トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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病院行けぬ生徒、格差拡大健康まで/気になるニュース

2009-09-29 21:40:30 | 格差社会・貧困化社会
 子どもの貧困について、少なくない情報が発信されているが、どれだけ社会や国民に伝わっているか、懸念している。小泉政権下での、新自由経済体制は破綻し、当時ないがしろにされたセーフティーネットの構築が、現在の「貧困化」をもたらしている。

 貧困化は子どもの世界にも及び、教育格差も生じている。新たな、階級制度の形成は、貧困の連鎖をもたらしかねない。

 今日29日の朝日新聞の朝刊の記事は、親の経済格差が「健康格差」となって児童生徒に広がっているというものであった。

 治療費がなくて学校の保健室で直そうとする子ども(北海道の県立高校で、体育の授業でひねった足首が腫れあがった生徒は、毎日、保健室で湿布をしてもらいに来る。湿布も買えない母子家庭だ。別の生徒は、一年前から市販の頭痛薬を服用。保健室に薬をもらいに来ることも良くあり、心配して検査を受けるように手紙を出したが母親からは返事無し。校医の治療勧告書でようやく病院に行くが、放っておけば脳梗塞を起こす状態であった)。
 学校の定期検診で再検査が必要になっても、生徒からまず出る言葉は、「検査代はいくら?」。埼玉県の県立高校で。養護教諭は保健室にビスケットや飴を自腹で常備している。前日から食事をとらない子どもがざらで、低体温や低血圧状態。

 7月に開かれた全日本教職員組合の養護教員の会合でも、子どもたちの窮状が愛ついて報告され、これまで埋もれていた親の経済状態と子どもの健康の関係について掘り起こそうと、各地の教員に報告を呼び掛けていると、記事に書かれていた。

 組合の養護教員部のニュースでも「登校中に交通事故にあった生徒が、ケガをしているのに「保険証がないから」と救急搬送を拒否し、担任と養護教諭が事故現場に駆け付け、相手側が負担すると説得して救急車に乗せた」埼玉県の高校の例などが報告されている。

 今回の記事に、他にも同養護部の報告例が載っているが、読んでいて悲しくなった。

生活保護ビジネス/NNNドキュメント’09を観て

2009-07-24 23:59:50 | 格差社会・貧困化社会
 7月20日放送の日本テレビ「NNNドキュメント’09 生活保護ビジネス 福祉施設の”闇”に迫る」を観た。

 小泉改革は、セイフティーネットの構築を放棄した。その結果、現在は、景気の後退とともに、格差社会・貧困化社会への進行がこの国をむしばみ始めた。労働者派遣法の改悪もそうした社会の到来の原因となった。小泉改革が進めたもの。今回の衆議院の解散で、労働者派遣法・障害者自立支援法の改正、肝炎患者支援法が不成立となった。その一方で、派遣会社は、自社に登録している派遣労働者に労働者派遣法改正に対する署名を強要しているといわれている。

 貧困ビジネスということも、世の中に知られるようになった。その中の典型的な「生活保護ビジネス」が番組で取り上げられた。

 無料低額宿泊所というものがある。社会福祉法によれば、社会福祉事業には、行政の許可が必要で、チェックが厳しい第1種の事業と、届け出だけで行える第2種の事業がある。無料低額宿泊施設を営むのは、第2種福祉事業にあたり、届け出だけでNPO法人でも、会社、個人でも運営できる仕組みになっている。届けられている無料低額宿泊施設は全国で415個所ある。生活保護ビジネスは、この施設を使って行われている。また、無届けのもぐりの施設も存在する。

 路上生活者などに声をかけ、低額宿泊施設に入所させる。生活保護費約12万円のうちから、施設利用料等の天引きで、本人に渡されるのは3万円程度である。この際、預金通帳も本人の知らないところで作られている。

 もちろん、ちゃんとした活動をしているNPO法人も存在する。就職までフォローしている。しかし、生活保護ビジネスは、ただ、入所者を狭い個室などに住まわすだけで、生活保護費のピンはねをしている。

