サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

政見放送の早送り手話通訳

2012年12月11日 | 手話・聴覚障害

政見放送に付いている手話通訳を見ていたら、早送りされていると思われる箇所があった。
決められた時間内に情報を盛り込まなくてはならず、音声言語よりも長くなった一固まりを早送りにしたようだ。
公約として発言しているものは省略するわけにもいかず、音声言語よりわずかばかり長くなってしまったのだろう。
(同時手話通訳では音声に遅れないように省略して翻訳する場合もあるだろうが、政見放送では、情報の省略は絶対許されないだろう。つまり撮影方法は同時手話通訳ではないということですね)
その箇所は、ろう者から見て違和感を感じなかっただろうか。
例えば音声言語であれば、同一人物のしゃべりがノーマルスピードであったり早送りであったりすると、聴者としては違和感を感じてしまうだろう。
もちろん意味としては伝わるだろうけど。
そういう意味では、まあいいのかもしれないけど。
本来であれば、手話通訳の方にその尺(時間)に収まるようにもう一度やってもらうという方法がよかったのだろうが、撮影者側も手話通訳側もそういったことに慣れていなかったのだろう。
撮影者側は手話がわからなかっただろうし、手話通訳者の方にとっても「1秒短く表現してください」といった注文はそれまでにはあまりなかったとも思われるし。

政見放送とは別の話だが、政治家の手話通訳が、ろう者にとってわかりにくいという話をよく聞く。
しかし聴者にだってわかりにくいのだ。
玉虫色の発言に対して、「この人迷っていて決められない」と表現すればわかりやすいだろうが、そうはいかないだろうし。
本来は同時手話通訳の後に、政治的な専門的な知識を有する手話通訳者が、手話でポイントを解説するというふうにでもなればわかりやすいんだろうけど。

政見放送はそれに比べれば、明解なこと(調子のいいこと?)をしゃべるので手話に翻訳しやすいかもしれない。

誤解のないように一言書いておきますが、その政見放送を行なった党を批判しているわけではありませんので。