日本の映画界では観客動員で絶対確実な企画に,
『忠臣蔵』があります。
興行成績が振るわないときは,
カンフル剤として『忠臣蔵』が企画されました。
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欧米では宗教ものです。
第1回シネマスコープ映画に『聖衣』が企画されました。
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早撮りの巨匠、渡辺邦男監督のオールスター映画
『忠臣蔵』の話を書きます。
通常、一本映画を撮り終わるのに30日から
45日かかります。
それを渡辺監督は,わずか1週間で
撮り終えた作品がありました。
渡辺監督は仕事が早いだけでなく,
作った数々の映画がヒットするのです。
新東宝で,史上空前のヒット『明治天皇と日露大戦争』を作って,
経営危機の新東宝を救いました。
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大映京都撮影所でオールスターキャストの
『忠臣蔵』が企画されました。
出演者は,
大石内蔵助=長谷川一夫 、浅野内匠頭=市川雷蔵 、
岡野金右衛門=鶴田浩二、赤垣源蔵=勝新太郎 、
大石主税=川口浩
京マチ子 、若尾文子、山本富士子、淡島千景、
木暮実千代、三益愛子、中村玉緒
中村鴈治郎(先代)、吉良上野介=滝沢修
これだけの豪華な配役の映画は
早撮り監督でなくては消化できません。
製作が始まる前に,撮影所側のスタッフが
集められました。
製作部長から
「監督に全面的に協力するように…」
と厳命されました。
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スタジオのセット撮影開始時間は普通の1時間早い、
午前8時開始でした。
それ以前に,撮影所側のスタッフは
用意をして待っています。
渡辺監督側はチーフ助監督,監督専属のキャメラマン,
スクリプターが専属スタッフです。
渡辺監督の指示に、ツーカーでなくては能率が上がりません。
このチームを「渡辺プロ」とわれわれは呼んでいました。
このチームが定刻8時前に現れました。
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