Catch Ball

修業の時計を止めない教師でありたいです。

鬼遊びの教材価値

2009-06-29 23:06:27 | 体育
 東京学芸大学附属世田谷小学校の内田雄三氏は,鬼遊びの教材価値として,次の3点を挙げている。

①集団としての動きの必要性(=戦術学習の芽ばえ)
②成功や失敗の体験ができる
③「仲間とともに学ぶ意味」を学ぶ
 内田雄三著『鬼遊び・ボール遊びで多様な動きづくり』(学事出版)P.8~11
 
 この3点について,私も賛同する。


1 集団としての動きの必要性(=戦術学習の芽ばえ)

 鬼遊びの面白さは,「逃げる-追いかける」という単純なルールの中で,「何をしてくるか」「どう動いてくるか」という相手とのかけひきにある。

 攻めるとき,守るときにどう動けばいいかを,チームの一人ひとりが実行しようとするとき,チームとしての力が発揮される。一人ひとりが自分勝手に動いたのでは,チーム力が機能しない。

 鬼遊びでは,集団としての動きの必要性を学ぶことができる。
 つまり作戦づくりである。
 これは,中学年以降でのボール運動での戦術学習につながっていく。


2 成功や失敗の体験ができる

 チームの作戦の成否の検証がしやすい。
 成功した場合は,そのチームの作戦を真似るチームが出てくることで学びの輪が広がっていく。
 失敗した場合は,なぜうまくいかなかったのかを検証することで,次のゲームに向けての意欲につなげていくことができる。失敗から作戦のよさや有効性に気づくことができるのである。

 成功体験ばかりでなく,失敗も経験させることは大切である。これは勝敗を受け入れる態度,スポーツマンシップを身につけさせるうえでも大切である。


3 「仲間とともに学ぶ意味」を学ぶ

 集団ゲームであるから,当然仲間がいる。
 しかし,仲間との間で自分の意見が通るとは限らない。
 また,仲間の提案に自分の考えを揺さぶられることもある。
 そういった中で,チームワークが作り上げられていく。
 
 相手を認め,仲間を助け,ともに伸びる経験をすることができる。
 つまり人間力をはぐくむのである。
 
 このあたりは,私は忍者体育の岩井邦夫氏の考えにも影響を受けている。