身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

地球を動かしているのは人間じゃありません

2022年06月27日 19時57分32秒 | その他

朝が来て夜が来るのも、春夏秋冬と季節が巡るのも、海水が蒸発して雲となり、雨となって降り注ぐのも、雨が地中に侵み込み、地中でその水が貯えられ、少しずつ湧き出して川となるのも、 その 川が大地や水田を潤しながら海へと流れていくのも、川や水辺に色々な種類のたくさんの昆虫類や甲殻類、魚類、両生類たちが生息し、色々な草木が繁っているのも、そうして海へと流れてきた川がミネラル分を運び、植物プランクトンや海藻に養分を与え、魚介類が豊かに育っていくのも、、、みな人間がしているのではありません。自然がやってくれているのです。

花が咲き、蝶や蜂が飛んできて蜜を吸い、花粉を運んで受粉させるのも、実った果実を野鳥が食べに来て、消化されなかった種子を糞とともに落とし、そこで芽生えて育っていくのも、冬になると落葉広葉樹は葉を落とし草は枯れますが、その落ち葉が地面の湿度を保ちドングリなどの木の実や草の種子を保護してくれるのも、 落ち葉を地表の小さな生き物たちが食べて分解し、その糞がまた草木の養分となるのも、その小さな生き物たちが餌となって小鳥たちやカエルなどを育てるのも、、、みな自然の、生態系の働きです。

関東では今日梅雨明けしたと発表がありました。これから猛暑の季節になります。

森林はただ単に木陰を作ってくれるだけではありません。光合成のため熱も吸収するとともに葉から水分を蒸散させて夏場の気温の上昇を低減してくれます。人間はエアコンをガンガン動かして室温を下げますが、電気を使い熱を外気に排出して、環境に負荷をかけます。それに対し森林は反対に自分の生きるためのエネルギーを作り出すだけでなく、他の生きものたちにも様々な恩恵を与えてくれます。この働きは面積当たりの葉の量が多いことから、森林によるところが大きいですが草地や藻類、植物プランクトンに至るまで同様の働きを持ちます。

私たち人間も こうした 自然の 働きに大きな恩恵を受けています。この自然の働きがなければ私たち人間も生きることはできません。当然ですよね。 もちろん人間が育てている部分もありますが 田んぼや畑でできる農作物は大地と太陽と雨とが育てている部分が大きいですし魚介類も先ほど書いた 自然の恵みや海流、潮の満ち引き によって生きていているのですから。

私たちがコントロールできるのは、部屋や施設の中だけです。いろいろな環境プラントを作り出してきて役立ってはいますが、地球全体を機械化して海流や気流、天候などをコントロールできっこありません。できないから環境問題をなくすことができずにいるのです。

人間は地球規模で環境を改編するほどに多大な力を持つようになりましたが、地球では小さな存在であることには変わりありません。自然環境を大切にし共存するのでなければ、人間の社会も立ち行かなくなります。

私たちも自然の一部で、自然がなくては生きてはいこないということを十分に意識しながら持続可能な社会への方向転換に貢献していきたいものですね。

 

 

 


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