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安易に清水の舞台から飛び降りるが、意外に用心深い。極めて自己中心的だが、意識がない部分で情が深かったりもする。

くちこが邂逅した病理医の話 2

2019年06月04日 08時19分48秒 | 日記・エッセイ・コラム

さて、続編です。

 

くちこも目出度く看護師になり就職。

※国家試験中、早々に解答用紙を提出して、勝手に一人でタクシーで帰った奴ですが・・・

 引率していた担任は探しまわしたとか?

 

当時の労働環境って、もうさ、論外

くちこの就職先は定員50人位の病棟でしたが、地域唯一の総合病院だったので、

個室はずらりと癌末期患者。

未だ救急病棟って無かったので、夜間の救急患者も受け入れなければいけない。

多岐にわたる看護業務に加え、配食配膳まで夜勤看護師がするのですが、

17:00~24:30までの準夜勤ね、看護師一人でやるの

※20:00まで、応援が一人いたけどね。

 

で、

新米くちこ天使、否、怪しい看護師がバタバタと一人で踏ん張っていると、

先ず、

当直婦長から電話

「そんなに忙しいの?

 どうしてもできないんだったら、私が行きましょうか?」

 

くちこ的には意味不明。

 

よおく訊いてみると、

くちこが、どうしてもできない事とは、

遺体を下に降ろすこと。

 

く「遺体はありません」

婦長「なんで?」

く「どこにも無いからです」

 

さらによおく訊いてみると・・・

未だ生きている患者が、死んだことになっていて、

あろうことか、解剖が申し込まれている

 

く「生きているのは事実です。」

唐突に電話は切られたのでした。

それから当直婦長がどうしたのか?

くちこは知る術も無かったのでした。

 

カルテを確認したら・・・

※昔なので手書き紙カルテです。

既に、死亡記事が書かれていました

あーなって、

こーなって、

何時何分に死亡。

の、時間の所だけスペースを空けて、

死亡記事として、ちゃんと赤字で記載済み。

 

どうも、夕方、書いて帰ったらしい、主治医が。

その内死ぬだろう、と。

しかも、手回しよく?解剖まで申し込んでいたとは・・・

 

呆然とカルテを見ていたら、

エレベーターの扉が開いて、

開くと同時に、怒鳴り声が

「一体、何をしているんだ

いつもはとても温和で、医師としての腕も確かな内科部長でした。

 

深夜、他県から呼び出された解剖医がずっと解剖室で遺体を待っていたが、

当直に確認しても埒が明かず、

とうとう、帰ってしまったんだぞ、と

 

そう、

その解剖医が、くちこをあれこれ助けた、あの解剖医だったのでした。

そりゃ、腹立つよね

 

くちこは、内科部長に、カルテを見せました。

「・・・・・」

一言も発することなく、帰っていきました。

内科部長は、人間的にも医師的にも尊敬できる人だっただけに、

その胸の内は如何に。

この死亡記事を書いた医師ね、中堅医師なのよねえ。

 

さて翌日。

くちこは婦長に呼び出され、

始末書を書くように、と。

※どうも看護部長の指示らしい・・・

 

死んだことにされていたことも知らなかったし、

よもや、解剖まで申し込まれていることも知らなかったのに、です

そんなアクシデントに翻弄されつつも、健気に一人で病棟を支えたのに、です。

 

世の中は理不尽であること。

時に突き付けられるよね

 

くちこはね、

ただ、事実を淡々と事務的に書きました。

くちこ的には、

「じゃあ、おまえも書け!」と、あの医師に言いたかったわ。

新卒ナースの分際ですけど。

 

あの医師はね、

少なくとも公的には、全く問題にもされず、

叱られもしない、

反省の態度も見せない。

 

なんで?

聞くところによると、

博士号を持っているからだ、と。

内科部長は人品、医師としての力量的には院長にもなれるレベルだけど、

哀しいかな?博士号を持っていないから、叱る資格?が無いのだと。

※院長にもなれない。

 

くちこはね、

テレビなんかより、よっぽど早く、白い巨塔の世界を知っていたわ。

 

それからしばらくして、あの医師のお子さんの作文を偶然読んだのでした。

「僕の夢は、お父さんのような立派な医者になることです」

良いお父さんなんだ。。。

 

あら、

解剖医の話2なのに、

ついつい話がそれたわ。

続きは解剖医の話3にします。

 

そう、未だその後も、縁があったんです。

やはり、人の縁って仏縁なんだろうな。

なあんて、漫画読んでて、やっと思い出したくせにね。

 

閑話休題。

昨日は本来、友達と三人で温泉に行く予定でしたが、

くちこの急激な糖尿病のせいで中止。

くちこ家でランチしました。

スタートは30年前のママ友。

こんなに続くのは、やはり、仏縁かな、と。

 

