サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

火ノ玉JAPAN BC3 有田、一戸ペア パリパラリンピック出場権獲得!

2024年03月27日 | ボッチャ
ボッチャ火ノ玉JAPAN BC3有田正行、一戸彩音ペアは、ポルトガルで開催中の「Coimbra 2024 World Boccia Paralympic Qualification Tournament」準決勝でギリシャに8-0で勝利、パリパラリンピック出場の条件である3位以上が確定し、バリパラリンピック出場権を獲得した。

有田、一戸ペアは、予選でイタリアに6-7、ポーランドに 2-3と連敗したが、その後、コロンビアに7-2、スウェーデンに5-0と連勝、プールB2位となり準決勝に進出。
準決勝ではランキング上位のギリシャにミスが見られたのに対し、日本は正確なショットを連続、スーパーショットも飛びだし8-0で完勝した。

有田選手、一戸選手、ランプオペレーターの有田千穂さん、一戸賢司さん、おめでとうございます!


ボッチャ パリパラリンピック出場権をかけた大会開幕

2024年03月24日 | ボッチャ

ボッチャのBC3、BC4クラス、パリパラリンピック出場権をかけた最後のチャンス「Coimbra 2024 World Boccia Paralympic Qualification Tournament 」がポルトガルのコインブラで開幕。
日本からは、BC3ペア有田正行、⼀⼾彩⾳、BC4 ぺア江崎駿、唐司あみが参加。
本当は私も行きたかったのですが、散々考えて断念しました。

BC3クラスのレギュレーション、試合日程等を整理しておきます。
大会には10か国が参加し、2つのプールに分かれ上位2チームが準決勝に進出、3位以上が出場権を獲得。

プールA
ギリシャ(6)、ポルトガル(11)、ペルー(14)、シンガポール(15)、イギリス(17)
プールB
ポーランド(8)、コロンビア(10)、日本(12)、スウェーデン(16)、イタリア(19)
*( )内はペアのランキング。個人ランキングは有田が13、一戸が11。


試合日程は以下、いずれもペア戦です。時間は日本時間。
24日(日)  第1戦 深夜26時45分~(翌2時45分) 日本ーイタリア コート2

25日(月) 第2戦 21時45分  ポーランドー日本 コート3
      第3戦   深夜26時45分(翌2時45分) コロンビアー日本 コート3

26日(火)第4戦 21時45分 日本ースウェーデン 

     2位以上の場合、準決勝進出
     準決勝 深夜26時45分(翌2時45分) 

27日(水)3位決定戦 21時30分  コート1
     決勝  深夜26時10分(翌2時10分)コート1

配信はあるようですが、全試合あるのか、どこかのコートだけがあるのかよくわかりません。
3位決定戦、決勝は間違いなくあると思います。
https://www.youtube.com/channel/UCT2JNO-JgFrR9UZeq9dvQ2w

是非、3位以上となり、パリパラリンピック出場権を獲得してほしい!

(追記)
別のクラスですが、コート1の試合が中継されています。
コート1のみの中継でしょうか。そうすると少なくとも3戦までは中継無しか?


デフリンピック滞在最終日 男子フットサル代表銀メダル獲得

2024年03月13日 | デフリンピック

トルコ・エルズルム冬季デフリンピック滞在最終日は男子フットサル決勝の日。
男子の優勝を見届けてから帰国する旅程を組んでおり、通い慣れた会場へ向かう。
3位決定戦はブラジルがスペインを破り、銅メダルを獲得した。

その後、日本対イラン戦の決勝。競技を終えた他競技の選手たち、選手団のスタッフ、そして女子フットサルの選手たち、いつものご家族が続々と集まってくる

日本の先発はピヴォに野寺風吹、アラは鎌塚剛史と東海林直広、フィクソに坂本大起、ゴレイロは斎藤基貴。設楽武秀、折橋正紀はベンチから応援するしかなかった。

先制は日本。2分、坂本が右サイドを素早く持ち上がり、イランのフィクソ10番が対応するよりも早く右足を振り抜いたシュートがニアの上隅に突き刺さる。
日本は幸先よくスタートした。

