私たち日本人はお米を主食としているため、昔は横浜にも田んぼが広がっていました。そしてそこには色々な水草が生え、色々な魚介類、そしてトンボ(トンボの幼虫は水の中に棲みヤゴ(矢子)と呼ばれます)などの水生昆虫類も棲んでいました。
それが、食料を輸入に頼るようになるとともに都市化が進んできたため、あちこちに当たり前にあった湧き水も小川も田んぼもなくなってしまいました。その中で菊名池や三ツ池などの池だけが残っていますが、外来魚やコイなどが多くヤゴが食べられてしまったり、成虫のトンボの棲む場所も減少したため、昔ほどトンボは見られなくなりました。
そんな現在、トンボなどの水生昆虫類はは野外プールにも産卵し、人の使っていないプールにはヤゴをはじめとした色々な水生生物が見られます。
毎年プールのシーズン前にプールの清掃が行われ、こうした生きものたちも一緒に清掃されてしまいます。それはあんまりだ!ということで、全国各地で様々な団体により行われるようになったのが「プールのヤゴ救出」です。
自然とふれあう場所が身近ににはなかなかなくなってしまった現在、プールという人工的な水辺ではありますが、色々な水の生きものたちとふれあっていただける良い機会だと考えています。家に持ち帰り飼育していただくことで、1匹の虫でも一生懸命生きているのだということ。そして羽化という生命の神秘的な様子をごらんいただきたいと思うのです。
雨でも行なうのは、今回行なわなかったら、また1年待たなければできないということ。また、私自身が生きものの写真を撮影して今後の資料づくりに役立てたいということがあります。
このようにして、自然や自然の生きものたちと親しんでいただいて、少しでもこうしたものを大事にしたいという気持ちを持っていただけたら嬉しいです。