 番組に出ていた千葉市の稲毛厚銀寮も同様な施設である。ここに2年半入所していた男性が、脱出して市民団体に助けを求めた。東京の御徒町駅周辺で声をかけられた。生活保護申請の時には、そのことは黙っているように言われた。3階建の建物の2畳半の個室に生活するが、他の入所者との交流も禁止され、外出するにも門限が設定されている。同じ敷地には、ほかの2施設が存在する。番組で、厚銀寮に話を聴きに行ったときに対応したのは、他の施設の人間であった。

 無届けの団体も紹介していた。200人余りを千葉県内のアパートに分散させて住まわせている。ここでは、本人には、2万3千円ほどしか渡さず、銘柄のない質の悪いコメを支給するだけで、利用者は自炊をするが生活は苦しい。年間1億2千万円の収入は見込めるビジネスである。

 生活保護の支給日には、役所の前に受給者から生活保護費を手渡しされるこうした生活保護ビジネスを営む人間の姿が見られる。

 自治体の中には、こうした施設の実態を知りつつ、自分たちでシェルターを作ることを怠っているために、その存在を黙認しているところもある。

 生活保護費は、年間2兆7千万円が費やされている。この金額の中から、どれほどの額が生活保護ビジネスに流れているのであろうか。

 厚銀寮は、番組の取材のせいもあったのか、千葉市の調査がはいったが、自治体の指導には限度があり、厚銀寮はこれからも存続していく。

ワンコインでメンタル相談、8月から開始/気になるニュース

2009-07-22 23:52:58 | 格差社会・貧困化社会
ワンコインでメンタル相談、8月から開始(医療介護CBニュース) - goo ニュース

 ケアプロ(本社=東京都中野区)という会社がある。先日、朝日新聞に取り上げられた記事を読んで、その存在を知った。
 派遣村の時に社会に広く知られるようになったワーキングプアの存在。彼らは、社会保険にも入っていない者が少なくなく、当然、国民健康保険に入るための費用もない。病院にかかるのにも、保険が適用されないために、10割負担となり、当然、具合が悪くても病院から足が遠ざかる。
 こうした貧困化による健康悪化の予防のためにも、ワンコイン500円で、血糖値・中性脂肪などの検査を一つ選んでやってもらえる施設ができた。ケアプロの中野区のワンコイン健診ショップである。昨年11月からの8か月間で4000人を超える人が利用したとのこと。看護師が始めたそうだ。当然安価で検査をするため、医師がいない。血液採取も医師の指導のもとに認められた行為のために、血液は、訪れた依頼者が自ら指から採取する。こうした行為は、医師からみれば認めたくない行為であると報道されていた。しかし、病院に行けない者のためにケアプロでは積極的に事業展開を図っている。もし、血液検査で異常が出ても、医療機関を紹介することができない。そのために、備え付けのPCを使って、依頼者自らが医療機関を検索するサービスを行っている。
 
 今回、ケアプロでは、ワンコインでメンタル相談を始めたという。当然、相談行為であるので、精神科医の協力が得られたということである。

 不眠、イライラ感・憂鬱感などの悩みのある人に対して500円で「ワンコインメンタル相談」が受けられる。8月8日から月に1回、500円(20分)で実施する。大学病院の勤務医が、受診先の医療機関などについての情報提供する。当然、診断、処方などは行わうことはしない。利用は予約制で、定員は毎月15人としている。

 本来は、政府がセーフティネットで引き受けなくてはならないことなのである。
22日付朝日新聞のオピニオンの宮台真司・雨宮処凛・中島岳志氏ら3名による座談会の内容は、大いに参考になった。


最低賃金、生活保護下回る 「逆転現象」宮城、青森など/気になるニュース

2009-07-16 01:45:45 | 格差社会・貧困化社会
最低賃金、生活保護下回る 「逆転現象」宮城、青森など(河北新報) - goo ニュース

最低賃金引き上げ、難航の恐れ=経済情勢悪化で-厚労省審議会(時事通信) - goo ニュース

 かくて、貧困化がまた進むのか。生活保護の申請を受け付けなかったり、生活保護の水準を落とすような、低い方に基準を合わせるような政策が推し進められないに、注意が必要である。

