けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

最悪の出来の本田圭佑の存在意義!

2013-06-05 23:11:05 | 日記
昨日、サッカー日本代表がワールドカップ・ブラジル大会への出場を決めた。今日はその記者会見も行われ、ほんの束の間の休息というリラックスした雰囲気があった。テレビでは本田圭佑のPKのシーンが繰り返されて、「さすが本田!」という論評ばかりだった。私も全く同じなのだが、微妙に思いは異なる。2011年11月15日に北朝鮮に負けた際のブログ、「本田圭佑という財産」に書かせて頂いた通りなのだが、本田という存在の意味を改めて思い知らされた。

まず、確認をしておきたいのだが、昨日の本田圭佑のデキは最悪だった。それはそうだろう。怪我は治ったと言いながらも足の状態は100%ではなく、爆弾を抱えた状態である。実際、試合が終わった後も足を引きずっていたような雰囲気であった。さらに、ロシアでのカップ戦決勝を終えて、とんぼ返りで中二日、時差ボケも取れずに疲れが溜まっている状況での試合だから、通常であれば後半途中からの投入というのが常識的な線である。しかし、岡崎も含めて先発メンバーに名を連ね、本田に関しては90分、フル出場であった。だから、如何にも体が重そうな動きで、パスなどの判断が遅れ気味で、細かなプレーの精度は低かったと思う。

では、「じゃあダメじゃん」となるかと言えば、試合の最初から、明らかに先日のブルガリア戦とは明らかに異なっていた。何が違うかと言えば、圧倒的にボールが前に前にと送られる点である。細かなデータは知らないが、ブルガリア戦では少なくとも不毛なバックパスだらけで、選手の心の声として「あー、何処にパス出そうかな、中々コースがないなぁ。無理はしたくないから取りあえず戻そうか・・・」という様な声が聞こえるようであった。しかし、昨日の試合では、選手の心の声として「リー、リー、リー。ハイ、行くよ!行くよ!」と、常に前を見て、僅かなパスコースを探しながら、相手選手に「さーさぁー、寄って来いよ!」と挑発をしながら、相手の動きによって出来る隙を常に伺っている様な感じだった。もちろん、調子の悪い本田が前日に加わったぐらいで急に流れるようなプレーが出来る訳もなく、所々でじれったいところはあったが、それでも戦う集団という気迫は伝わってきた。

オーストラリアの攻撃に対して裏を取られるシーンは何度もあり課題も明らかになった。しかし、見た感じではディフェンスラインを積極的に上げて攻めの守備をしていたところを、相手が積極的にその裏を狙っていたのが原因だったと思うから、今の状態は良くなくても目指すべき方向性としては理解できる。2006年のワールドカップで、中田英寿がディフェンスラインをあげてコンパクトなサッカーを目指したのに対し、宮本などのディフェンス陣が「リスクを冒したくない、引いて守りたい」と対立し、前線と守りの間が間延びして組織的なサッカーが出来ずに完敗して終わったことを思い出せば、消極的に戦って負けるよりは100倍良い。

勝負が動き出したのは、PKの前のプレーで、本田が積極的にシュートを打って相手ディフェンダーにブロックされたのに対し、首に血管を浮き上がらせて「チキショーォォォォッ」と吠えた瞬間だったと思う。まさにスイッチが入った瞬間だ。素人から見れば、何であんなところでハンドするんだ(馬鹿だなぁー)と、あまりに棚ボタ的なPKで驚いてしまうが、ギリギリの裏に通すパスがあまりにも絶妙な位置で、相手が相当に「ヤバい!」と思ったから体でトラップするつもりが手が体から離れてしまったのかも知れない。見るからに相手のポカだが、ひょっとしたら本田の狙いの勝ちなのかも知れない。

ところで、最後のPKについて、本田は「真ん中に蹴って止められたらシャーない」と言っているが、絶対に嘘である。変な話題を引き合いに出すが、野球のWBCの韓国戦を前に、イチローが「今後、10年間は日本には勝てない・・・と思い知らせる様な試合をしたい!」と言っていたが、これと似たような思いが本田にはあったのだと思う。本田はかって、シュートチャンスの時に、味方が良いポジションにいて「パスを出した方が、得点の確率が高い」というときに、敢えてシュートを打つ意義を次の様な言葉で語っている。曰く、「その1回限りでは、シュートを打たなくてもどうってことはないが、そこで敢えてシュートを打つことで、次のチャンスの時に『こいつ、また打って来るな!』と相手を怯えさせることが出来る。この様なプレッシャーがかかるから、長い目ではシュートを打ち続けることに意義があるんだ・・・。」という感じだったと思う。では、あのシーンで真ん中にシュートを決めることにどういう意味があるのか。多分、相手キーパーは思ったはずである。「こいつ、化け物かぁーっ!」ゴールの隅に絶妙のシュートを決められても、多分、「やられた!上手いな、こいつ」ぐらいにしか思わない。しかし、あそこに蹴られてしまうと、自分の理解を超えた恐ろしい奴という恐怖が一瞬浮かんだと思う。ひょっとしたら本大会の何処かで当たるかも知れない相手であり、そこで「本田にはかなわないぜ!」と思わせることに意義があったのではないかと思う。

勿論、リスクは大いにある。あそこでPKを失敗すれば、下手をするとそれが原因でワールドカップを逃すという可能性もゼロではなかった。誰もがそんなリスクを取りたくないのだが、リスクを取らねば会心の勝利を収めることはできない。目指すべき目標が高くなければできない決断である。

改めて思うのは、本田圭佑の存在の大きさである。サッカー選手としての能力としては、明らかに香川や中田英に劣る。しかし、より強く歴史に名を残すのは彼の様な選手だろう。これからの更なる進化を期待したいものである。

最後に、TBSの「ひるおび」で紹介された面白い話題をひとつ。昨日の渋谷駅前のスクランブル交差点は、ワールドカップ出場決定で興奮した人達が暴動を起こして車の通行に支障が出ない様に厳戒態勢を引いていたという。そこで交通整理をしていたお巡りさんが、拡声器を手にして粋な誘導をしていたという。曰く

「日本代表は、フェアプレーでワールドカップ出場を決めました。その日本代表を応援する皆さんは12番目の選手です。日本代表はルールとマナーを守ります。日本代表がワールドカップを決めて、お巡りさんもこんな日に怒りたくはありません。だからどうか皆さん、皆さんもフェアプレーでお願いします!」

上手い!座布団10枚!

日本代表の今後の活躍と、こんなお巡りさんの活躍を共に期待したい!

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