汚職で摘発される人の95%は愛人を抱えているのだといい、その愛人のためにお金が必要となり汚職が更に行われているのだという。

習近平国家主席は最近、共産党内の汚職などの粛清を徹底する姿勢を示している。もちろん、これらの汚職が政権中枢では例外的に存在しないという訳はないから、あまりやりすぎるとブーメランのように自らに戻ってきてしまう。それでも、粛清をある程度成功させるためには協力者が必要であり、そのために政権中枢の汚職には目をつぶるから、少なくとも地方の汚職は徹底的に叩くことに協力させ、国民の目を欺くという作戦なのだろう。しかし、いくら政権中枢でもその様な粛清の間ぐらいは汚職を自粛せざるを得ないから、それまで囲われていた政権中枢の要人の愛人が金を求めて脅迫し、勢い余って何かを暴露するという可能性はあり得るから、これは相当な劇薬であることには違いない。

偶然かもしれないが、これらの両国の劇薬的な粛清は、何処か似たような理由による可能性が捨てきれない。例えば韓国、中国共に最近は経済的にジリ貧状態である。さらに両国とも、国民の間の経済格差などの国内問題を抱えている。韓国に至っては北朝鮮問題での政府の対応のまずさから、辛酸をなめ続けていて国民の不満も大きい。経済が好調なときはその不満をごまかすことが出来ても、経済が傾きだすとその不満が爆発して、何処かで政権を脅かすような事態になりかねない。中国はさらに深刻で、シャドーバンキング問題で中国版のバブルの崩壊がカウントダウンされているとも言われる。李克強首相などは、バブルの崩壊のインパクトを軽減するために、意図的なバブル潰しを試みている。李コノミクスとも言われるようだが、バブル潰しは必要だとは誰もが分かるのだが、今しばらく夢を見続けられるかも知れない状況に強制的且つ人為的に終止符を打つのだから、それで損失を蒙る人々の恨みを買うのは間違いない。政権に強い不満が渦巻き、中国共産党としては非常に危機的な事態に陥ることが予想される。そこでは、金の切れ目が縁の切れ目で、同様に愛人連中が暴露合戦を繰り広げるかも知れない。

この様な不満の爆発のインパクトを可能な限り縮小するためには、少なくとも政権担当者は疾しいところなど何もないと嘘でもいいから振舞うのが有益かも知れない。しかし、権力欲が強くその頂点を極めた人達である。よっぽどのことがない限り、そんな聖人君子を演じ続けることなど出来るわけがない。つまり、政権崩壊の足音が甲高く響く音が耳から離れず、その恐怖と戦いながら今を過ごしているからこそ、その様な忍耐に耐え続けられるのではないかと勘ぐってしまう。この恐怖感が、最大の共通点なのかも知れない。もちろん、国民の多くがそう簡単に騙される訳がないから、その様な人に対する保険としてナショナリズムの焚き付けをするのである。両国とも共通のターゲットは日本であり、日本を叩き日本を潰せば、相対的に自国の経済の浮上のきっかけをつかめるかも知れない。だから、両者が手を組んで歴史カードを前面に出して日本を潰しにかかる。かなりの無理筋の攻撃だから、諸外国に対してその説得力を確保するためにも、韓国と中国の連携は必然なのかも知れない。その努力の甲斐もあってか、最近の朴大統領の支持率は70%を超えているという。あれだけポカが続いた大統領とは思えない支持率の高さである。多分、(中国には支持率調査など存在しないだろうが、イメージ的には)習近平国家主席も同様の状況なのだろう。

これらの一連の行動をみると、やはり共通点が多いような気がする。李コノミクスも朴大統領などの綱紀粛正もスジとしては良いのだが、それはその動機が純粋な場合の話だろう。これだけ不純な動機丸出しで国民の目を欺き続けられる訳がない。かって日本では、連合赤軍の粛清が暴走し、集団リンチ殺人へと繋がった経験がある。今回の粛清がその集団リンチの様に展開するとは全く思っていないが、アベノミクスで日本経済が復活したとき、追い詰められた両国が思わぬ方向に展開しないとも限らない。今しばらくは、一連の動きを絡めて事態の推移を見守っていくべきだろう。

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