低所得者の情報格差/気になるニュース

2009-07-10 18:36:52 | 格差社会・貧困化社会
低所得者のネット利用率低下…情報通信白書(読売新聞) - goo ニュース

 現在は、情報が氾濫する一方、情報の真偽、本当に必要とされる情報からの遠いことが問題とされている。また、情報から取り残された人々が、不利益をこうむる社会に向かっているのかもしれない。

 情報保障ということが、すべての人に保障される世の中が求められる。しかし、格差社会の到来は、低所得者や高齢者を中心に、情報保障がされない人の増加という現象を見せている。

 付記:聴覚障害者の情報保障の進展が別の観点から求められている。障害者を含めて、低所得者・高齢者が情報難民にならないような、方策が求められている。
 通信料の低額化も早急に図られなければならないであろう。

ポスドク採用で480万円支給 文科省、企業の募集開始/気になるニュース

2009-06-30 20:38:17 | 格差社会・貧困化社会
ポスドク採用で480万円支給 文科省、企業の募集開始(朝日新聞) - goo ニュース

 ポスドク問題に、ついに文部科学省が動くか。しかし、ポスドクは06年度で1万6千人の大台。大学や研究機関の任期付き博士研究者(ポストドクター)を採用した企業に、1人あたり480万円支給するという。担当の科学技術振興機構が29日、対象企業の募集を開始。就職促進のための緊急措置である。

 支給には、研究職で最低1年間の雇用が応募条件となっているが、支給人数は全体で100人程度だけである。あまりにも、数が少ない。

 将来の技術立国を確立するためには、焼け石に水、でも、やらないよりはましか。

 学術会議での提言のように、高校等の学校現場への採用ということも考えるべきである。

 企業は、あくまでも、儲けの出る研究を目指す。今ある基礎研究の先細りの危機に対応するためにも、自由な研究が保障されるような文化国家であるべきなのだが、今は、とても期待できない。

 外国への頭脳流出が起こっても仕方あるまい。

 ニュースによれば、35歳以上が約3割を占め、社会保険の未加入者も全体の4割に上るという。さらに、企業で働くのは博士全体の2割以下で、米国の半分に満たないとニュースは続く。
 
 あくまでも、今回の措置は緊急のものなら、この後のポスドク対策の具体化を期待する。というより、この国を愛するなら、何とかすべきである。

給料50万円減、ボーナスゼロ…住宅ローン「6月危機」/進む貧困化・気になるニュース

2009-06-19 10:50:49 | 格差社会・貧困化社会
給料50万円減、ボーナスゼロ…住宅ローン「6月危機」(朝日新聞) - goo ニュース

マイホーム競売急増 旧公庫、前年度比35%、1万6000件超す(産経新聞) - goo ニュース

 かつて、バブルがはじけた時に、地元でも住宅ローンが払えなくて、競売物件になっている家が多かった。町工場を含めるとかなりの数になったのではないか。
 新聞の裁判所による競売の告知広告の欄には、近所の住所もたくさん見られた。

 そして、貧困化が進んでいる日本で、アメリカでサブプライム問題をきっかけに拡大していった住宅の競売という現象が、6月以降に起こるかも知れないと懸念されている。給料の減額、ボーナスの不支給といった事が引き金になると予想されている。

 安易に、消費者金融や闇金融に借りるようなことはあってはならない。そのための方策を行政側も考えておかないと大変なことになるだろう。

 アメリカでおこっている中間層の転落が、わが国でも起こるかもしれない。

派遣村とは何であったのか『派遣村 国を動かした6日間』

2009-06-18 21:39:02 | 格差社会・貧困化社会
派遣村 国を動かした6日間
年越し派遣村実行委員会
毎日新聞社

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 暮れから正月にかけて、「年越し派遣村」の存在を多くの国民が、テレビで連日のように目にしたのだろう。この国が格差社会を超えて貧困化社会が到来したことを写し出した。

