サッカー狂映画監督 中村和彦のブログ

電動車椅子サッカーのドキュメンタリー映画「蹴る」が6年半の撮影期間を経て完成。現在、全国で公開中。

愛していると言ってくれ

2020年06月22日 | 手話・聴覚障害

「愛していると言ってくれ」5話から最終話まで初見で観ました。
トヨエツの手話を最初に見た時は手の動きと顔のギャップで読み取りにくいと感じましたが、見慣れてくると読み取るのもそれほど苦でなくなり、セリフから「ろう的な手話」にうまく翻訳されているように感じました。
手話をかじっている人には「なるほど」と思うことも多々あったのでは。
私には到底真似出来ない翻訳。
手話指導には手話通訳の方のみならず、日本ろう者劇団の方々も関わっていたようです。だからでしょうか。
詩的な表現というか、感情が手の動きにこもっている場面もありました。昔を思い出す右手の動きとか。

「愛していると言ってくれ」の翻訳は、指文字の「アイシテイル」の後に人差し指を常盤貴子の口に当てる。唇から指が離れれば「言ってくれ」という手話になる。
「なるほどそうきたか!」という感じでした。
トヨエツが「ふられた」というところは、顔か何かの要素が足りなかったのか、ちょっとよくわかりませんでした。

他の人たちの手話や読み取り能力は、設定に比してうま過ぎる感じでしたが、そういう野暮(?)なことを置いておけば、なかなかに考え抜かれ手話単語も選び抜かれた、しゃべりながらの手話でもありました。当時、手話をやりたくなった人が続出したのはよくわかりました。特にトヨエツに魅せられた女性?
その後、大半の手話学習者は思ったように手話が上達しないことに落胆したかもしれませんが。ただ、今は当時よりは学べる場は増えています。この機会に手話を初めてみては?
ソーシャルディスタンスも気にせず、飛沫も飛ばさず会話できます。

ところでトヨエツの話し言葉を捨てた設定はよく理解できませんでした。
7才での失聴は、話せるけど聞こえないギャップに苦しむでしょうし、発音は明瞭だが音量の調整がむずかしいということかとも思いますし。
1~4回目を未視聴なので、観たらまた書き込むかもです。

自分の手話力は棚にあげた書き込みですので、おかしな点はご指摘ください。


映画「蹴る」上映予定

2020年06月12日 | 映画「蹴る」

映画「蹴る」の上映会は2月下旬よりことごとく中止または延期となっています。具体的な日程会場が決まっていたもので12、話が進んでいたがストップしてしまったものが10近くあります。現時点で年内の上映は、8月に2件、12月に1件、予定されています。開催の有無、詳細がはっきりしたら告知します。
(延期というのは、新型コロナウイルスが落ち着いたら改めて上映を検討としたいと言ってくだだっているものです)

そんな状況なので、知人のお店で自主上映会をやることにしました。
詳細は以下になります。
密にならないように1日3回上映します。ご来場予定のかたは事前予約お願いします。
各回上映終了後は、質疑応答有り。
私は1日ずっといますので、質問、感想、意見、批判なんでもどうぞ。
最終会上映後は、懇親会もあります。

拙作『MARCH』も一度だけ上映します。こちらもよろしくお願いします。


電動車椅子サッカードキュメンタリー映画 「蹴る」
 + 東北復興支援ドキュメンタリー映画 「MARCH」上映会。

7月4日(土曜日) 
 1「蹴る」    11~13時
 2「蹴る」    14~16時 
 3「MARCH」 17時~17:36 (締め切り)
 4「蹴る」    18~20時    (締め切り)
*MARCH鑑賞ご希望の方がいらっしゃれば、ご連絡ください。後日再上映します。
 【料金】 
 「蹴る」: 鑑賞・一般1000円/障害者および中学生以下900円
       +1ドリンク500円でご注文ください。
 「MARCH」: 鑑賞700円 / 「蹴る」のセットなら500円 
 
 蹴る    https://keru.pictures/ 
     https://www.facebook.com/kerupictures/ 
 MARCH http://seedsplus.main.jp/ 
     https://www.facebook.com/eigamarch/ 
 
 ご予約・お問い合わせください。(各回10人程度。)
 日本語字幕版をご希望の方はメールにてご連絡ください。
 車椅子の方もご連絡ください。
 マスク着用など、感染症予防対策にご協力ください。
 各回後、【中村和彦監督トーク】あり。軽飲食もできます。
  https://www.facebook.com/kazu.nakachin 
 最終上映後、中村監督との懇親会(会費制)もご参加できます。
 
 【予約・問い合わせ】
 バルト  電話:03-3315-0751 
  杉並区阿佐谷南2-21-9(JR阿佐ヶ谷駅南口  一番街  徒歩3分) 
 メール: eiga.keru@gmail.com 
 https://www.facebook.com/バルト-307262916034285/


NHK「これでわかった!世界のいま」

2020年06月10日 | 日記

NHK「これでわかった!世界のいま」のアニメ動画に抗議が殺到。動画はTwitterからも削除、番組自体もNHK+から削除された。削除される前に番組全体を見たが唖然とした。

動画は白人警官による黒人殺害理由の一般論が述べられた後に流された。
「理由は諸説ありますが、その一つとして白人警官には黒人に対する漠然とした恐怖心があるからだと言われているんです。以前私がロサンゼルス市警のパトカーでのパトロールに同行したことがあるんですけど、黒人やヒスパニック系の人たちの、特に治安の悪い地区に入っていく時に警察官たちはかなりの緊張を強いられていたんです。やはりアメリカは銃があふれているからということもあります。ある警察官は『毎日生きて帰ってこられるかわからない。そういう思いでパトロールに出ています』と話していました」

番組では次にフリップを出して説明。なので理由の説明はこれで終わったのかと思った。

「アメリカでは年間1000人が警察によって射殺されている。確率でみてみますと黒人は白人の2.5倍にものぼっています」

その後にとってつけたように、
「白人警官の側にはわずかな油断が命取りになるという思いがあるのかもしれませんが、これは何もしていない黒人からすると差別でしかないという構図にもなっています」と続いた。
あまりにもとってつけたようであっさりしたものだったので、初見の時には聞き逃してしまった。念のため、この箇所を聞き返したら差別に言及していることがわかった。

そして経済格差の話題へと移り、アニメ動画が流された。
アニメは経済格差に怒った黒人が抗議、あるいは暴徒化するという流れ。

殺害理由への言及も、アニメも、番組全体も、黒人が怖いものというイメージで統一されていた。差別という言葉はほとんど使われず、暴徒化という言葉は何度も繰り返された。耳を疑うほどだった。

黒人の『暴動』は、トランプが大統領になって始まったものではなく、黒人のオバマ大統領の時からあったということにも言及。
黒人であるオバマ大統領も止められず、オバマの非力さが協調された。

また番組の公式Twitterに今でも残されているが、
「アメリカ社会は、考え方の違う両者が互いにののしり合って、どんどん分断が深まってしまったんだ」
罵り合うこともあったかもしれないが、「差別する」「差別をやめろと主張する」 それは罵り合うことではない。

こんな番組が‪日曜の夕方6時から‬、公共放送の地上波で、子供・家庭向けに流されていた。

黒人の怖さや分断ばかりを強調するのではなく、「やり方を変えよう。平和的にやっていこう」といった故人の弟の言葉や、ひざまずいてデモ隊に連帯を示した警官でも紹介したらどうなんだ。