渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

Uターンと立ちゴケ ~二輪操縦方法~

2023年09月25日 | open



先日、ある場所で二輪乗りの
若い人(私より)と話をして
いた。私の友人の二輪乗りと
三人で。
最近はUターンができない人も
多くて、立ちごけなる魔訶不識
事を頻繁にやる人たちも多い、
あれは何なのだろうね、という
話題になった。
厳密にはUターンなどの走行時
に転ぶ事もそうした人たちは
立ちごけとか呼んでいるが、
あれは走りゴケであり、明白
な事故だ、公道では。単独事故。
自宅
駐車場ではないのだから。
立ちごけも公道では事故。
四輪の縁石ぶつけと同じだ。

そして、どうしてUターンで
転ぶのだろうとなった時、
私と友人よりも若い人は「最近
は後ろブレーキを使わずにU
ターンしようとする人が増え
てるからですよ」と言った。
私と友人は「はあ?」と同時
に口にした。
そして「Uターンでも前輪
ブレーキを使うんだよ」と
これまた同時に言った。
それを聞いた若者は「ええっ?!」
と言って驚いている。
教習所の嘘教えを真面目に信じ
込んでいたクチだろう。

二輪走行では前輪ブレーキを
使う。
グーパーしかできない世代には
難しいのかも知れないが。
前輪ブレーキというのは任意の
強さで
まるで細い絹糸を切れな
いよう
に引いたり緩めたりする
が如く
微細なタッチで扱う。
ブレーキはオンオフの二元では

ない。制動するのだ。速度を
調節制御するために使う。
二輪では決して急激にガツンと
握ったり踏んだり
はしない。
超高速度の時のフルブレーキ

グでも、序破急でプログレッシ

ブに握り圧を変化させてブレー
キレバーを扱う。
そのためには絶対に指の4本がけ
などでは無理で、指2本もしくは
3本、場面により指1本でブレー
キレバーを極めて繊細に操作する。
上掲の白バイ隊員の操作方法を
見てみるとよい。
小旋回であろうとも前輪制動
を利用している。

教習所での嘘教えでは、小旋回
では前輪ブレーキを使うな後輪
のみを使えと嘘教えをする。
さらに、スラロームやクランク
ではクラッチを切って曲がれ、
と。

大型二輪教習などではこの嘘が
まかり通っているかのように教え
られる。危険走行を広めているの
が現在の自動車学校の教習だ。
そして前輪ブレーキは指4本掛け。
白バイ隊員などはそんな嘘乗り
はしない。後輪ブレーキを有用
に利用する
事もあれば、前輪も
積極的に
制動をかける。本物の
二輪の乗り方だ
からだ。
そして、指は4本掛けではない。
理由は、4本掛けは手がU字型
になりグリップ保持が不完全で
危険で
ある事と、指4本での力
の微細
な調整よりも1乃至3本
のほうが
操作が的確にできる
からだ。

(教習所でどうしても免許を
取得したい人には、外見上は
4本掛けに見えるような形に
して、実際のレバー操作は
中指と薬指の2本で行なう方
法を提案したい。急制動も
それでクリアしたほうが現実
的な公道走行では操作上安全
を確実に確保できる)

年よりの限定解除者二名から
思わぬ事を
いわれて目の前の
若者は驚い
ていたが、私たち
は続けた。

「Uターンでは安全のために
足を出してもいいんだよ。
地面に着く
着かない関係なく」
と。

「真横ではなく前のほうに
出す」とも。


右足を出す右旋回の場合には、
当然にして後輪ブレーキなど
は使えない。
後輪ブレーキで制動しながら
直立旋回を教える嘘がいかに
嘘であるかという事。
更にマニアックな二輪原理を
説明すると、バンクさせて
フロントフォークを沈める事
によりフロントキャスター角
を立たせる現象が発生し、より
小半径で旋回が可能となる。
二輪のカタログ値などよりも。
カタログの最小旋回半径値は
直立させての車体押し半径の
事だ。

そして、小旋回はリーンアウト
の乗車姿勢を使う。
これは理由は物理的なバランス
取りの為。
こうした事も、「コーナリングで
膝を出すのは膝を路面にする
為」とか思い込んでいる脳回路
ではなかなか原理と理由=物理
的に否定しようがない真実=を
理解する事は難しいだろう。
コーナリングの膝出しはフォー
ム上バランスを取るためであり、
膝などは路面にはこすりたくは
ない。これはサーキットでも。
しかしバンク角が深くなると
いやがおうにもすってしまう。
なのでフルバンク時には膝は
畳んでマシンに密着させる。
立ち上がりでは当然膝を閉じ
たままハングオフ状態のフォー
ムで超絶加速していく。
それがサーキットの走り方だ。
公道では膝摺りは全く意味が
ない。膝はこする為に出すの
ではない。

