
私の家には、ナイフ保管箱の
中以外にもそこら中にナイフ
がある。
中以外にもそこら中にナイフ
がある。
まるで、部屋中あちこちに拳
銃を置いている傭兵キャット・
シャノン=キース・ブラウン
のように。
銃を置いている傭兵キャット・
シャノン=キース・ブラウン
のように。
これらはリビングテーブルと
パソコン周りに転がっている
ナイフで、手持ちフォール
パソコン周りに転がっている
ナイフで、手持ちフォール
ディング・ナイフのうちの
ごく一部だ。
ごく一部だ。

気に入っているナイフがある。
これは古い。世の中にまだラ
イナーロックが無い頃の製
品だ。鳥取市内で1998年
に購入。非常に良い。
イナーロックが無い頃の製
品だ。鳥取市内で1998年
に購入。非常に良い。

角度によって小刃が無いように
見えますが、小刃付けてます。

そしてASPENと同じジェス・
ホーンタイプのICカットの
ナイフ。こちらはまたさら
に古い。しかし、大切にし
ている。
同タイプを2丁持っている。
これは愛着がある。

こちらもベタ研ぎではなく
小刃を付けています。

これは愛着がある。

こちらもベタ研ぎではなく
小刃を付けています。

このASPENとICカットの2丁の
ナイフの良い所は、ブレード
がホローグラインドではない
点だ。
ナイフの良い所は、ブレード
がホローグラインドではない
点だ。
ややハマグリ気味のフラット
グラインドになっている。
グラインドになっている。
今、このようなフォールディ
ングナイフは殆ど見ない。
何でもかんでも中肉えぐりの
ホローにしてしまっている。
ングナイフは殆ど見ない。
何でもかんでも中肉えぐりの
ホローにしてしまっている。
シースナイフでもそうだ。
ごく最近売れ出して来たブッ
シュクラフトナイフ以外は。
シュクラフトナイフ以外は。
コンバットナイフでさえホロー
グラインドにしていたりする
風潮があり、かなり視野
グラインドにしていたりする
風潮があり、かなり視野
狭窄になっている。
1980年代中期からつい先年
まで、ナイフ=ホローグラ
インドがスタンダードであ
まで、ナイフ=ホローグラ
インドがスタンダードであ
る、みたいな風潮が日本だ
けでなく世界中にあった。
けでなく世界中にあった。
これはもう完璧に「流行」と
いうものであり、実用的見地
からも、その流行追いの全
員が右ならえの追従とい
うような風潮も、私は大
嫌いだった。
いうものであり、実用的見地
からも、その流行追いの全
員が右ならえの追従とい
うような風潮も、私は大
嫌いだった。
ここほんの数年で、日本では、
ナイフがアウトドアやキャン
プで広く認知されて使われ
始めるようになり、ナイフ
によるハードな使用方法も
やられるようになった。
ナイフがアウトドアやキャン
プで広く認知されて使われ
始めるようになり、ナイフ
によるハードな使用方法も
やられるようになった。
元々、トレッキングやファミ
リーキャンプ派ではない本格
派はナイフなどは昔から使い
倒していた。ナイフで缶切
りもやるし、薪も割るし、
丸太の打撃切断(チョップ)
さえやっていた。当たり前
のように。
リーキャンプ派ではない本格
派はナイフなどは昔から使い
倒していた。ナイフで缶切
りもやるし、薪も割るし、
丸太の打撃切断(チョップ)
さえやっていた。当たり前
のように。
沢登りでも滝を巻くヤブコキ
には長いマシエットを使って
いたりもした。山刀という刃
物だ。
には長いマシエットを使って
いたりもした。山刀という刃
物だ。
ここ最近のキャンプブームの
唯一良い点は、ナイフをハー
ドに使う事を知る人たちが増
えたので、頑丈で木を削りや
すいナイフの優位性を少しば
かり知り始めたことだ。
唯一良い点は、ナイフをハー
ドに使う事を知る人たちが増
えたので、頑丈で木を削りや
すいナイフの優位性を少しば
かり知り始めたことだ。
ホローグラインドはデスク
ナイフ、もしくは、製作者の
削り技法自慢のための物であ
り、刃物としては絶対に全方
