蝌蚪(くわと)生(あ)れし水のよろこび水の面(も)に触れてかがやく風のよろこび
冬は黄のいろを愛せよ磯菊に潮(うしほ)のひかりくだけ輝ふ
きさらぎはひかりの林 みなゆきて光の創(きず)を負ひてかへれよ
冬ばれのあした陶器の触れ合へば神経の花ひらきけり
素足とふうつくしきもの奔るなり雨水(うすい)ときけば雪消(ゆきげ)ときけば
よろこびの予兆となれよたはむれに春の卵(たまご)をころがしてみつ
桔梗(きちかう)に水をくばりし人去りて藍緊まりゆく夕土のうへ
水引の紅(こう)みえがたくふれがたくそこより秋のまなことなれる
母と呼ばるる刹那なけれど対きあへる汝は歳月の逆光に立つ
誇り高く生き終へたしと思へるは父より継ぎしただひとつにて
追記1
2014年10月25日、雨宮雅子(あめみやまさこ)さんがお亡くなりになりました。
私が短歌を始めて2冊目に買った歌集は、
『雨宮雅子歌集 現代短歌文庫(砂子屋書房)』です。
初心者には難しく、たくさんの書き込みがあります。
難しいとすぐに止めてしまう私が、なんとか食らいつくように、
一日1~2頁を読みました。
とても深く、魂にひびいてくるようなお歌で、夢中になって読み進めて
いったのを思い出します。
秋いくたびここに至りてゆりの木の大黄落に声なく対(むか)ふ 雨宮雅子
この歌を読んでからというもの、どうしてもゆりの木の大黄落が見たくて、
柏の葉公園に行きました。
残念ながら前日の強風で、葉がほとんど落ちてしまっていました。
その時に詠んだ歌です。
ゆりの木の大黄落(だいこうらく)も鎮(しづ)もりて夕日に裸身さらしてゐたり
私がもっとも影響を受けた歌人でした。 最後のお歌が胸に迫ります。
心よりご冥福をお祈りいたします。 (2014年10月29日 記)
追記2
私のブログは、昨日のアクセス数が多かったページ10までが表示されます。
「題詠blog2014」の No.081のお題「網」の私の歌を見た時に、
雨宮さんのお歌が蘇りました。
捕虫網かざしはつなつ幼きがわが歳月のなかを走れり
雨宮さんのこのお歌を思い出しながら、次の歌を作ったのでした。
捕虫網ちさき体にふり回し駆けゆきし夏 憶えているか
子どもたちが小学生の時に、軽井沢で虫捕りをした時の歌です。
子どもたちはもう、憶えていないかもしれません。
また、雨宮さんは呼吸器がお弱かったようで、 呼吸器に疾患のある私は、
そのようなお歌にとても共感を覚えました。 (2014年11月4日 記)
追記3
雨宮さんの最後の歌集『水の花』が出版された時に、すぐには買いませんでした。
1年は経っていたでしょうか、Amazonでは売り切れで、予約を入れたにもかかわらず
結局、購入できませんでした。 その後も、市の図書館で探して頂いても、
県の図書館にはなく諦めていました。 先日、どうしても読みたくなって、
国会図書館から取り寄せてもらうことにしました。
市の図書館の中だけで読むことが許されます。 トイレに行くにも、その都度、
受付に返さなければなりません。 まだ歌集は届きませんが、この夏は図書館通いに
なりそうです。 県の図書館から、『雅花 森雅美写真集』もお借りすることになっています。
九首目に詠まれた方の写真と短歌のコラボでしょうか、こちらも楽しみです。 (2016年7月20日 記)
追記4
2016年8月6日の私のブログ 「雅花 森雅美写真集 Graceful Flower」に 短歌を引用させて頂きました。 ↓
http://blog.goo.ne.jp/keichan1192/e/7342d92da67dbc5a7e2503e5c601dda6
2016年8月22日の私のブログに、雨宮さんの最後の歌集「水の花」から2回に分けて 短歌を引用させて頂きました。 ↓
http://blog.goo.ne.jp/keichan1192/e/943acaf78c4beea97d2d9be23346230f (2016年10月9日 記)