だがこのまま終わるイランではない。
「ごつい、高い、速い」3タイプのピヴォを使い分けて、日本に揺さぶりをかけてくる。フィクソのポジションに入る坂本や東海林は様々なタイプのピヴォへの対応を余儀なくされる。ごつい11番は強靭なフィジカルで反転してからのシュートも速い。高い8番は長い手足で懐の深いキープをする。速い6番は動き回ってスペースを作り出す。

しかし日本は斎藤がシュートストップし、簡単にはゴールを許さない。
日本も8分には左サイドでパスを受けた宗澤麟太郎が上手く入れ替わりシュートを放つが、イランのゴレイロの素早い飛び出しに防がれる。
13分、イランゴレイロからのスローが日本のゴールネットを揺らすが、1タッチはなくゴールは認められず胸を撫でおろす。
15分、左サイドで本多将起が土屋祐輝とのワンツーで抜け出し飛び出してきたゴレイロもかわすが、惜しくもゴールラインを割り得点には結びつかない。

その後のイランのシュートは斎藤が弾き出し、両チームが負けじと攻め合う展開が続くが、17分、懐の深いピヴォ8番への対応に苦慮、イランにPKを与えてしまう。
そしてPKをイランの小柄な5番に決められ、日本は同点に追いつかれた。

第1ピリオド終了間際、勝ち越したい日本は、東海林のポストプレーから右サイド鎌塚、左サイド坂本と1タッチでボールが動き、ゴール前に走り込んだ東海林が合わせるが、惜しくも枠を外れ、1-1の同点で第2ピリオドをむかえる。


第2ピリオド2分、日本は再び大きなチャンスを作り出す。
左サイド野寺から右の坂本へ展開、坂本の切り返しての左足シュートはゴレイロに防がれるも、こぼれ球に反応した野寺がシュート。しかし惜しくもクロスバーを叩く。
その直後 横パスをイランに奪われ5番がそのままドリブルで前進、ゴールを決められイランに逆転を許してしまう。

なんとか追いつきたい日本だったが、14分、イラン左サイドでパスを受けた5番が1トラップしてシュート、3点目を奪われ1-3とリードを広がられる。 
その後、日本はパワープレーに出て、まずは1点を取りにいくが、なかなかイランの頑強なブロックを崩せない。イランもマイボールになると、ゴレイロが上がりパワープレーに出て時間を使う。

もどかしい時間が過ぎ、ついにはタイムアウト。
イランに1-3で敗れ、世界一、金メダル獲得はならなかった。

昨年のW杯で史上最高位の3位となり、今大会は2位の銀メダル。
次こそは世界一、金メダルを獲得してほしい。

尚、決勝を裁いたレフェリーはデフの2人。日本を応援する立場からすると「えー」と声を上げることもあったが、冷静に考えると的確なレフェリングだった。

ということでトルコ・エルズルム滞在も終了。
現在イスタンブール空港でトランジット中、これから帰国します。
にわか勉強した国際手話も少し使う機会があり、やっておいて本当に良かった。


設楽選手に銀メダルを首にかけてもらいました。ありがとう!


女子フットサル最終戦PK戦勝利 デフリンピック滞在8日目

2024年03月12日 | デフリンピック

トルコ・エルズルム冬季デフリンピック滞在8日目は、女子フットサル5位決定戦のポーランド戦。

最後は勝って大会を締めくくってほしいと願いつつ会場へと向かう。

 《手作りの応援グッズ 裏面には選手個々の写真が入っている》

順位決定戦は中継も無く、どこか閑散とした雰囲気が漂う。
だがもちろんコート上では熱い闘いが繰り広げられた。
ポーランドはキックオフからいきなりパワープレーに出る奇策。選手も目まぐるしく交代し日本を揺さぶる。
そして3分、ポーランドが前線でボールを奪うと8番がゴールを決め、日本は先制されてしまう。

その後もポーランドの時間帯が続くが、日本は追加点を許さない。
中井香那が一度は切り返しで抜かれるが再び追いすがりブロック。ポーランドのピヴォ13番の反転シュートは國島佳純が弾き出す。
そして日本もようやくチャンスを作り出す。
右サイドからの宮田夏実のミドルシュートをゴレイロが弾いたところに宮城美来が詰めるが惜しくもゴールにはならない。
ポーランドは、マイボールになるとパワープレーでボールを回し時計を進める。
13分、日本はポーランド6番に2人で詰めるがゴール前にボールを出され13番に決められ、2点のリードを許してしまう。

