トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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もうひとつ犬のお話を

2010-08-03 02:39:32 | 絵本・児童文学
あお
ポリー ダンバー
フレーベル館

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 バーティー少年には、あるこだわりがありました。それは、青い色が大好きだったことでした。着るものも、セーターも靴下もみんなあおでした。
 犬が飼いたかったのですが、当然、あおい犬がほしかったんですよね。でも、この世界には青い犬なんていませんよね。
 バーティーは、想像の世界で青い犬を飼うことにしました。青い首輪のついたリードを引っ張ったりしながら。枝を投げてみました。でも、見えない青い犬が、それをくわえて戻ってくるなんてことはありませんよね。
 そこで、バーティーは自分が青い犬になりきって遊びました。青い犬の気分で「アン!」て鳴いてみました。そしたら、どこかで「アン!」という犬の鳴き声。かわいい捨て犬がいました。でも、白と黒のぶちの犬でした。
 飼いたい気持ちも生まれましたが、青い色へのこだわりがあります。

 さあ、バーティーはどうしたのかな。

 その犬に名前をつけたんです。もう、わかったかな。犬の名前が。

さあ、今の境遇を抜け出そう/絵本『ラッキーボーイ』

2010-08-03 02:09:22 | 絵本・児童文学
ラッキーボーイ (児童図書館・絵本の部屋)
スーザン ボウズ
評論社

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 近所にいる犬は、ほとんど、散歩に連れていってもらうこともなく、もう、10年以上たつのであろうか。先代の犬は、家出したきり帰ってこない。姿を見ることもめったになく、一日中、鳴き声だけが聴こえる時もあった。リードが外れて、その家の庭に外に出ていたこともあったが、それ以上、出掛けようともしなかった。今も、姿よりは、声を聞くことの方が多い。彼の幸せってなんなのだろうか。犬に対するネグレクトということもあるのである。

 この絵本に登場する犬も、同じような境遇であった。その飼い主の家族は、周りを高い塀で囲まれた庭にその犬を置いていた。家の中にも入れることはなかった。身体が汚れて臭いからだって。夏目漱石の猫同様、名前もなかった。でも、猫と比べたら、何と自由のない生活を送っていたことだろう。

 暑い夏も、寒い冬も、飼い主の家族に帰り見られることもなく、狭い庭の中だけが、その犬の世界であった。

 ずっと一人ぼっちだった。でも、ある日、彼は塀の下の土を掘りだした。そして、隣の家の庭に脱出した。疲れて眠っている時、隣の家の老人に抱かれた家の中に入れてもらった。
 老人は、妻を亡くしてから、毎日が悲しみの中の生活を送っていた。絶望の続く生活だった。
 さて、犬に餌をあげなくては。でも、家の中には、ろくな食べ物がなかった。その時、自分が、毎日どんな生活を送っていたのか、痛いほど感じていた。老人は、犬と久しぶりに買い物に出かけた。

 犬は、ラッキーと名付けられた。ラッキーとの暮らしは、孤独な老人の心を温かいものに変えた。犬と散歩することでも、人とのかかわりが生まれた。新たな二人の生活の始まりだった。途中で、前の飼い主の家族に会ったこともある。でも、その家族は、まるで無関心だった。

 さあ、ラッキーボーイ。塀の下の土を掘ったことが、新しい飼い主との心の触れ合いを生みだしたんだ。これからは、一人ぼっちではない。幸せに暮らしておくれ。