セム語派は、アフロ・アジア語族の一語派。かつては、インド・ヨーロッパ語族、ウラル・アルタイ語族と並ぶ世界の3大語族の一つとされて、セム語族あるいはセム・ハム語族として分類されていたが、今では語族としては扱われなくなっている。
「セム語」という名称は、トーラーに記述されているノアの息子のセムにちなみ、アウグスト・シュレーツァーによって名づけられた。
文法性の存在、形容詞の変化、子音のみの単語に母音を差し込んで造語する等、インド・ヨーロッパ語族との親族関係が指摘されているが、立証はされていない。
今日ふつうに話されているセム語は、アラビア語、アムハラ語、ヘブライ語、ティグリニャ語であるが、アルファベットや楔形文字等、歴史に関係する重要な言語・文字も多く、また旧約聖書やコーランなど宗教に関する重要な書物もある。セム語においては、ヘブライ語やアラビア語は右から左に記述するがアムハラ語は左から右に記述する。