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安易に清水の舞台から飛び降りるが、意外に用心深い。極めて自己中心的だが、意識がない部分で情が深かったりもする。

竹中俊先生のこと

2017年10月21日 14時54分19秒 | ピアノ

たまたまテレビで、

「ルース・スレンチェンスカ 92歳の旋律」を視聴しました。

最近、真面目にピアノの音を聴くこと、ホント無くて・・・

テレビからですが、素晴らしい演奏でした。

もう92歳なんだからと割り引く必要の無い、厚みのある素晴らしい音色が広がる。

 

歳をとると、容姿とは、持って生まれた容姿ではなく、

自分の生き様を写す鏡となり、それは誤魔化しようが無い。

ルースさんは、その両方が素晴らしいわ。

そして、その来し方は音色にも繋がっている。

持って生まれた物を曇らすも、磨くも自分次第なんだなあ・・・

 

それより、

その姿が、姿勢が、音楽に対する心が、

とても、くちこのピアノの恩師に似ていて、

懐かしくて、やがて哀しき・・・くちこです。

 

中一から中三まで、たった二年半の師事でしたが、

この先生に出会わなければ、

くちこにとってピアノとは、親に与えられた楽器に過ぎず、

人生の一時期に関わった習い事の一つに過ぎなかったと思う。

 

竹中俊先生。

何の下調べもせず、偶然師事しただけで、

両親にしてみれば、娘が見つけてきた先生って感じで、

子供だったくちこは、よく覚えていないのだけれど、

既に当時70歳代で、国立音大の一期生だったような?

毎年、先生が開くコンサートは、国立系のピアニストが多かったから。

先生の私費でピアニストになった方も何人かいらっしゃったような?

その方々ももちろん、コンサートに出演。

ひょっとしたら、ネット検索でヒットするかなと思ったけれど、

ノーヒット。

くちこの記憶が既に妙なのかも。。。

 

先生のお宅は、丘高い海を見下ろす古い和館と洋館が混在する素敵な家とお庭で、

玄関を開けると、お父様?お祖父様?の胸像がお出迎え。

出窓のある洋室に、素晴らしい音色のグランドピアノがあって。

生徒達が、出窓に沿った椅子に並んでいる。

長年師事している生徒達と、音大受験対策で短期決戦で来ている生徒達。

 

くちこは、例によって、

ひょんなことから混ざり込んだ異端児。

最初にレッスンを受けた時に、

先生は、あまりの基礎の悪さに唖然とし、

三ヶ月で基礎が直せなかったら、入門は許可しない、と

その間、ドレミ以外は弾かせて貰えなかった。

家でこっそり好きな曲を弾いても、行くとばれる

 

まあ、

運良く、基礎は治ったらしく?

入門できたものの、

それはそれ、くちこですから・・・

気が向くほどしか練習しない。

練習したくない本は意図的に持って行かない。

レッスンが長いと先生が席を外した隙に脱走する

先生から、一曲でも多く、一分でも長く習いたい生徒さん達を尻目に。

 

なんかね、

そんな欲の塊のような生徒さん達に辟易している様子でした。

なるべく、受験対策のレッスンを切り上げたい先生の気持ちが、くちこに見えていました。

受験の為の音楽。

それは、楽しくないから。

 

くちこが先生のピアノで、ナルシスト的にうっとりと

楽しんで演奏している時、

先生は、くちこと全く同じツボで心から楽しんで聴いてくれている。

演奏しながら、その心が通じあう事。

それだけが楽しかったくちこでした。

が、如何せん、くちこには欲が無い。

と言うか、努力ができない。

でもね、

他の生徒さんのレッスンを聴いていて、

先生が求めている音色だとか音楽とか、

くちこは、イメージできていました。

ソウルメイトだった?

 

留学が長かった先生なので、

レッスンノートも英語混じり、

レッスンも、気分が高揚すると英語?になる。

貴重な、いろんな楽譜の原版もズラリと・・・

いつか、シューベルトの「菩提樹」の楽譜を貸して貰って、

くちこは自宅で上手く弾けないと、楽譜を床に叩き付けていたのですが、

後で聞いたら原版でした、値段の付けようが無い・・・

「大好きな曲だから、私のお葬式には貴女が弾いてね」

くちこは、その約束、守れなかったです。

 

くちこは、中三で引っ越してしまったのでね、

で、次の先生に馴染めずに、高一の春にはピアノを止めました。

くちこ、ですから。

 

ま、

あれこれあって、看護学校に進学。

看護師になって育休中に、

ひょんなことからピアノを教えることに。

音大にも行っていないし、

上手くも無いのに。

 

それでも、20年も教えたのは、

ピアノを楽しむ心を

先生に習った心を、

教えなくっちゃって思ったんだなあ。

 

2009/11/21の記事

http://blog.goo.ne.jp/kazukomtng/e/d95ba106641aee7e0a024f294f230086

 

※因みに、ピアノのカテゴリー作ってみました、しょーもないもんですが(^^;)

 

そんなことを思い出した、

「ルース・スレンチェンスカ 92歳の旋律」でした。

 

閑話休題。

雨で延び延びになったいる稲刈りが、またまた今日も中止になって帰宅したサメ氏。

しょんぼりしているサメ氏に為に、ミルクチャイを淹れてあげたくちこです

結局、稲刈りは丸投げで人様に頼んで船旅出発となりました。

 

         

 

インドから個人輸入したマサラチャイと自家製生姜シロップですよ。

 

          

 

そう言えばね、

くちこのピアノの先生も、よく途中でお抹茶を点ててくれていました。

先生お手製のお菓子は・・・ブラマンジェとか洋菓子だったような?

くちこのレッスンって、長引くことが多くて、(二時間とか)

先生はご高齢で、ご病気もあり、ティータイムが必要だったのでしょうね。

食堂のテーブルで先生とお抹茶を飲んでいたくちこって・・・

 

そんなくちこが、ピアノを弾かなくなったんだなあ。

懐かしくて、やがて哀しき

コメント (36)
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