手話の絵事典―気持ちをこめて伝えよう!基本表現がよくわかる | |
クリエーター情報なし | |
PHP研究所 |
最近の児童向け図書の図鑑などのビジュアル化の本の出版の傾向を受けて、視覚化にふさわしい小学生向きの手話に関する本が登場している。国連で採択された障害者権利条約の中で、手話も言語であることがうたわれている。外国の中には手話もその国の国語の一つとして認めている国もある。
現在、日本ろうあ連盟をはじめとした聴覚障害者団体と、彼らをサポートする団体が協力して、日本手話、要約筆記などのコミュニケーションの保障の法制化を求める運動がなされている。
子どもの頃から、日本手話に触れるためのきっかけになりうる本書には、ろう者、聴覚障害者をめぐる手話の歴史や環境も語られている。この本を入門書として、さらに手話の世界に進んで行こうとする気持ちを持った子どもが一人でも増えることが、この国の文化をさらに豊かにすることにもつながるだろう。
言語も時代とともに、新しい表現が生まれたり、使い方が変化する生きた存在である。新しい的確な手話を作ったら、この本の監修をおこなった社会福祉法人 全国手話研修センターに、DVDに録画して送ってみるといいかもしれない。同センターでは、時代の変化に合わせて、新しい手話を確定するところでもあるので、もしかしたらその表現が採用されるかもしれない。
最近は、地元のろう協による学校等への派遣事業が行われているところもある。実際に、ろう者の人などとコミュニケーションが体験できる機会が増えると、子どもたちも世界が広がると信じている。