ママちゃんへの道

モニョモニョくんとの未知なる世界

愛し君

2008-05-08 00:33:33 | モニョモニョくん
ゴールデンウイークは佐賀に帰省しつつ、どんたくで賑わう博多の街中のホテルに一泊。久々に街の空気を満喫しました。そしてその夜、私の不注意によりある事件が起きてしまったのです。


バスタブにお湯をはったのは私。街の雰囲気にウカれていたのか、ショッピングの疲れで注意散漫になっていたのか、自宅のお風呂のような温度調節されたお湯のでる蛇口とすっかり思い込んでいた私は、お湯の蛇口だけをひねり、必要な量のお湯を溜めました。自宅でですら、万が一を案じて必ず手で湯加減を確かめてからしかモニョさんにお湯をかけないのですが、なぜだかその日だけは、一度もお湯に手も入れないまま、浸けてしまったのです、

トポン。と、その熱湯にモニョさんを。


スローモーションのような一瞬があって、直後火がついたように泣き出し、恐怖におびえたモニョさんは私が冷たい水をかけようとしても力一杯私にしがみつき離れないほどでした。幸い大事にはいたらなかったのですが、随分と落ち着いてからでも、湯船を怖がって入りたがりません。「怖い!怖い!」とおびえるモニョさんの小さな手に、左右一つずつ飲み物用に持ってきてあった氷を持たせることで、やっと納得して入ってくれました。

なんと馬鹿なことをしたのか、と自分を責め、自分を責め。「ごめんねー、怖かったねぇ。怖かったねぇ。ごめんねー!ごめんねー!」とお風呂から出てきたモニョさんの体中をさすりながら涙をにじませる私を見て、ベッドの上に私と一緒にいたモニョさん、何かを思いついたようによいしょっとベッドを降り、トトトっとその先のドレッサーの椅子まで行って、うんしょっとその椅子によじ上ると「お母さんに。よっこらせっと。」とつぶやきながらドレッサーの上に置いてあったティッシュを一枚シュッ。同じ道のりを同じようにして私のところまで戻ってくると、私の目のあたりをティッシュで優しく押さえながら、


    「もう泣かないで。モニョがついてるから大丈夫。」



とビックリするほど優しい口調で言うのです。


地下鉄から降りると、降りたと同時くらいに「ありがとうございました~。」と地下鉄に向かって言う君。せっかくピエロにもらったのに、糸が切れてしまいあっという間にぐんぐん空に上がって行ってしまった風船に向かって「風船~~!ありがとう~!!バイバ~イ!バイバ~~~~~イ!」と風船が点のようになってもなお大声で叫びながら手を降り続ける君。街中で見かけたスズメにすら「こんにちは♪」と声をかける君。新幹線の乗り継ぎを待っている間に、ホームに来た新幹線が出発する度「しゅぱ~つ~進行っ!」と片手を上げ、ピーっと笛を吹く真似、そして見えなくなるまでいつまでもいつまでも「バイバ~~イ!バイバ~~~~イ!!また遊ぼうねぇ~~~~~~!!!」とめいいっぱい列車を見送る君。

真っ赤な顔をして泣きながら生まれて来たあの日から、まだたった2年半しか経っていないのに、その小さな体で小さな心で、何を思ってどうやってしたら、そんなに人に優しくできるんでしょうか?30ウン年も生きてきていても、お店の店員さんが要領を得なかったり、他の車の運転が荒かったりするだけで、イライラとしている自分がとても恥ずかしくなるくらいです。

これが全てだと信じてきたものを見失い、この世に生かされている意味すら分からなくなっていた過去の闇も、みんなみんなこのためだったんだな。この子に会うためだったんだな。と分からされた瞬間。


パパちゃんがよく言います。
「子供は3歳までにほとんどの親孝行をするんだって。」



たとえこの先、あなたが万が一道を誤ろうとも、世界中が味方をしてくれないようなことが起ころうとも、私は私があげられる限りの愛情と百万力の勇気をもって、あなたを愛し続けたいと思っています。お代はもう前払いで頂いてます。ご心配なく。