 貧困化を招く大きなきっかけとなった派遣法の改正が、近々国会を通過しようといている時、能天気なマスコミは、この改正が派遣労働者の待遇の改善に少しも役に立つどころか、多くの問題点をはらむものであることに気がつくことなく、好意的な報道をしていた。この点を社会に知らしむべく集まった、弁護士や派遣労働者への取り組みに熱心だった労働組合のメンバーが集まった時に、官庁が休みになる暮れから正月にかけて、多くの派遣切り、雇い止めにより路頭に迷う派遣労働者等が多く出ることに対する対策を講じなければならないとの思いから派遣村の構想がスタートする。時間も迫っての、走りながら考えるというスタートであった。
 労働組合には、今まで、こうした取り組みがなかったことから、「もやい」の湯浅さんの力を借りることになる。こうして、労働運動と市民運動が「反貧困」ということで、歴史的ともいえる連帯により「年越し派遣村」が国民の目にその姿を現すことになる。労働組合も、はじめて、ナショナルセンターを超えての連帯が行われた。

 本書は、派遣村の関わった当事者たちの声を集めたもので、その意味を探る上で重要な証言を聴くことができる。

 現場を見ない、心ない人達から、相も変わらず的外れの非難が続いた。国民主権から一番遠く、国家主権に一番近い産経新聞の論調や、ネット上でも、ネット右翼といわれる人達の「批判」を目にすることが少なくなかった。たとえば、派遣村に派遣切りの人達の他に、ホームレスの人達が村民として含まれたいたことを非難する人が多かった。しかし、開村式では、村長の湯浅氏がすでに、「年末年始、ここで命をつなぐ活動を行います。派遣切りで職を失った人も以前からホームレス状態だった人も立場は同じ。その人達が誰一人排除されることなく、協力して年を越せるように受けれることを確認したい」と発言している。

 プロ市民、既得権益論、外国人排除などの空虚な言葉をいう輩がいる。正規雇用労働者対非正規雇用労働者、公務員対民間企業社員などの利害関係を描いて見せているつもりである。外国人労働者も、対立の構造にもっていこうと試みる。今、日本にある危機の存在に対する無知、人間の痛みを共感できない鈍感な人々。想像力も欠如してシニカルさを装っている。
 現場を実際に取材していた記者達も、産経新聞の記者も含めて、自己責任論をはじめとした最初に持っていた認識が変わっていった。

 心ない人の批判もあったが、日本人も捨てたものでないということを見せてくれた年越し派遣村。

 入村者505人・日比谷から4施設へ移動347人・4施設の1月12日朝の時点310人・生活保護申請者280人・登録ボランティア数1692人(1月4日現在)・相談件数354件・性別 男性96&、女性2.8% ・カンパ収入4300万円。支援物資も全国から多く届けられた。

 本書には、生活保護の問題、労働運動の課題、企業責任など多くの論ずべき点が運動を通しての当事者から投げかけられている。とても、短い文章で紹介できるものではない。社会保障にもまたがる問題に興味のある方は是非読んでいただきたい。派遣村の開村から閉村まで、決してスムーズに事が運んで行ったわけではないことも認識してほしい。
 今も、派遣村が全国的に展開されている。運動しながら、課題を解決すべく模索が続いている。外国人労働者も含めて、今、目の前に苦しむ人がいるのを見て……。

新聞読み/なぜ大学はタダでなければならないか

2009-06-10 18:07:08 | 格差社会・貧困化社会
 NHKの番組が激しい右翼のバッシングにあっている。問題となった番組では、日本が1等国を目指して台湾を植民地化した経過が描かれている。
 では、今の日本は、文化的に1等国といえるのであろうか。答えは否である。オーバードクターの問題は、今回は据え置いて、大学、あるいは高等学校の授業料の無償化について、わが国の教育行政の貧困が、今、問題となっている。

 大学教育における学費の状況を見てみると、チェコ・デンマーク・フィンランド・アイルランド・アイスランド・ノルウェー・ポーランド・スウェーデンといった国は学費が無償である。アメリカの州立大学でも、年間57万円、フランスでは2万円と日本における学費の高さが際立っている。今や、大学教育の場面でも格差問題が生じていて、学費等の教育費の面から進学を断念せざるを得ない若者が増加している。世帯の所得により、私大を中心に進学格差が広がっている。国立大学も決して学費が安いというわけではない。進学をあきらめて、専門学校へ進学する若者もいる。また、高校を含めて、学費が払えずに中退に追い込まれる生徒も少なくない。

