公演される音楽会は,楽団は決まっていますし、
指揮者も決まっています。
その公演日に向かって音楽の監督ともいえる指揮者が
楽団員を集めてリハーサルをします。
クラシック音楽会は,演目の楽曲は有名で,
数々の名演を聞いていますから,
楽団員は楽曲のイメージはつかんでいます。
音楽の監督と似た立場の映画監督は少し違います。
「××映画を皆さんと制作する監督の▲▲ですよろしく…」
と挨拶されても,どんな映画が出来るのか判りません。
スタッフに組み込まれて,台本を渡されて熟読しても,
以前,その監督と一本でも仕事をしていても,
今回の仕事はまったく未知数です。
… … …
スタジオ,ロケーションなど、スケジュールに従って
仕事をこなしていくうち
映画が完成します。
途中,出来上がったシーンやカットをつないで,
ラッシュプリント(部分試写)を見て,
こうゆう映画かとだんだんわかってきます。
… … …
映画はスタジオのセットの撮影が主です。
美術部が建てたセットに小道具が飾り付けをして
照明が当てられます。
助監督は,ジーパンの尻ポケットに台本を挟んで,
自転車で俳優さんに連絡に行きます
「▲▲さん、出番です…」
衣装をつけた俳優さんが、助監督の連絡で現れます。
… … …
撮影所内はオープンセットやスタジオが建っています。
助監督(スタッフ)は連絡や,道具をとりに、
自転車をよく使います。
スケジュールに従って
初めてのセットで最初のワンカットです。
監督の
「用意…スタート」
カチンコの
「カチン…」
監督の
「カット…OK」
で無事,最初のワンカットが撮れました。
そこでスタッフは安堵の声をもらします。
これで、いよいよ映画の制作開始です。
… … …
最初スタッフに編入されると台本を渡されます。
台本、俳優さんの配役も決まり,
作品の上映日時も決まっても、
急に中止されることがあります。
これを
「お蔵入り(おくらいり)」
と言います。
セットでワンカットでも廻らないと
その作品が制作されるとは限らないのです。
「この写真(映画のことをカツドウ屋は写真と言います)
はお蔵入りになった」
などと、嘆きます。
… … …
また、映画が完成して,所内試写も済んで
いよいよ封切りというときに,
公開中止にななることがあります。
これも「お蔵入り」と言いました。
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