だが、公道でも膝出しは意味が
あるし極めて物理的に有効だ。

Uターンで転ぶ人がとても今の
時代は多いとか位で驚いては
いけ
ない。古くからのバイク
乗り
の人たちよ。
現代の人は、Uターンそのもの
ができないのだ。
ある時、私は峠で走っていた。
かなり乗れる若者とも一緒に
走った。
そして、ローリングではないが、
特定区間をもう一度走る為に
峠の坂道でUターンしてまた戻
うとした。合計4台で。
私は当然当たり前の事だが、
スルリとUターンした。
速い乗れてる若者も普通に
セパハンマシンでUターン。

大型免許だがライトウエイト
乗る若者だ。
そして、高校生もUターン。
当たり前だが難なくクリア。
最後、かなり速く走れていた
私の車と同じクラスの同じよう
なネイキッドの人がUターン

できずに広い道なのに何度か
切り返してターンしていた。
それでもいいのだけど。安全
ターンという目的が果たせ
れば。

驚いたのはその後だ。
仲良くなった若者二人を連れて
飯食いに行った。ちょいウマい
店だ。

私のほうが彼らの親よりも年
長者なの
で誘った私がご馳走
した。

その時、馬鹿っぱやの若者が
私の事を言う。
「走り、乗れてますね~。それ
にUターンもできてたし」
意味が不明だった。
数秒考えて、理解した。二つ。
ただのそこらのトロいじじいと
思った
のかも知れないというの
と、
現代はUターンできないのに
免許を持って二輪に乗っている
人が一般的で当たり前の時代な
だという事を図らずも彼は
吐露した、と。

「俺、立ちごけした事も生まれて
から一度も無いよ」と言ったら
「え?」と二人とも言う。
一瞬二人の表情が曇ったのを見
逃さなかった。そしてそれは数
秒後には懐疑のような面持ちに
なった。
はは~ん、やはり、立ちごけは
二輪運転者のセオリーのような
風潮が現代二輪の世界なのだと
その時、確信した。
とても乗れてて速く安全に走る

彼らでさえも、現代潮流の中に
いるのだ、と。感覚と認識が。
私のようなのは「当たり前」の
事であり、凡人の成せる事なの
に、立ちごけゼロやUターン
スイスイが非凡な腕前かのよう
に思われる現代の日本の二輪
シーン。
随分と質が落ちた。落ち過ぎだ。

古~いバイク乗りの先輩や後輩
と立ちごけというものの話に
なった時の事。その会話の主
たちは立ちごけ経験が一度も
無い。私含めて。
どうやったら立ちごけするのか
と検討した。結構真面目に一切
茶化したり馬鹿にしたりせず。
立ちごけの原理がよく分らない
からだ。
結果、バランスを崩すからだろ
うという事になった。
どうやら両足を着いていても
跨ったままバイクを今の人たち
は倒してしまうらしい。
だが、真相の根本原因のカラ
クリとシステムがよく分らない。
よく分からない連中ながらも、
バランスを崩すからだろうと
いうのはどうにか見当がついた。

私はさらに一つ思いついた。
今の人たちは自転車に日常
乗らないのでは、と。
ほぼ乗らないで育った人が、
一応自転車の走行はできる
からと二輪の免許を取得した
のでは、と。
バランス感覚が子どもの頃
から身についていないのでは
と推測できるからだ。
あくまで推測の思いつきだが。
あまりにも異常事態である程
に立ちごけが多すぎる現代
なので、不思議で仕方ない。
ある先輩などは私の妻より
やや背が高い程なのにCB750
Four乗り時代から立ちごけは
ゼロだ。
ちょこみちゃんより背が低い
妻も立ちごけゼロ。
身長173.αの私も立ちごけゼロ。
身長196の友人もブイマックス
でも250でもゼロ。
高身長の友人は高身長なので
分かる気もするが、実は立ち
ごけのカラクリは身長は関係
ないみたいだ。バランス取りが
どうかの一点のようだ。その
原因の根本は。

Uターンはどうして現代の人
たちはできないのだろう。
足出していいのに。地面に
着こうが着くまいが。バラ
ンス取りのためにも。
教習所では足出しターンは
✖だ。
ここにも嘘がある。
そしてそれを鵜呑みにした
人たちは公道でUターンが
できない。
できないのなら、安全な場所
で練習したりとかすればいい
のに、そういうのもしない
みたい。
それではなるべくしてなる
当然の理であり、運転が
上手
になる要素が無い。

必至の理(ことわり)だ。
何でも楽なほう楽な事を求
めるのが今のネット時代だ。
努力する事など嫌う。

唯一の望みは、スポーツ選手
たちは現代でも自分に厳しく
訓練し、努力して実力をつけ
ている事だ。
オートバイも、本当は運転
する事自体がスポーツなんだ
けどなぁ。
単なる移動レジャー手段と
して二輪を利用する人が増え
過ぎて今の現状があるのだろ
う。
ゴルフでもずっと160とか
叩いてたら論外だし楽しく
ないだろうに。
二輪でも同じなんだよね。
運転できなければ面白くない
だろうと思う。
おっかなびっくりで怖い怖い
とかずっと叫びながら二輪を
移動に利用するのは危険だし、
なによりも楽しくないのでは。
よく分からないが。


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