 1966年に、国連総会で採択された国際人権規約には、社会的基本権を規定しているA規約第13条で、高校と大学の学費を段階的に無償化することを定めている。
 何故か、日本は、この中等・高等教育の学費無償化条項を留保したうえで、国際人権規約の採択に加わっている。そして、いまや、留保国は日本とマダガスカルのみとなっている。ここに、日本の教育行政の貧困が見て取れる。

 文化を大切にしない国の末路はどんなことになるのだろう。国営の漫画喫茶のことが冗談抜きで語られるこの国は、国立大学・国立博物館・美術館・研究所の独立行政法人化の流れを見ても、何と不幸な国なのだろうか。将来の技術立国の夢は、夢のまた夢であるのか。

 本日付の朝日新聞の文化欄での、フランス文学者の白石嘉治氏の「なぜ大学はタダでなければならないのか」が、大いに考えなくてはならない問題を提起している。

 「今や、日本の大学進学率は選挙の投票率に迫ろうとしている。しかし、日本における学費負担は、授業料がおおむね無料のヨーロッパ、返還義務のない給付奨学金が充実しているアメリカと比べようがない。日本学生支援機構の「奨学金」は、その名称とは違い、実質的な教育ローンに過ぎない。そして、同機構は、返納滞納者を信用情報機関に通報する決定をした。この「ブラックリスト化」は、高い授業料を課して学生を借金漬けにしながら、金融機関のためになる制度でしかあり得ない。」

 白石氏は、フランスで今年の2月から全土に及んだ大学のストライキの意義についても論じられている。

 氏の「大学であつかう認識や感情の表現が売買できない性質のものであろう。……
大学の無償性の国際的な合意を根本で支えているのは、そうした認識や感情にかかわる営為を金銭の論理によってコントロールすることへの違和感にほかならない」という発言をかみしめる必要があるだろう。日本と比べて、はるかに経済規模の小さな国でも、教育の無償化を目指していることに、もっと注意を払う必要があるだろう。

北九州でまたも孤独死が/気になるニュース

2009-06-06 20:40:42 | 格差社会・貧困化社会

(共同通信)
生活保護を受けずに孤独死した男性が住んでいたアパート=5日午後、北九州市門司区

生活保護受けず男性孤独死 「健康と判断」と北九州市(共同通信) - goo ニュース

39歳男性、自室で孤独死 空の冷蔵庫・所持金9円(朝日新聞) - goo ニュース

北九州 また孤独死 39歳男性 生活保護受給を相談(西日本新聞) - goo ニュース

 またもや、北九州市で男性が貧困の内に孤独死した。2005年から07年にかけて、北九州市では生活保護を断れるなどした市民が抗議の自殺や孤独死をするケースが続いた。生活保護申請自体を受け付けない水際作戦、一度は申請を受けても本人から辞退した形にする硫黄島作戦などがとられていた。要は、生活保護受給者の数値目標を達成するための見殺し作戦であった。いつも不思議に思うのだが、こうした非人道的対応をした公務員は責任をとったのだろうか。人を死に追い込んだのだから、それなりの責任はとる必要があると思えるのだが、彼らは今も公務員を努めているのだろうか。
 市では、窓口対応を見なおしたと言っているが、本当にそうなのであるか。困った果ての窓口での対応は慎重を期さなくてはなるまい。申請に対しては、未だ、後ろめたさを感じたり、躊躇の姿勢ととってしまう人がいるのは、想定内のことである。
同市の守口昌彦・保護課長のお言葉によれば、「申請の意思はしっかり確認をしている」ということで、対応に誤りはなかったとの認識を示しているのである。

