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透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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生物の多様性を壊す生き物は人間?絵本『干がたは海のゆりかご: 東京湾の海を守る(自然を守る)』

2012-07-12 00:30:04 | 絵本・児童文学
干がたは海のゆりかご: 東京湾の海を守る(自然を守る)
川嶋 康男
絵本塾出版


 干潟は、生物の宝庫である。バクテリアの排水の中の有機物分解から始まって、食物連鎖を見ることができる。また、干潟は自然の浄水場でもある。

 悪名高い、諫早湾のギロチン水門を覚えているだろうか。次々と下ろされていく水門に、干潟の悲鳴が伴っているようであった。長い時間をかけて育まれてきた干潟は、死の海となり、浄化されていた水も腐っていった。自然を守ることの重大さを知っている人々の運動が起こり、水門を開けよという裁判所の判決を勝ち取った。しかし、政権交代で誕生した政権党は、醜い人間の利害を優先した。未だに水門は開かず、ムツゴロウたちの復活は腐海には見ることができない。

 私たちの身近にも、開発の名のもとに破壊されそうな干潟が残っている。かつては干潟に覆われていた東京湾も、開発の後、さばぜ―三番瀬とその近くの浅瀬と干潟を残すのみである。

 この小さなエリアの食物連鎖、生物の多様性を描かれた生き物たちの生き生きとした姿を、名前と一緒に記憶に残すこと。そして、愚かな人間の試みを止めさせ、一度死んだら蘇るのに長い時間が必要であることを、干潟の大切さを通じて子どもたちに読み取って欲しい。開発を推進する人々は、人工の干潟を作ることで反対運動を鎮めようとしている。自然の営みのどれほどを再現できると思っているのだろうか。

 三番瀬の自然を守ろうとした人々の、運動の盛り上がりと結末もしっかりと書かれている。その記述もしっかりと読んで欲しい、未来のおとなたちn