渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

映画『侍』(1965)

2021年05月27日 | open

『侍』(1965年/東宝)

28年ぶりに本作品を観ていたら、寝てし
まった。
こんな冗長な作品だったかなあ。

幕末、桜田門外にて大老井伊直弼を殺害
したテロリストたちの物語。
先立つ安政の大獄への報復の感が強いが、
尊王攘夷などは本当はあまり関係がない。
真の姿は将軍家跡継ぎを巡る尾張徳川家
と水戸徳川家の御家騒動の権力争いでしか
ない。それを利用した彦根藩主にして幕府
の大老井伊直弼が権力を利用して非情な
取締りをしたので、その恨みの報いを受け
たというのが安政の大獄と桜田門外の変の
真相だ。
桜田門外の襲撃では国産コピー製造された
コルトパーカッションリボルバーも使用さ
れ、実際に発砲している。

本作品の主人公は浪人新納(にいろ)鶴千
代。
菊千代のあとは名無しのブロンディで、
そのあとに鶴千代か(笑
『侍ニッポン』という本作品を扱った歌
謡曲を村田英雄先生が歌ったが、新納を
ニイロとは読めずにシンノウと読んでレ
コーディングしてしまった。
これは痛い。指宿の事をサシヤドと読む
ようなものだ。しかもプレスして発売して
しまった。
えーと、うちにそのレコードあります(笑
♪人を斬るのがサムライならば〜
てやつ。
最後の歌詞が
♪シンノウ鶴千代なにを泣く
てなやつね。
村田先生、意外とキーが高い。

桜田門外は一時期、通勤で毎日通ってい
た。
門外での襲撃の時、まだ行列の井伊殿の
最後尾は現国会議事堂寄りの上屋敷を
切っていなかったという。
桜田門外襲撃の際は双方乱戦。
斬り合いとはそんなものだ。道場での試合
ではない。一対一で相手がこう来たから
こう、などというのは全て道場剣法の畳
水練だ。しっちゃかめっちゃかに刀を振り
回した者が勝つ。
この事は、幕末京都での数知れぬ斬り合い
を生き延びた永倉新八も回想録で証言して
いる。本物の斬り合いで道場剣法の駆け引
きなどは通用しない。
実際のところ、乱戦、白兵戦はまさにそれ
だと断言できる。






警視庁前、桜田門交差点はめちゃくちゃ
交通量が多い。


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