 4月初旬頃、男性は布団の中で死亡したとみられる。室内には親族宛ての封書が残されており、「助けて」と書かれたメモが入っていたという。

 北九州市に根付く病根とは何なのであろうか。

障害者世帯車所持で生活保護停止「違法」 北九州市に慰謝料命令

2009-05-30 20:40:15 | 格差社会・貧困化社会
車所持で生活保護停止「違法」 北九州市に慰謝料命令(朝日新聞) - goo ニュース

「車は命綱」 所有理由に生活保護停止は「違法」判決で(朝日新聞) - goo ニュース

北九州・生活保護停止違法 餓死も覚悟「感無量」 勝訴原告 「市は聞く耳を」(西日本新聞) - goo ニュース

 北九州市といえば、過去にも生活保護受給拒否で死者を出すなど何かと問題のある自治体である。
 生活保護を受給するについては、障害者や母子家庭などで車がないと生活が送れない人が、車を処分しなければ生活保護を受けられないケースが問題になっていた。車を所有していても、厚労省の要件を満たしていれば本来は生活保護を支給される。しかし、現実には要件を満たしているにも関わらず、不支給の自治体が全国的に多いという。今回の判決は、今後の生活保護行政に大きな影響を与えるだろう。峰川義勝さんの「(車は)生きていくための命綱だった」という言葉を行政側は真摯に受け止めてもらいたい。

受診抑制を防ぐために

2009-05-20 16:28:52 | 格差社会・貧困化社会
自己負担割合引き下げ、資格証明書の停止を―日医総研(医療介護CBニュース) - goo ニュース

日本医師会総合政策研究機構(日医総研)から出された「国民皆保険制度の崩壊を止めるために-患者一部(窓口)負担割合引き下げ等の検討-」という報告者は、傾聴すべき内容を多く含んでいる。

 報告書では、公的医療保険における被保険者や患者の経済状態が悪化しており、受診抑制が起きているのではないかと懸念している。また、国民健康保険では昨年6月時点で、医療機関にかかったときに窓口でいったん全額を負担しなければならない資格証明書の交付を受けている世帯が33万9000世帯に上っていることなどを挙げている。国民健康保険料を払えない場合に、保険証を取り上げられ、資格証明書しか持っていない人が増えているのである。受診抑制は、結局は、早期治療を断念することで、病気を重症化させ、結局の国民の健康を守れす、早期治療をすることによる医療費負担の減少を妨げることになる。

 今回の新型インフルエンザ拡大における資格証明書しか持たない人に対する対応も早急にされるべきものであった。厚労省は、18日に、かかる人にも、「発熱外来」を受診した場合には、窓口負担を3割で対応するように、都道府県などに通知した。
しかし、「発熱外来」を設けていない医療機関を受診した場合は、依然として窓口でいったんは全額負担しなければならない。なお、大阪府堺市では、新型インフルエンザ拡大への対応策として、資格証明書世帯に6月末まで有効な短期保険証を発効することを決めた。小泉政権下の、福祉・医療面での国民切り捨ての経済優先の政策の影響が格差社会を招き、今、新型インフルエンザ拡大の動きにも負の遺産を露呈している。早急なセーフティネットの構築が具体的にされなくてはなるまい。今また、憲法25条の精神が生かされる政治が求められている。

障害者雇用、解雇の急増/気になるニュース

2009-05-16 20:57:59 | 格差社会・貧困化社会
障害者の解雇、昨年度8割増 就職数は7年ぶり減(朝日新聞) - goo ニュース

障害者の解雇、82%増の2774人…昨秋以降に急増(読売新聞) - goo ニュース

 先日も小泉元首相がニュースに登場していました。彼のしたことは、格差社会の到来を招いた「弱肉強食」の世界を作り出す新自由主義経済、それもアメリカへの追随でした。富める者はより富み、中間層は疲弊し、貧困化が進んで行きました。セーフティーネットの構築はされることは会いませんでした。格差はいいようなことを言っていましたっけ。竹中氏も同様。現在、この二人からは、何の反省の弁も聞くことができず、ニュースでは、小泉さんは、なお一層の構造改革の推進を相も変わらず訴えていましたとさ。障害者自立支援法にしろ、後期高齢者医療制度にしろ、福祉予算の減額の継続も小泉氏による所のものです。もっと痛みを国民は受けなくてはとの発言だったようです。富める者は、痛みなしですか。