冬は黄のいろを愛せよ磯菊に潮(うしほ)のひかりくだけ輝ふ
きさらぎはひかりの林 みなゆきて光の創(きず)を負ひてかへれよ
冬ばれのあした陶器の触れ合へば神経の花ひらきけり
素足とふうつくしきもの奔るなり雨水(うすい)ときけば雪消(ゆきげ)ときけば
よろこびの予兆となれよたはむれに春の卵(たまご)をころがしてみつ
桔梗(きちかう)に水をくばりし人去りて藍緊まりゆく夕土のうへ
水引の紅(こう)みえがたくふれがたくそこより秋のまなことなれる
母と呼ばるる刹那なけれど対きあへる汝は歳月の逆光に立つ
誇り高く生き終へたしと思へるは父より継ぎしただひとつにて
追記1
2014年10月25日、雨宮雅子(あめみやまさこ)さんがお亡くなりになりました。
私が短歌を始めて2冊目に買った歌集は、
『雨宮雅子歌集 現代短歌文庫(砂子屋書房)』です。
初心者には難しく、たくさんの書き込みがあります。
難しいとすぐに止めてしまう私が、なんとか食らいつくように、
一日1~2頁を読みました。
とても深く、魂にひびいてくるようなお歌で、夢中になって読み進めて
いったのを思い出します。
秋いくたびここに至りてゆりの木の大黄落に声なく対(むか)ふ 雨宮雅子
この歌を読んでからというもの、どうしてもゆりの木の大黄落が見たくて、
柏の葉公園に行きました。
残念ながら前日の強風で、葉がほとんど落ちてしまっていました。
その時に詠んだ歌です。
ゆりの木の大黄落(だいこうらく)も鎮(しづ)もりて夕日に裸身さらしてゐたり
私がもっとも影響を受けた歌人でした。 最後のお歌が胸に迫ります。
心よりご冥福をお祈りいたします。 (2014年10月29日 記)
追記2
私のブログは、昨日のアクセス数が多かったページ10までが表示されます。
「題詠blog2014」の No.081のお題「網」の私の歌を見た時に、
雨宮さんのお歌が蘇りました。
捕虫網かざしはつなつ幼きがわが歳月のなかを走れり
雨宮さんのこのお歌を思い出しながら、次の歌を作ったのでした。
捕虫網ちさき体にふり回し駆けゆきし夏 憶えているか
子どもたちが小学生の時に、軽井沢で虫捕りをした時の歌です。
子どもたちはもう、憶えていないかもしれません。
また、雨宮さんは呼吸器がお弱かったようで、 呼吸器に疾患のある私は、
そのようなお歌にとても共感を覚えました。 (2014年11月4日 記)
追記3
雨宮さんの最後の歌集『水の花』が出版された時に、すぐには買いませんでした。
1年は経っていたでしょうか、Amazonでは売り切れで、予約を入れたにもかかわらず
結局、購入できませんでした。 その後も、市の図書館で探して頂いても、
県の図書館にはなく諦めていました。 先日、どうしても読みたくなって、
国会図書館から取り寄せてもらうことにしました。
市の図書館の中だけで読むことが許されます。 トイレに行くにも、その都度、
受付に返さなければなりません。 まだ歌集は届きませんが、この夏は図書館通いに
なりそうです。 県の図書館から、『雅花 森雅美写真集』もお借りすることになっています。
九首目に詠まれた方の写真と短歌のコラボでしょうか、こちらも楽しみです。 (2016年7月20日 記)
追記4
2016年8月6日の私のブログ 「雅花 森雅美写真集 Graceful Flower」に 短歌を引用させて頂きました。 ↓
http://blog.goo.ne.jp/keichan1192/e/7342d92da67dbc5a7e2503e5c601dda6
2016年8月22日の私のブログに、雨宮さんの最後の歌集「水の花」から2回に分けて 短歌を引用させて頂きました。 ↓
http://blog.goo.ne.jp/keichan1192/e/943acaf78c4beea97d2d9be23346230f (2016年10月9日 記)