位的に良くない。
ナイフ、もしくは、製作者の
削り技法自慢のための物であ
り、刃物としては絶対に全方
位的に良くない。
やり始めたのはラブレスであ
り、ラブレスがやることは全
て正しいのだとする後進者た
ちが全員真似をした。
り、ラブレスがやることは全
て正しいのだとする後進者た
ちが全員真似をした。
また、ラブレスタイプだから
と、ホローグラインドの中肉
えぐりのナイフは売れに売れ
た。
と、ホローグラインドの中肉
えぐりのナイフは売れに売れ
た。
そのあり方に異を唱える製作
者や販売店もあるにはあった
が、業界からは無視された。
フラットやハマグリでは売れ
ないからだった。
者や販売店もあるにはあった
が、業界からは無視された。
フラットやハマグリでは売れ
ないからだった。
今は、日本においては完全に
逆転した。
逆転した。
特にシースナイフではハマグ
リでなくば、という風潮にな
ってきている。
リでなくば、という風潮にな
ってきている。
また、独自路線を頑なに守っ
ていた北欧ナイフの人気が高
まってきて、セイバーグライ
ンドに新たに「スカンジグラ
インド」という分類呼称が登
場して使われ始めている。
ていた北欧ナイフの人気が高
まってきて、セイバーグライ
ンドに新たに「スカンジグラ
インド」という分類呼称が登
場して使われ始めている。
北欧ナイフはフラットフェイ
スだが、全体の形状は日本刀
に酷似している。
スだが、全体の形状は日本刀
に酷似している。
また、頑丈さと木片の削り易
さで人気うなぎ上りのコンベッ
クスグラインド=ハマグリ刃
は日本刀そのものの平地断面
形状だ。
さで人気うなぎ上りのコンベッ
クスグラインド=ハマグリ刃
は日本刀そのものの平地断面
形状だ。
実用性の高い北欧ナイフは、
そのスタンスを世界の流行に
流されず頑なに守って来た。
日本刀がかつてそうだったよ
うに。
そのスタンスを世界の流行に
流されず頑なに守って来た。
日本刀がかつてそうだったよ
うに。
そして、北欧ナイフは極めて
廉価である。
廉価である。
最近のブームで、目を着けた
日本の業者がエコノミックア
ニマルの触手を伸ばし始めて
いるが、ニッポンアキンドの
商業主義に絡め取られて北欧
ナイフが筋違いの高値に吊り
上げられないことを願う。
日本の業者がエコノミックア
ニマルの触手を伸ばし始めて
いるが、ニッポンアキンドの
商業主義に絡め取られて北欧
ナイフが筋違いの高値に吊り
上げられないことを願う。
ラーメンが庶民の食べ物だっ
たのに、儲かるからとどん
どん値上げされたように。
たのに、儲かるからとどん
どん値上げされたように。
1杯1000円近いラーメンやお
好み焼き等は本来あり得ない。
好み焼き等は本来あり得ない。
今、2ストバイクが足下を見
た業者によって異常に金額が
吊り上げられている。
た業者によって異常に金額が
吊り上げられている。
2スト250のKR-1などは、売り
出しが同個体であるのに、1年
前に50万円だった物が半年前
に70万にされ、昨日確認した
出しが同個体であるのに、1年
前に50万円だった物が半年前
に70万にされ、昨日確認した
ら同じ売れ残りが100万円に
されていた。
されていた。
全く同じ個体だ。
これは商業主義による相場操作
である。
である。
カワサキが250の4気筒を発表
して、再びクォータースポー
ツブームが再来する事を見越
しての先物買いのような金額
相場の意図的な吊り上げだ。
しかも暴利を以って。
して、再びクォータースポー
ツブームが再来する事を見越
しての先物買いのような金額
相場の意図的な吊り上げだ。
しかも暴利を以って。
儲けることは商行為なので悪く
はない。
はない。
いくらで売ろうが、買おうが
勝手だ。
勝手だ。
しかし、儲け第一主義は、業
界を結果として失速させる。
界を結果として失速させる。
これはどの業界にあってもだ。
ナイフもその例に漏れず、バ
ブルに踊り、そして谷底に落
ちた業者をよく見た。