 社会的「弱者」ほど、小泉氏も導いたこの経済状況の悪化の影響をもろに被ってしまいます。去年から、障害者雇用における解雇数の増加が問題になっていました。

 厚生労働省が15日に発表した障害者の職業紹介状況で、はっきりした数字が出されました。
 解雇者に関しては、前年度と比べて82%増の2774人になりました。また、就職に関しては、ハローワーク経由での就職件数は4万4463件で、03年度以来7年ぶりに前年度を下回りました。なお、障害者雇用促進法では、障害者を解雇した場合には、事業主がハローワークに届け出ることを義務づけています。
 
 細かい内容を見ると、解雇されたの人は、上半期が787人(前年同期741人)に対して、下半期1987人(同782人)に急増しています。昨秋以降、徐々に拡大、月別では08年11月の234人から09年3月は541人と2.5倍の増加になっています。業種別では製造業が約7割を占めています。都道府県別では、東京都が205人で最多、大阪府(173人)、愛知県(128人)と続いています。

 障害者の新規求職は11万9765件で、前年度より11%の増加でしたが、就職できた件数が減少に転じたことで、就職率は前年度より5.1ポイント低下して37.1%となりました。

 産業別では、就職した人の39%がサービス業で、製造業は前年度より4ポイント低下して20%にとどまっています。厚労省は「製造業を中心に採用意欲の低下が否めない」としています。

 では、解雇された障害者、求職しても職に就けない障害者はどうしたら良いのか。そこからが本当の政治の働きです。行政府や立法府のために国民が存在するのではなく、国民のためにそれらの組織が存在するのです。アメリカ独立宣言の抵抗権のことをいつも思ってしまいます。国民の権利を守れないような政府は、国民自ら覆して新しい政府をつくる権利があるという思想のことを。

読書/誰もが自信と誇りをもって働ける世の中に!

2009-05-06 21:10:23 | 格差社会・貧困化社会
自分らしく働きたい―だれもが自信と誇りをもって (ドキュメント・ユニバーサルデザイン)
清水 直子
大日本図書

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 小泉政権のもたらした日本の貧困化。本書で、湯浅誠さんが触れらているように、日本という国の社会が地盤沈下している。「すべり台社会」と呼んでいる。「落ち訳す、上りにくい」「すべりだしたら止まらない社会」の出現。セーフティネットの構築をすることなく、ただ、弱肉強食の世の中を目指した小泉氏からは、反省の弁も聞かれない。竹中氏に至っては居直りに終始している。福祉の党をスローガンにした与党の欺瞞性も忘れてはいけないだろう。また、あの時期に、熱狂的に小泉氏を支持したマスコミや有権者の責任も、後世に語り伝えなくてはならないだろう。
 湯浅さんによれば、貧困と貧乏は違うという。お金がないことが貧乏を意味するが、貧困は、お金がないことに加えてセーフティネットの穴から落ちてしまった状態をいう。家族などの頼ることのできる人間関係の喪失、精神面での自身の喪失など、人間を取り巻く「ため(溜め)」が全体として奪われている状態を貧困という。
 たとえば、今度、父親の政治家の身分を世襲しようとしている小泉氏の息子は、生まれた時から今に至るまで、親の財産、人間関係、教育の機会の保障といった「ため」を十分過ぎるほど持っている。親の選挙地盤や人脈も「ため」といえる。それに対して、ネットカフェ難民の人などは、「ため」を喪失した人である。だから、再起の機会を得るのも困難な状態にある。「ため」のない家族は、貧困が連鎖する。今、子どもの貧困も問題となっている。

 本書では、この国の非情さに立ち向かうべく、自信と誇りを持ってチャレンジする人々を紹介している。日本の三大寄せ場のうち、横浜市の寿町、東京山谷を背景に生まれた、「寿クリーンセンター」「あうん(アジア・ワーカーズ・ネットワーク)」の労働者協同組合を組織しての活動の紹介から始まっている。元日雇い労働者や野宿者が集まって、リサイクルによる事業を中心に展開している。

