けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

正社員化とワークシェアリングのための方策

2012-04-04 22:18:48 | 政治
4月に入り数日が過ぎた。一昨日、テレビで新入社員の入社式の話題が取り上げられる中、(もう既に報道されてから大分時間が経つが)国家公務員の新規採用を56%減に抑えた問題に対する政府への非難が再度話題にされるようになった。言うまでもなく、民間企業であれば人材は企業が生き残るための財産であり、特定の年度の年齢構成がいびつになる事は、危機管理的な観点からも「最後の最後の奥の手」と位置づけられている。大企業ほど、その様な対応を取らないのが常識であり、ましてや日本国の命運を大きく左右する官僚の人材問題は、国家として死活問題であるべきである。既に官僚である既得権益だけに目をむけ、これから職に就くことになる若者から職を奪う、あまりに短絡的な、非常に愚かな判断と言わざるを得ない。

この問題は、非常に単純なのでここまでで話を終えるが、これを発端として議論したい問題がある。それは、非正規労働者の正社員化とワークシェアリングの問題である。

日本経済の停滞の背景には、非正規労働者の増大も少なからず関係している。原因と結果のどちらが先かという話はあるのであるが、バブルの崩壊以降、各企業は景気や需要の波のリスクを回避し、且つ、経費削減の意味を込めて多くの業務をアウトソーシングすると共に、派遣の非正規労働者を多く登用するようになった。これらの非正規労働者の賃金は正社員と比べれば大幅に低いから、所謂ワーキングプアと呼ばれる人達が増え、結果的に財布の紐が硬くなることで景気が減速する。

統計によれば、現時点では1/3が非正規労働者であるらしい。1700万人とも言われるこれらの人材は、企業にとっては極めて都合の良い存在であった。例えば、同じ仕事をさせても非正規というだけで、時間単価を大幅に引き下げることが出来る。景気が悪くなり、需要が減った時には正社員の首を切るのは大変だが、派遣であれば契約を解除(ないしは継続しない)するだけで、雇用調整が図れてしまう。逆に景気が良くなっても、正社員を多く雇うと後が危険なので、どんどん非正規労働者の人数は増えることになる。

この非正規労働者の多くは、厚生年金に加入していないことが多く、厚生労働省では国民年金のみの第1号被保険者を厚生年金に加入する第2号被保険者に切り替えるための対策を練っている。私の理解では、ここでのアプローチは、ある種の条件を満たすと労働者が希望する限りにおいて、実効的に正社員(無期限労働者?)として扱うというものである。正社員であれば、単に首を切りにくくなるだけではなく、厚生年金を企業側が払わなければならなくなるので、企業にとっては正社員と派遣による非正規労働者のギャップは大きい。これが企業に対して義務化されるわけであるから、企業としては嫌々ながら対応することになる。しかし、もし正社員にしたくなければ、その所定の条件を満たさないように運用すれば幾らでも逃げ道を作ることが出来る。そう、例えば契約を4年半までにして継続しなければ良いのである。しかし、この様に5年に満たないところで契約を更新されない社員からすれば、新しい制度が導入されなければ働き続けられたのかも知れない。つまり、その制度の導入により首を切られる労働者が生まれる訳である。

専門家ではないので細かいところまでは考えてはいないが、やはりこの様な制度の考え方として、アプローチの考え方を見直すべきではないかと思う。例えて言えば、勉強嫌いな子供に勉強させるために、勉強しなかった場合のペナルティを用意し、ムチを持って監視し続ければ勉強するかといえば、そうは上手くは行かないのである。何とか隙を見て、怠けようとするのが人の常である。抜け道を探す能力は、誰にでも備わっているのである。しかし、その勉強を子供が興味を引くような教材を用いて行なったらどうだろうか?例えば、理科嫌いの子供に米村でんじろうさんの様な先生が面白い実験を見せながら、「この面白い現象の背景には、この様な原理があるんだよ!」と教えたならば、我先にと勉強に取り組むようになるかも知れない。つまり、罰則の様なもので縛るのではなく、何らかのメリットを感じるような仕組みを作ることで、向かわせたい方向に向かわせるように仕向ける工夫が賢いやり方である。

例えば、節電しない者にペナルティを与えるルールを作っても、中々節電をしようとは思ってくれないが、電気料金が値上がりすれば誰でもこぞって節電をするのである。同じことが、非正規労働者問題に対して適用できないだろうか?

そこで提案である。何でもかんでも税金を持ち出すのは宜しくないかも知れないが、非正規労働者税というものを導入してみては如何だろうか?具体的には、ある労働者を正社員として雇った場合の厚生年金の企業負担分の20%程度(例)の税金を雇う側(派遣社員の受け入れ側)の企業に課すのである。今現在でさえ、様々な企業にてやる気のある有能な社員の正社員化の検討をしているところが多いが、その様な動きを加速化させる効果が期待できる。また、ここで集めた税金は、契約期間が不安定な派遣労働者の雇用のない期間の補償や、年金の上乗せ分として利用しても良い。

さて、どんどん話を進めてみよう。同じような考え方は、他にも応用がきく。ワークシェアリングを推進するのにも使えるかも知れない。例えば、勤務時間が1日に7.5時間を超える分には、実際に超過勤務分に賃金が払われるか払われないかに係わらず、その人の時間単価の20%程度(例)を超過勤務税として徴収するのである。この税率を上手く調整すれば、少ない人間で超過勤務しながら仕事を回すより、社員を増やしてワークシェアリングした方が割安となる。社員を雇えば研修などを行なう必要があるが、徴収した税金を元手に社員研修によるスキルアップに補助金を出す制度にすれば、社員のスキルを底上げして大人数で仕事を分散化することが可能になるかも知れない。もちろん、特別な能力を持った少数精鋭の企業などは、課金されても平気で長時間勤務をさせるだろうから、それはそれで構わない。あくまでも強制するのではなく、自由裁量の中で狙った方向に全体を導く方法を模索するのである。

相当な空論を語っている自覚はあるが、議論のたたき台ぐらいにはならないかと思い、提案を行なってみた。如何だろうか?

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