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アンドレ・ダーハン | |
講談社 |
猫である僕は、夏の夜、月明かりの下で、うさぎのロージーのために、彼女への思いを音に変えて、バイオリンを奏でます。翌朝、ロージーが地面に落ちたそれらの音を拾い集めて、僕に渡してくれました。僕は、それを花の種のように地面に植えると、芽が出てきました。
私たちには、形がなくても、感じ取ることができるものがあります。相手への思いもそうですし、楽器の音色や、歌声もそうですね。
この絵本では、そうした形のない大事な思いを、形のあるものとして描いてくれます。そうした思いも、育むことができることを、思い起こしてくれます。そしてそれを大切な人に送ることができることも。
温かい気持ちが感じ取れた絵本でした。読み終わったあとは、しばらくは優しい気持ちになれました。