サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

電動車椅子サッカーワールドカップ閉幕 記事を書きました

2023年10月31日 | 電動車椅子サッカー

電動車椅子サッカーW杯閉幕から少し時間が経ってしまいましたが、W杯後半戦の試合の様子、全体の振り返り、そして鹿児島で開催された「特別全国障害者スポーツ大会」オープン競技電動車椅子サッカー大会についての記事を書きました。

https://www.paraphoto.org/?p=38112


電動車椅子サッカーW杯 予選リーグがすべて終了

2023年10月19日 | 電動車椅子サッカー

第4回電動車椅子サッカーW杯5日目、日本代表は予選リーグ最終戦の相手はデンマーク。
デンマークは直前のアルゼンチンとアメリカの試合が引き分けたため、試合前にベスト4進出の可能性が消滅。
一方の日本は勝っても負けても7位決定戦進出は変わらずで、数字上は消化試合となったが、やはり予選リーグ最終戦は勝利し、いいイメージで終えたい。

日本の先発は、三上勇輝、平西一斗、塩入新也、中山環。
塩入はイングランド戦同様、ゴールエリアに下がる。GKユニフォームは三上、デンマークの10番Petersenを抑え、押し上げるという役割も担っているのだと思われる。イエローカードを2枚もらっていたが、予選リーグ最終戦ということもあり、気兼ねなくプレーできる。

実際、日本が押し上げ、デンマーク陣内でのプレー時間が多く、惜しい場面も見られた。
イングランド戦では攻め込まれ、ゴールエリアに下がった塩入はあまり休むことはできなかったが、この試合では負担軽減されているようだ。

デンマークは、GKユニの三上をゴールエリアから遠ざけようという意図か、10番Petersenがポジションチェンジしてサイドに回ることも多くなる。
その対応か、平西に代わりGKユニフォームの内海恭平が入り、三上はGKユニを脱ぎフィールドプレイヤーの青に変わる。
日本は内海と三上の当たり負けしないコンビに変わった。

前半は0-0で終了し、後半も同じメンバーでスタート。

デンマークに攻め込まれる時間帯もあったが、塩入の好守で得点を許さない。
31分、中山がデンマークのバックパスに果敢にプレスをかけシュートするも、惜しくもゴールポストに跳ね返される。
その後は、攻め込まれる場面が増えたがゴールを許さず、スコアレスドローで終えた。

日本は予選リーグ9試合を1勝4分4敗、勝点7、得点6、失点16、得失点差-10の戦績で終え7位となり、7位決定戦でウルグアイと対戦する。
キックオフは20日午前9時(日本時間)。

明日の試合もおそらく6人で臨むことになると思われるが、是非最後を勝利で締めくくってほしい。
先発は、池田、平西、塩入、中山だろうか。

予選リーグの戦績は以下
1位 フランス    勝ち点27  得失点差+43   
2位 アメリカ    勝ち点22    得失点差+15
3位 イングランド  勝ち点 21   得失点差+17  
4位 アルゼンチン    勝ち点14  得失点差-1 
5位 オーストラリア 勝ち点12  得失点差-7
6位 デンマーク   勝ち点11  得失点差-5   
7位 日本      勝ち点7   得失点差-10  
8位 ウルグアイ        勝ち点6   得失点差-15    
9位 アイルランド  勝ち点4   得失点差-17 
10位  北アイルランド   勝ち点2   得失点差-20  

フランスの総得点45、得失点差43は驚異的です。
準決勝は、フランスvsアルゼンチン、アメリカvsイングランドの対戦。


電動車椅子サッカー日本代表 イングランドに敗れる

2023年10月19日 | 電動車椅子サッカー

第4回電動車椅子サッカーW杯5日目、日本代表の第1試合の相手はイングランド。
かつてイングランドに電動車椅子サッカーを伝えたのは日本。イングランドはその後、力をつけ、前回大会では3位。イングランドは、日本が目指す「スペースを使い、ボールを動かすサッカー」を体現し、いわばお手本のようなチームでもある。
そのイングランド相手にどこまでできるか。

日本のベンチ入りメンバーは今日も6人、先発は内海恭平、池田恵助、塩入新也、中山環。
フル出場を余儀なくされる負担軽減のためか塩入がゴールに下がり、GKユニフォームを着たセンターの内海と、ゴールエリア内を守る。池田はフィールドプレイヤーの青いユニフォームで前目のポジション。セットプレー時は内海と池田がエリア内の守備に入る。

