横浜の水道の水源地が山梨県の道志村であるという話はよく聞きます。けれども調べたり現地に行ってみたりしてわかってきたのですが、実際にはそんなに単純なものではありません。
道志川の現流域が山梨県の道志村であることは確かですが、旧津久井町の青根地区から神奈川県に入ると約13㎞も流下して、現役で稼働している鮑子取水堰にたどり着くのです。
この神奈川県内に入ってからの取水堰に至るまでの道志川の13㎞の区間の周辺環境は、小さな山や谷が連なった山林となっていて、こうした山や谷から生じた沢も道志川に流入し、その水源の一部となっています。
つまり、道志川の源流域一帯の水源は道志村だけではなく、神奈川県内の沢も水源となっているわけです。
また、横浜市のホームページによると現在の横浜市の水道水の水源は
「道志川・相模湖・馬入川・企業団酒匂川・企業団相模川の5系統となっています。」
とのことです。
これは酒匂川を除くと全て相模川流域ということになります。相模川の源流は山中湖。山中湖は富士五湖の一つですから、富士山が源流ということになります。こうしたことから何がわかってくるかというと、横浜という都市もまた、山や谷や森といった大自然に支えられているということなのです。
道志川にしても、中流・下流域と比べて水質が清浄な源流・上流域の旧津久井町は、取水堰があることなども含め、旧津久井町が横浜の水道水にとって重要な土地であることがわかってきました。