ブルに踊り、そして谷底に落
ちた業者をよく見た。
横浜のある業者などは、バブル
期には一等地にギャラリーも
構え、札びらを切って夜の街
に連夜繰り出していた。
期には一等地にギャラリーも
構え、札びらを切って夜の街
に連夜繰り出していた。
ナイフはナイフであるという
だけで売れた時代があった。
だけで売れた時代があった。
そして、残念ながら、専門誌
もカタログ雑誌に成り果てた。
骨のある掘り下げ誌面はだん
だん無くなり、一冊まるごと
新作広告のような記事で飾ら
れるようになった。
やがて、光ある歴史を担った
そのナイフ専門誌は廃刊にな
った。
もカタログ雑誌に成り果てた。
骨のある掘り下げ誌面はだん
だん無くなり、一冊まるごと
新作広告のような記事で飾ら
れるようになった。
やがて、光ある歴史を担った
そのナイフ専門誌は廃刊にな
った。
日本経済がどうのではない。
目先の利益追求主義の業界に
追従したからだ。
目先の利益追求主義の業界に
追従したからだ。
ホローグラインドにはホロー
グラインドの利点もある。
グラインドの利点もある。
しかし、何でもかんでもホロ
ーにしさえすればよしとする
全世界(北欧のみ除く)の30年
間の風潮は、私は「人類史に
おけるナイフ混迷期」であっ
たと俯瞰している。
ーにしさえすればよしとする
全世界(北欧のみ除く)の30年
間の風潮は、私は「人類史に
おけるナイフ混迷期」であっ
たと俯瞰している。
そして、タクティカルナイフ
ブームも、「使えない仰々し
い見てくれナイフ」であるこ
とは間違いないので、あれも
人為的に作為で作られた「虚
飾のブーム」であると一刀両
断できる。
ブームも、「使えない仰々し
い見てくれナイフ」であるこ
とは間違いないので、あれも
人為的に作為で作られた「虚
飾のブーム」であると一刀両
断できる。
ごく最近での同種の危険性は、
人気ユーチューバーの本意と
実力を解せず、何でもかんで
もマイクロベベルを落とせば
良いとか盲信している思考停
止が広がりつつある事だ。
人気ユーチューバーの本意と
実力を解せず、何でもかんで
もマイクロベベルを落とせば
良いとか盲信している思考停
止が広がりつつある事だ。
こうした一面的な固定観念で
の決めつけは、人類史的には
発展も進化も得られない。
の決めつけは、人類史的には
発展も進化も得られない。
ナイフは使用状況や想定によっ
て刃先や断面を形成するのは
当たり前の事だ。
て刃先や断面を形成するのは
当たり前の事だ。
どれもが外科医が使うメスや
使い捨てのカッターのような
物であるべきとする一面的な
固定観念での決めつけは、刃
物の可能性を封殺することで
あり、そうした狭い観念を正
しいとする自己絶対唯一主
義の視座は、私は完全に全
否定する。
使い捨てのカッターのような
物であるべきとする一面的な
固定観念での決めつけは、刃
物の可能性を封殺することで
あり、そうした狭い観念を正
しいとする自己絶対唯一主
義の視座は、私は完全に全
否定する。
現今の軍幕張りによる野外宿
泊活動のブームが、単なる
レジャーキャンプやファミ
泊活動のブームが、単なる
レジャーキャンプやファミ
リーバーベキューの豪華版
になったりせずに、しっか
りと地に足を着けた自然親睦
になったりせずに、しっか
りと地に足を着けた自然親睦
活動、自然から大切な事を学
ぶ教育活動となることを願う。
ぶ教育活動となることを願う。
本来、キャンプというものは
教育活動の一環として世界中
で親しまれて来た。
教育活動の一環として世界中
で親しまれて来た。
森で学び取った事は、ゴミと
一緒に持ち帰るのだ。
一緒に持ち帰るのだ。
そして、日々の暮らしの中で、
人間社会を見つめ直して行く。
人間社会を見つめ直して行く。
野外活動で楽しむのは大いに
いい事だ。
いい事だ。
しかし、キャンプやブッシュ
クラフトは、単なる遊興行為
ではないのだという大切な事
を知ろう。
クラフトは、単なる遊興行為
ではないのだという大切な事
を知ろう。