 障害者の就職をサポートするジョブコーチ。以前は、障害者に職業訓練を行ってから就職という方策がとられていたが、これでは、多くの時間を費やすだけで、本当の意味での就職活動に結び付かなかった。そこで、採用されたのだ、ジョブコーチ制度。ジョブコーチとは、国の制度に沿った「職場適応援助者」のことで、国家資格ではない。一定の要件を満たす法人とその法人の職員が、独立行政法人「高齢・障害者雇用支援機構」が実施している研究を受け、その後、ジョブコーチとして活動すると、その法人に一日当たり1万4200円が支給される制度である。なお、この助成金には、交通費や消耗品代などすべての費用を含むものである。まだまだ、十分な助成の金額とは言えない。ジョブコーチは、職場と障害者を仲介する大事な仕事だが、詳しい内容については、本書を読んでほしい。
 一つだけ気になっていることを付け加えておく。企業に障害者の雇用を求める障害者雇用促進法では、精神障害者が対象となっていない。しかし、それぞれの会社の雇用率に算定することができるようになった。ただし、発達障害の人は、多くが障害者手帳も持っておらず、そのために、積極的に採用しようとする企業が少なくないことだ。

 本書では、先に触れた湯浅さんの派遣村のことや、農村と都会を結び付けることで、村の再生を図ろうと色々な取り組みを行っている群馬県神流町(かんなまち)の「NPO・ネイチャーランド」が紹介されている。神流町は、限界集落である。限界集落というのは、近いうちに集落として機能しなくなるとされる地域のことである。

 本の内容を紹介するのは難しい。内容のほんの少ししか紹介できないからである。何といっても、本書に直に当たってもらいたい。やられっぱなしでなく、自分たちの力で、少しでも前進しようと頑張っている人々がいるのだ。

役所の貧困化

2009-04-27 13:53:19 | 格差社会・貧困化社会
年収80万円、職場転々…官製ワーキングプアの訴え切実(朝日新聞) - goo ニュース



 公務員だからといった、全員が安定した生活を保障されているわけではない。
公務・公共サービスに携わる非正規労働者の存在を忘れてはならない。彼らは、役所でのワーキングプアとして、不安定な雇用条件のもと、厳しい生活を送っている。反貧困対策に動かなくてはいけない、自治体で、実は官製ワーキングプアを作り出しているのである。こうした動きも、やはり、民間の非正規労働者の増加に伴う格差社会をもたらした小泉政権の負の遺産といえるだろう。民間業者に公共サービスの管理委託を任せる指定管理者制度をはじめとした、何でも「民営化」の動きは、経営効率を追求する企業論理により、労働者の雇用・労働条件の低下、コスト重視による公共サービスの低下をもたらしている。小泉政権の下では、国民の中には、郵政民営化すれば、単純にこの国が豊かになると信仰していた者も少なくなかったし、他の好機協部門の民営化も同じように考えていたようだ。

 26日に、組合の垣根を乗り越えて、自治体で働く非正規労働者の「なくそう!官製ワーキングプア 反貧困集会」が東京・総評会館で開かれた。主催は、自治労・自治労連加盟組合役員や弁護士らが参加する実行委員会で、参加者は430名であった。

 民間への管理委託に関しては、東京都足立区の図書館の管理運営を受託したのは、畑違いにバスの修理会社で、その会社に雇用された図書館長が解雇通知を出されたことの本人からの報告もあった。貸出冊数を増加させるなど、読書習慣の拡大に努めていたが、残業もいとわずに働いていたのが、会社によりコスト高と評価されたためである。このように、民間への管理委託は、コスト重視、自分たちの利益重視の為に住民サービスの低下を招かきかねない。学童保育の児童館の委託なども、子どもに対するスタッフの対応に問題が起こっているという話を聞いたこともある。

 どうも、民営化すればすべてがうまく運ぶという神話が、未だに根強く社会の一部にはびこっている。この単純思考が、自治体の首長や議員にまで及んでいる。その結果、経費削減に安易に、公務に非正規労働者を雇用する動きと相まって、官製ワーキングプアの増加・及び住民サービスの低下をもたらしている。

 今後は、住民・正規労働者・非正規労働者が共に協力して、官製の貧困化と住民サービスの低下、福祉の切り捨てに対応していかなくてはならない。

 こうした現実を見据えずに、安易に「既得権益論」を振りかざす者がネット上には少なくない。