今日のうた

思いつくままに書いています

010:賞(梅田啓子)

2013-03-30 08:45:03 | ⑧題詠blog2013
賞状を手渡しながらわれを見し春日真木子のまなざし忘れず

賞状を手渡しながらわれを見き春日真木子のまなざし忘れず



追記
2006年、現代歌人協会主催「第35回全国短歌大会」で
春日真木子さんから選者賞を頂いた時のことを詠んだものです。
春日さんは首をかしげながら、私の顔を見上げるようにして
手渡してくださいました。
2004年に短歌をはじめ、大きな賞を頂くのは初めてだったので
舞い上がってしまい、覚えているのはこのことだけです。
春日さんが母と同じ歳ということもあり、とても感慨深いものがありました。

私は2005年から2011年までこの短歌大会に出詠しています。
旧仮名遣いでしたが、2011年は新仮名遣いになっています。

2006年
春日真木子選 選者賞
山おほひ送電線をものぼりゆく葛とふ姓を子は嫁してもつ

三枝昂之選 佳作
ラーメンの汁飲み干して汗ぬぐふこの煮干し味三十年ぶり

2007年
加藤治郎選 佳作
病もつ前にタイムスリップをしたしと子のいふ七夕の夜(一部変更)

2008年
松平盟子選 佳作
クリップに散(ばら)ける紙を留むるごと職退きし夫は気を使ひをり
                     退=ひ、夫=つま

2009年
坂井修一選 佳作
白米がバターライスになつたやう付け睫毛ながき姪の笑顔は

花山多佳子選 佳作
「すしのこ」の匂ひがするとをみなごの髪を娘は拭きてまたかぐ

2010年
沖ななも選 佳作
プレミアムモルツのやうに君だけが光りつつ来るカートを押して

2011年
久我田鶴子選 選者賞
葉洩れ日のなかに咲きいる柿のはな乳歯のごとき光を返す

小高賢選 佳作第二席
割烹着のポケットにいつも入ってた母の拾いし輪ゴムが二、三

松平盟子選 佳作
新旧の石鹸ひったり貼られおり壮年の夫をわれは知らざる
                     夫=つま

(2021年1月31日 記)













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