第2ピリオドに入ってもポーランドはパワープレーを織り交ぜながら攻め込んでくる。
開始早々にクロスバーに助けられヒヤリとする場面もあったが、日本はポーランドの戦略にも徐々に対応、セットプレーからのシュート等、ポーランドゴールに迫る場面も増えてくる。
そして4分、宮田の左CKから酒井藍莉が直接蹴り込み日本は1点を返す。

その後も中井のポストプレーから酒井のシュート等の好機が続き、9分にはポーランドのハンドで日本がPKを獲得、阿部菜摘がきっちり蹴り込んで日本は同点に追いつく。
第2ピリオド終了間際には阿部から左サイド酒井、中央の桐生玲奈へと流れるようにパスがつながるが惜しくもゴールならず、逆にカウンターを受けるも凌いで、試合は延長戦に入った。

延長前半3分、第2PKを得るが阿部のキックはポストを叩く。
後半にはパワープレー返しの惜しい場面もあったが、決着がつかず勝負はPK戦へともつれ込む。

まずはポーランドの1人目を國島が止める。日本は、阿部、中島梨栄、酒井、岩渕亜依と4人が成功。
そしてポーランド5人目を國島が止めて渾身のガッツポーズ! 
日本はPK戦を制して5位となった。



國島は満身創痍で日本のゴールに立ちはだかった。その姿を頼もしく見ていたのは、今大会では控えに回ることが多かった芹澤育代。國島が、自分を越える後継者として育ってきたことで、心置きなく代表から離れることができるだろう。
芹澤や川畑菜奈、中島梨栄、中井香那はデフフットサルの源流であるデフサッカー女子日本代表の第一世代。
個々の去就に関して、きちんとは聞いていないが、まずは「本当にお疲れさまでした」と心から言いたい。
彼女たちは2009年台北デフリンピックで世界の壁をいやというほど思い知らされた。号泣する者もいた。
そんな彼女たちは昨年W杯で世界一に上り詰めた。その場にいなかった後悔から今回トルコへ渡航、世界と渡り合う姿を眼に焼き付けることができて本当によかった。

そして2013年ブリガリアデフリンピックでなす術もなかった岩渕亜依、酒井藍莉、宮田夏実は今やチームの中心中の中心。
今後は東京デフリンピックへ向けてサッカーに軸足を置いていくのだろうか。
その少し後に入ってきた阿部菜摘、桐生玲奈も今やチームの大黒柱だ。
宮城実来、山崎優子は今後どんどん成長曲線を描いていくことだろう。

山本典城監督の去就はわからないが、本気で世界一を狙うチームを作り、そして実際世界一を勝ち取った功績は素晴らしいものだった。

今大会、もっと良い成績を残せればよかったが、そう簡単にいかないのが勝負の難しさ。
スペイン、ブラジル、日本が同一グループに入るという不運(あるいは不可解?)なこともあった。5位決定戦の後は、イギリスvsドイツの3位決定戦。4-3でドイツが勝利し銅メダルを獲得した。
この両チームには、日本は勝つだろうなと(勝手に)思いながら観ていた。

決勝はブラジルvsスペイン。
スペインフットサル代表にも選ばれている選手がいるスペインが、実力的にはやはり上で、4-2と勝利したスペインが金メダル、ブラジルが銀メダルとなった。
試合はブラジルサポーター(男子選手等)が抗議し、一時は中断する荒れた試合に。
表彰式の場面でも抗議の拳を上げていた。
確かな情報を得ていないので抗議の内容はここには書かないが、問題点を残したことは間違いない。
ちなみに現時点で決勝の映像は削除され、観ることができなくなっているようだ。


《抗議の拳を上げる、あるいは金メダルのスペイン代表選手(手前)に対して背を向けるブラジル選手たち》

(追記)どの立場の誰かは分かりませんが、人種差別的な表現があり、そのことに対する抗議行動だったようです。

 