ブロ友さんから届いたスイカと、くちこが作ったにんにくオイル。

にんにくも貰ったものです。

そんなこんなに囲まれて、丁寧に暮らす楽しさを味わいたいと思っています。

 

    

 

去年、生徒さんから枝を貰って挿し木で成功した紫陽花。

        

 

サメ氏が、ブログに載せて欲しいと言う空の写真。

 

       

 

低血糖が出なくなって四日目。

落ち着いてきたかな

 

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30 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
くちこさんのお人柄。 (お福)
2019-06-04 14:58:20
くちこさんてさあ、ほんとに魅力的な方ですね。
↓から拝見させていただいてきました。
内容やら、読んでいてすごく楽しいんです…失礼しました。いやほんとに。素晴らしい文章力もあると思うのですが、くちこさんの言動が何というか・・・小気味いいというか。

ニンニクオイル、私もいっぱい作りました。
スイカ、おいしうそう!今年はまだ食べていません。
アジサイ、挿し木でこんなにきれいに咲かせてしまったんですね。
サメ氏様の写真、きれいなお空。澄んだ青は秋の空みたい!
返信する
Unknown (masamikeitas)
2019-06-04 16:02:08
くちこさん、こんにちわ。

医者の世界はまるでわかりません。
人間的に優れていても医師の世界では評価されないようですね。
一般の会社でも同じようなことがあります。

裁判官、検事、弁護士、警察、新聞記者。
みんな正義感ぶっていますが、おもてがあればうらもある。
綺麗事ではすまないですね。
でも医者・看護師の世界は、人格が素晴らしい人が評価されるようになって欲しいです。
返信する
くちこさん (ぐり)
2019-06-04 20:45:07
ブログにコメントありがとうございました
蕗は山蕗です
皮は向きません細めの若い蕗で作るといいと思います
佃煮風に水を入れないでお酒を多めに入れました

雲が変わった雲ですね
ブログに乗せてほしいとおっしゃるのはわかる気がします

口子さんの看護婦さん姿は颯爽としていらっしゃったのでしょうね
返信する
お福さん、 (くちかずこ)
2019-06-04 21:20:28
当時のくちこは、これが当然って思って生きていましたよ。
今振り返ると、その高慢さには呆れますが・・・
まあ。今でも、路線自体は変わっていないかも。
両親がしたことと言えば、くちこを自由にさせたことだけなのですが、不思議な人間に育ってしまいました。

にんにく醤油は、サメ氏が作っていますが、オイルの方が断然よく使いますね。
炒飯や、野菜炒めにも。

サメ氏は、ちゃっかり、くちこのブログに相乗り気分のようです。
返信する
masamikeitasさん、 (くちかずこ)
2019-06-04 21:22:10
はい、
確かに、どんな世界でも裏がありますよね。
歳と共に、それを知らない方が幸せと思うようになりました。
知らずに、気づかずに、のほほんと暮らすのが、一番幸せだと思います。
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ぐりさん、 (くちかずこ)
2019-06-04 21:24:39
なるほど、やはりそうなのですね。
了解いたしました。
家で作ると味も調整できて良いですよね。

くちこの看護師姿ねえ・・・
どうだったのかしら。
中年時代の産婦人科では、この威圧感が幸いして?
頼れる存在に感じて貰えることもあったようです。
出産する人にとっては、この自信満々感が良かったのかも。
実力はともかくとして。
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Unknown (hal-niwa)
2019-06-05 05:55:54
若い天使のくちかずこさん、手際よく先に患者を殺しておいてから帰宅するお医者さんもいたって、凄い世界で経験を積んで来たんですね。その経験が積み重なって婦長時代も、今のスーパー患者時代もあるんですね。次なる解剖医はどんな人かしら。
低血糖症状が安定してきてよかったですね。
サメ氏のニンニクオイルもすいかも回復の力に変えて。きれいな雲も目の保養。
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どこの世界にも・・・ (メーメー)
2019-06-05 10:10:28
人間 十人十色 色々居て当たり前でしょうけど。。。
でもそれが許されない世界もあると思うんです。
特に医療の経過なんて・・・でも白い巨塔ではないですが 医療の世界だって 人間世界。
若い先生の中には 経験が浅いことにプラスして 世の中の経験も浅いし、学校の中だけで生きてきた?
子供達の学校の先生にも感じる時があります。教える立場の人じゃないなぁ〜と。
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のおんびりするはずじゃ (山口ももり)
2019-06-05 15:31:59
のおんびりするはずじゃなかったの???病気のことは、いえ、医学のことはまるで分らないし、理解力がないのですけど、忙しそうやねえ。こちらはのおんびり。
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こんにちわ (よしこさん)
2019-06-05 16:19:56
読んでいて なんか小説読んでいる様な~

病気の事 理解されているから
余計に あれこれ・・・でしょうね

今は 患者さん
のんびり なさって下さいませ
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