イングランドは序盤からボールを動かし、日本の隙を窺う。
そして7分、イングランドは8番Boldingの縦パスを、右サイドで受けた10番Maclellanがダイレクトで折り返し、ファーで待つ4番Commonが直接ゴールに蹴り込む。塩入がぎりぎりのところで防いだかに見えたが、ゴールの判定。
イングランドの、スペースを使いボールを動かす展開から先制点を奪われる。

日本は相手陣内に攻め込むものの、有効なシュートまでにはいたらない。

16分、イングランドは自陣でボールを奪うと、1タッチプレーの連続で押し上げる。センターと右サイドでパス交換を繰り返し、パスコースが空いたところで10番が9番にクロスを通す、エリア内で守る内海と塩入が振られると9番はリターン、10番Maclellanがゴールを決めた。
すべて1タッチでつながった攻撃、日本は完璧に崩された。

18分にはオウンゴールから3点目。
日本は0-3で前半を折り返した。

後半、池田に代え三上勇輝が入る。三上は既にイエローカードをもらっており、3枚目を危惧しての先発回避かと思われたが、局面を打開するために必要だとの判断だっただろうか。
(予選リーグはイエローカード累積3枚で次戦出場停止となる)。

フィニッシャーとしては覚醒してきたが、なかなかボールに絡めない中山がゴールに下がり、塩入が前線に張る場面が増えてくる。

なんとか1点を返したい日本は、三上、内海が押上げ相手陣内に迫る局面も増えてくる。
27分には三上、内海、塩入とつながり塩入がシュートするものの、惜しくも8番Boldingに防がれる。

37分には内海に代えて再び池田が入る。
しかし38分に塩入がなんらかのトラブルでアウト。以降の時間、日本は3人で戦わざるを得ない。
そして0-3で試合終了。

日本は予選リーグ8試合を終えて、1勝3分4敗で8位。予選リーグ順位の可能性は7位か8位となった。
残された試合は本日14時キックオフの予選リーグ最終デンマーク戦と、明日9時キックオフの7位決定戦ウルグアイのみ。
その2試合で内容も結果もともなう試合を期待したい。
デンマークは勝てば準決勝進出の可能性を残しており、激しい試合が予想される。

塩入のトラブルは心配だが、試合後の挨拶には出てきていたようなので何とか大丈夫だろうか。
山田、宮川の体調不良による不在を感じる試合でもあったが、おそらく最後まで6人で乗り切るしかないのだろう。
とにかく日本から応援しています。

(追記)
アルゼンチンがアメリカと引き分けたため、アルゼンチンの4位が確定。日本vsデンマークは、数字上は、消化試合になりました。
内容も結果もともなう試合を期待したいことには、変わりはありません。

 


電動車椅子サッカー日本代表 アルゼンチンに敗れ自力でのベスト4進出は消滅

2023年10月18日 | 電動車椅子サッカー

第4回電動車椅子サッカーW杯4日目、日本代表第2試合はアルゼンチンと対戦。
アルゼンチンは直接4位争いをしている上位チーム、準決勝進出のためには勝利が求められた試合。

日本は、北アイルランド戦と同じ池田恵助、平西一斗、塩入新也、中山環の先発。
山田貴大と宮川大輝の体調不良つき、塩入、中山がフル出場しなくてはならない状況は同じである。

試合開始早々、中山は前線からプレス、積極的な姿勢を見せる。
しかし1対1に強いアルゼンチン10番Zegarelliに押し込まれるなど、日本は終始攻め込まれる展開が続く。

そこで日本は12分、1対1に強い内海恭平、三上勇輝を、池田、平西に代えて投入。
塩入をゴールに下げ、なんとか押し上げようと試みる。
その流れで日本は何度かチャンスを作り出す。

14分には内海の左サイドキックインから 中山へ絶好のパスが通るがシュートはポストを直撃、惜しくもゴールにはならない。
その後はアルゼンチンの攻撃が続き、日本は我慢の時間帯。

後半は前半終了時のメンバーでスタート。
エリア内は状況に応じて、内海と塩入、内海と三上が守る。
アルゼンチンの攻撃に耐え、得点の機会をうかがうがなかなか糸口がつかめない。

30分、流れを変えようと内海、三上に代えて池田、平西が投入される。
(筆者はそのまま我慢したほうが良いと思いつつ観ていた)

その直後、ハーフウェイラインまで押し上げた池田が10番Zegarelliに裏を取られ、そのままドリブルで持ち込まれ、先制点を許してしまう。

なんとか追いつきたい日本だが、相手陣内までボールを運べない。

35分には再び内海、三上が池田、平西に代わって入る。
しかしゴールは遠く、アルゼンチンに0-1で敗れた。

日本は7試合を終えて、1勝3分3敗、勝点6、得失点差-7となり、自力でのベスト4進出は完全になくなった。
(他力での可能性は、日本がイングランドとデンマークに2勝したうえで、アルゼンチンがアイルランドに負ける。オーストラリアは北アイルランド、アイルランドのどちからの試合は引き分け以下に終わる等、条件がそろう必要がある)