男子フットサル決勝進出! デフリンピック滞在7日目

2024年03月11日 | デフリンピック

トルコ・エルズルム冬季デフリンピックは滞在7日目は、男子フットサル準決勝スペイン戦。
そのスペイン戦の前に行われるもう一つの準決勝イランvsブラジル戦も観たくて試合会場へ。
近い方の会場での試合だがバスで行くと時間が読めないので、タクシーにて向かった。
会場はエルズルムテクニカルユニバーシティの施設、つまりエルズルム技術大学。ちなみに筑波技術大学は聴覚障害・視覚障害者が通う大学だ。

昨年11月開催のデフフットサルW杯優勝国イランが、序盤からブラジルを相手に試合を優位に進める。
イラン選手、特にピヴォの選手は体がごつい。6分、そのピヴォ11番がゴレイロからのスローを受けて反転してからの強烈なシュートが、ゴールネットを突き刺しイランが先制。
10分、ブラジルのゴレイロがドリブルで持ち上がるが、ボールを奪われてゴールに蹴り込まれイランに2点目が入る。
さらに17分に3点目をあげたイランがブラジルを寄せ付けず、そのまま3-0で勝利し決勝に進んだ。
イランは強靭はフィジカルのピヴォ達、こちらも強靭な体幹でほぼ出ずっぱりのフィクソ10番を中心に、運動量のあるアラが走り回り、ゴレイロは反応もよくパワープレーとなると自らが上がる。



そして日本とスペインの試合が始まった。
観客席には日本選手団関係者、他の競技の選手たち、そして選手のご家族(1家族です)、そして私。女子選手たち試合の開始時間が遅いということもあって明日に向けてホテルで備えているはずだ。
日本の先発はピヴォに野寺風吹、アラは右に鎌塚剛史、左に東海林直広、フィクソ坂本大起、ゴレイロに折橋正紀。設楽武秀はこの試合出場を回避したようだ。

スペインはやはりスペイン、ボールを回して相手の隙を窺う。生観戦したカタールW杯スペイン戦を思い出したりする。
10分を過ぎたあたりから、日本は立て続けに危ない場面を迎える。
ピヴォへの縦パスをカットされ、それが裏への浮き球のパスとなりループシュートを打たれるも野寺がカバーし難を逃れる。
続いてのスペインのCKにゴール前で合わせられるがゴレイロ折橋がかろうじて弾き出す。
その後もボールを回すスペイン。ギャップでパスを受けた選手がタメて左サイドから裏へ抜ける選手へ、ゴレイロ折橋も抜かれるが最後は坂本がゴール前で体を張り得点を許さない。
さらにゴール前の浮き球のパスからのループシュートでひやりとさせられる。
そうして迎えた19分。坂本の右CKを鎌塚が直接蹴り込んで、日本に貴重な先制点が入る。
いい時間帯でのゴールだった。

ハーフタイムにいろいろと修正もあっただろうか、日本の1点リードで第2ピリオドをむかえると日本はスペインにボールを回させても中には入らせない。
体を張るべき場面では体を張る。
残り8分ほどになり、スペインはパワープレーに出る。しかし日本は隙を与えない。
残り5分、ルーズボールを野寺が右サイドに持ち出し抜けようとするとスペインの8番がファールで止め、レッドカードが出される。そのまま抜け出していたら無人のゴールが待っていたのだから退場は当然だろう。
ちょうど6つ目のファールとなり第2PKを得ることになった。
その第2PKを鎌塚が決めて日本が2-0とリードを広げた。鎌塚はこの試合2点目。
選手のご家族が「今日は鎌の日」というかけ声が印象的だった。
そしてタイムアップ。日本がW杯を通じて初の決勝進出を果たした。
これまでの最高位は昨年W杯の3位。前述のイランと、初代デフリンピック金メダルをかけて決勝を戦う。

決勝は12日(火)12時30分(日本時間18時30分)~
https://www.youtube.com/live/XoWioUpkkIM?feature=shared


男子フットサル日本代表の合宿にはそれほど行けていなかったのですが、藤井監督が就任して初めて見学させていただいた合宿の際には、女子代表の進化に比べると少し遅れているのでないかという印象を持ちました。
今は本当に隙のない良いチームに仕上がっている印象です。私が言うのもおこがましいですが。
是非是非、この機会に世界一を勝ち取ってほしい!


*応援に集中していて写真をほとんど撮っていませんでした。