ともかく予選リーグは残り2試合(イングランド、デンマーク)。
一つでも上の順位を目指して、闘いきってほしい。

(追記)4日目を終えての戦績表は以下。( )内は残りの試合

1位 フランス    勝ち点21 得失点差+33   (デンマーク、ウルグアイ)
2位 アメリカ    勝ち点18   得失点差+13  (ウルグアイ、アルゼンチン)
3位 イングランド  勝ち点 15  得失点差+12  (日本、北アイルランド)
4位 デンマーク   勝ち点10 得失点差-2   (フランス、日本)
5位 アルゼンチン    勝ち点10 得失点差-3  (アイルランド、アメリカ)
6位 ウルグアイ   勝ち点6  得失点差-6    (アメリカ、フランス)
7位 日本      勝ち点6  得失点差-7  (イングランド、デンマーク)
8位 オーストラリア 勝ち点6  得失点差-10  (アイルランド、北アイルランド)
9位 アイルランド  勝ち点4  得失点差-14  (アルゼンチン、オーストラリア)
10位 北アイルランド  勝ち点2  得失点差-16  (オーストラリア、イングランド

フランス、アメリカはベスト4進出決定


電動車椅子サッカー日本代表 今大会初勝利

2023年10月18日 | 電動車椅子サッカー

第4回電動車椅子サッカーW杯4日目、日本代表は第1試合で北アイルランドと対戦。
北アイルランドは現在9位のチーム、勝点3が絶対的に求められる試合。
日本のスターティングメンバーは、GK池田恵助、平西一斗、塩入新也、中山環。
山田貴大と宮川大輝はこの試合もベンチに入っておらず、PF1の塩入、中山はフル出場しなくてはならない。

日本は序盤からスペースを使いボールを大きく動かす。
2分の自陣キックインでは、塩入、池田、平西、中山とつなぎ、最後は塩入がシュート、ゴールにはならないが連動した攻撃を見せる。

3分の左サイドの平西のキックインはファーで待つ中山へつながるが、枠に蹴り込めない。
ここは次戦に向けての反省材料だろう。
しかし直後の4分、ゴール前でFK のチャンスを得ると、ディスカバリーの平西、池田コンビがポスト脇で待つ中山につないで 中山がゴール。 
中山環には、W杯、そして日本代表の公式戦での嬉しい初ゴールとなった。

日本はその後もスペースを使いボールを動かすサッカーを体現していく。16分には中山からスペースへ走りこむ塩入へのスルーパスからGKと1対1になる場面も見られた。
17分には、池田、平西に代えて三上勇輝,、内海恭平が出場。
前半を1-0で折り返す。

後半のスタートは試合開始時と同じメンバー。
35分には平西のFKを、中山がゴールに蹴り込んで2-0。
36分には、池田、平西に代えて三上、内海が出場。塩入はゴールエリアに下がり、PF1塩入の負担を軽くしようという意図もあったかもしれない。

40分には三上がインターセプトし中山へ、中山は逆サイドの内海へ、内海がきっちりと蹴り込んで3点目が入った。
全て1タッチでつながり連動した得点。
内海の今大会初ゴールでもあった。

日本は3-0で完勝、今大会の初勝利となった。
前日、池田が「流れを引き寄せるために、1-0というきわどい拮抗した試合ではなく、これが日本だという点数の取り方をしてそこからつなげていきたい」と語った通りに試合となった。

しかし総合力で劣る北アイルランドだからこそできたという側面もあるだろう。
この良い流れを次戦のアルゼンチン戦にもつなげていってほしい。

アルゼンチン戦も、絶対に勝ち点3が求められる試合だ。

現在、日本は1勝3分2敗 勝ち点6 得失点差 -6

(追記)
6試合終わった時点で、実質的に4位争いをしているチームの順位は以下。

4位 デンマーク   勝ち点10 得失点差 -1
5位 アルゼンチン  勝ち点7 得失点差 -4
6位 ウルグアイ   勝ち点6 得失点差 -1
7位 日本      勝ち点6 得失点差 -6
8位 オーストラリア 勝ち点6 得失点差 -9

混戦模様です。
しかしフランス、アメリカ、イングランドとの対戦を残しているチームも多く、
仮に各国が3強には負ける前提で考えると、日本はアルゼンチン、デンマークの直接対決を制すれば、
デンマーク、アルゼンチン、ウルグアイの上にいくことができます。
ただオーストラリアとは得失点差の争いになるかもしれません。